ダニエル・キイスのレビュー一覧
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◯賢いってそれだけに正義になるものではない
人は、子供の頃から、学校教育の影響もあって、「テストで点が取れる・賢い」=「すごい、正しい」と言う意識が刷り込まれている。しかし、この本を読むと、それだけでは「すごい、正しい」とは言えないことがわかる。むしろ、賢さが人を落ちぶれさせることもある。
読んでいるうちに、主人公の苦悩や傲慢さが痛いしく見えてくる。しかし、これは自分にも当てはまるところあるよなぁと想いながら読んでいた。自分の痛いところを突かれるような感覚もあった。
最後に、普段聴く曲の歌詞も引用する。Mrs.Green Appleの「breakfast」の歌詞で「馬鹿でもいいんだ -
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後半結末まで本を閉じる事ができず、時間を忘れて読み耽ってしまった。
本作は「もし人間の知能を人工的に高めることができたら、いったいどういう事になるか?」というアイデアから書かれた小説である。
知的障害をもつ主人公チャーリーが語る「けいかほうこく」というページから始まり、彼の一人称視点で私たち読者は物語を読み進めていく。彼の心理描写や自分自身の変化に対する葛藤への共感、そして彼の純粋さ、誠実さに心を打たれる人は少なくないはず。
ただ序盤の独特な文章や、中盤からの人間関係の重さ、生々しさなどから読むのを挫折してしまう人が一定数いる事も納得。個人的には大学生以降になってから読むのがベストかと。 -
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チャーリィやさしいね 知的障害を持ちながらパン屋ではたらく優しいチャーリィが、人工的に知能を高くする手術を受けて圧倒的なスピードで天才になっていく。動物実験で天才となったアルジャーノンの退行していく様子から、自分の未来を完全に予測したチャーリィが、退行していく自分自身の知能に対しても「新しいことを覚えれば下降するエレベーターに乗っていても今の階にとどまれるかもしれない」と本を読み勉強していく様に、この人はすごく純粋で優しい人だと思った。人のせいにしないで自分のやることに一生懸命になれるチャーリィが、作者の経験や出会った人から着想を得て描かれているのはあとがきで知った。きっと作者のダニエル・キイ
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『アルジャーノンに花束を』が良かったので。
私のビリー・ミリガンに関する知識は、多重人格の犯罪者、といったものだった。実際読むまではその”犯罪”は殺人だと思っていた(なぜだ)。
多重人格という題材はある意味アイキャッチーで、興味本位で書かれたものには食指が働かず、よって本書にも手が伸びなかった。
ノンフィクションというのもためらった理由の一つだったのだが(現実は救いがないからだ)、本書はまるで小説のようだった。
一気に読んだ。
まずはダニエル・キイスは誠実に描こうとしており、私の勝手な先入観とは全く異なり、決して興味本位の本ではなかった。
執筆のきっかけはビリー本人によるものであり、ビリ -
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ネタバレ辛い現実を前に、人格を分散させることによって心を保ち、命を守る。そんなこともある人間の精神や脳の不思議。一人ひとりの人格はビリーが生み出したもののはずなのに、統合されていくと一部の人格だけしか表れなかったりする。
じゃあ、本当のビリーって??
そんな問いは、場面によって顔を使い分けることにも重なるようで。友人と過ごす自分、家族と過ごす自分、恋人と過ごす自分、一人で過ごす自分。どれも現実で本物なのに、本当の自分に悩んだりする。もしも、これらが統合されて一つの顔しか持てないのなら、どの自分が残るんだろうか、なんて。
ー現実の世界を閉めだすことによって、ぼくたちは自分たちの世界で平和に暮らせま -
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全く別の人格が、都合の良い場面で登場するというのは、実は理にかなっているのではないかと穿ってしまう。
主人公は本来引っ込み思案でオドオドした性格。別人格では、明るくて陽気な人格や、冷静で知的で芸術家肌の人格など、私もほしいと思うような羨ましいものもある。凶暴な人格もあるが、戦わなければならない場面も生活には存在する。
もちろん、それらの人格がきちんと意識下にあり、コントロールできれば、という条件がつくだろうが。
不思議なことだが、本人が見たら全く理解できない書籍を別人格が読破していたり、難解な数式をいとも簡単に解いてしまうというのは、多重人格者には本当にあり得るのだろうか?24人のビリーミリガ -
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ネタバレ新品で上下巻揃えて買っていたのに途中まで読んで積読していた本作。久しぶりにISOLAを読んだのをきっかけに、数年の時を経てまた読み始めた。
感想は下巻の方にまとめるとして、
とりあえず、翻訳された本にしては格段に読みやすかった!
きっとダニエル・キイスの文章も読みやすいものなんだろうし、翻訳者の方も優秀なんだろうなぁ。
時間を奪われている、気づくと違う場所にいる、という表現でファイトクラブを思い出した。
多くの作品に影響を及ぼしているはずなので、これはしっかり読まなくては…。
それにしても映画はいつやるんだろうな〜。スプリットのマカヴォイの演技がすごかったのでレオ様にも期待しちゃいます。 -
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ネタバレアルジャーノンに花束をの作者ダニエル•キースによる実際に存在したビリー•ミリガン氏について書かれたドキュメンタリー小説。
この小説は上・下の2巻構成であり、上巻は主にミリガンにいる人格の解明と人格が分裂するに至った経緯が書かれている。下巻は前半に事件が起きるまでのミリガンの半生、後半にミリガンを刑務所に入れないようにするために世間のバッシングと戦ったミリガンと医者たちの奮闘が書かれている。
この物語はアメリカで起きた3件の婦女暴行事件の犯人であるビリー•ミリガンが捕まったところから始まる。
逮捕され勾留されたミリガンは様子がおかしかった。子供のように怯えていたかと思えば、あるときは知的なイギ -
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これが実話であり、他にも精神分裂病苦しんている人々がいることは真実であると考える他ない。
幼少の頃の虐待によることが要因であるならばこのような事象を広く世間に認知され、虐待のない世の中になることを願う。虐待する側も病んでいるのだろうし、病が伝染すると考えさせられる。
ビリーの場合、主人格を乗っ取る交代人格による性犯罪で窮地に陥るが、その犯罪履歴を持つものが身近にいるのは確かに恐ろしいし、隔離しておくべきとの主張もよくわかるので難しい問題である。
その犯罪、フィリップが主犯であろうが、レイゲンの暴走による所が大きいと感じた。
多国語を読み書きできる人格がいるのも驚き。自分の脳にも強いきっかけがほ