ダニエル・キイスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
知的障害をもつチャーリー、難しいことはできないがパン屋で働きながら一生懸命勉強をしようと努力していた。そんなある日センターで知的障害を改善する研究が進められた。その被験者となったチャーリーは徐々に知能が改善されていった。しかし同じような実験を行った被験動物である白ネズミのアルジャーノンに奇妙な変化が訪れていく。
題名や知的障害者の話であることはなんとなく知っていた。
何年か前にドラマ化されたしとても有名な小説
だけど手を出さなかったのは自分が知的障害者にいい思い出もないので読むのに躊躇していた部分がある。
だけど今回ふとしたきっかけがあり読むことにした。
なんというか…ハッピーエンドともバッ -
Posted by ブクログ
被虐待児は全国でかなりの人数に上ると思うが、その中で解離性同一性障害を発症するのはどのような特徴を持った人間なのか。
ビリー・ミリガンは多才で知的にもかなり高かったようだけど、それも関係しているのか。
そもそも人格なんてものがあるのは人間だけで、その人格が分裂していることが良いこととも悪いこととも見なせない。最終的にミリガンが社会の中で生き、生活していけるのならば「共同経営」でも「個人経営」でも「会社組織」だろうと問題は無いと言ったドクターコールの見解にその通りだなと思った。
ミリガンは癌を患い亡くなったようだが、彼が晩年幸せな時間を少しでも多く過ごせたことを願ってやまない。
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Posted by ブクログ
主人公に据えられているはずなのに、徐々にビリーにうんざりしてしまったのはなぜだろうか。自分の望まないことを回避するように統合と分裂を無意識にコントロールしているのでは?とか、自分が性根では善人なのだと喧伝したいがための正当化なのでは?という気がしてくる。
作中の作家は中立であるように描かれていると思うが、一方で、実際のキイスはビリーに心を寄せていたのではないかとも感じた。
そう感じたのに、ビリーに対して上記のような感想を覚えたのが少し不思議だったけれど、それがこの作品の妙なのかもしれず、また最後の方はストーリーが一進一退だから、そのためかなとも思う。