ダニエル・キイスのレビュー一覧

  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    終盤の主人公の退行がただただ悲しかった。退行しきる前に自ら命を絶つオチを予想して読んでいた。そのような結末ではなかったものの、露悪的な描写無しにここまで考えさせられる表現というのが新鮮だった。ただちに読み直すには心の整理が必要だが、なんだかいずれは再び手に取っているような気がする、そういう面白さがあった。

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    2025年11月27日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    ネタバレ


    チャーリーがあの刹那的に生きてた最後のアリスと交わったときは、彼にとっての本当の幸せに気づいたのだろうと思う。

    なんだか皮肉なものだよな。人が輝くのも星が輝くのも、いや命が輝く瞬間というのはいつも、命が消えゆく瞬間でもあるのかもしれない。
    儚いとはこういう事なのだろう。
    遺された人や想いは生き続けるし、世界も周り続ける。

    のちの解説でその人は人生で3度アルジャーノンに花束をを読んだそうだが、3回目の涙はチャーリーが救われたという涙であったそう。あれを救いと捉えるのは僕にはまだ少し難しい。今の僕には救いとは言えそうにない。言語化できない。救いだけでは言い表せない最後のような気がする。

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    2025年11月25日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    ネタバレ

    正直、全てを理解したのかと問われると理解できていないと思うが何故だか涙が止まらなくなった。

    「アルジャーノンに花束を」は映像化やSNSでも度々話題になっていたことから数年前から手元においていた。
    本の厚みといい、以前、中途半端に読んでいたこともあり、なんだか手が伸びず、積読状態だったのだが、最近、重い話の本を読んだことで、ライトな本を読みたい(と当時は思っていた)と考え、今回、読むことにした。

    知的障害者が天才になっていくという大まかな
    あらすじは知っており、ハッピーエンドな物語か。
    くらいな気持ちで読み始めた。

    初めは、拙く、誤字ばかりの経過観察が読みづらく、なかなかページをめくること

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    2025年11月25日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    知的障害者のチャーリイ・ゴードンのお話。
    物語は心理学者のニーマー教授やストラウス博士宛ての「経過報告」という形式で、チャーリイの一人称語りで進んでいく。

    チャーリイの始めの経過報告は漢字もほとんど使えず、句読点も十分に使えず、数少ない使える漢字も間違っていたり、「は」と「わ」の区別や「っ」も書けなかったり、彼が大人の年齢だけど幼稚園生くらいの知能しか持っていないことがわかる。原文もどう書かれているのか気になるが、翻訳者もよく翻訳したなと思った。あとがきを読んだら、著者も翻訳者も書くにあたって同じ工夫をしたらしい。

    チャーリイは実験動物のように、研究の被験者として知能を高める手術受ける。そ

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    2025年11月23日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    読んでいてすごく辛かった
    最初は幼児レベルの語彙力で読みにくく、頭が良くなるにつれて表現の仕方が小難しくなっていき読みにくかったのが本音
    考えさせられる小説だった

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    2025年11月19日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    まるで主人公を隣で見ている気分
    何かをしてあげる、上達させてあげることはその人にとっていいこととは限らない

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    2025年11月18日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    2025.11.14 初読。

    裏表紙のあらすじ程度の知識で読み始めたので結末を知らず、知る喜びを十二分に味わい生きている我が身として、特に知能を失っていく過程(それが予感されたとき)は頭を殴られたような衝撃と悲しみを感じ、なんて恐ろしくて怖くて残酷なことなんだろうと思いました。彼の本当の幸せとはいったいどこにあったのでしょうか。

    確実につらい物語であるはずなのに読後感がただ悲しいだけでなく、涙が出るほど温かい気持ちにもなるのは、ひとえに著者の故ダニエル・キイス先生、そして翻訳の小尾先生が一貫して向けるチャーリイへの大きく温かい愛や眼差しによるものにほかならないと思います。心の底から敬愛を

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    2025年11月14日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    チャーリーの苦悩が描かれ続けているというのが全体の印象。中でも、チャーリーのIQが低下していく後半、パン屋に戻ったチャーリーがそこで受けた扱いが苦しく感じた。チャーリーがIQの低下に対して抗う姿勢を見せた矢先に、友達からの助けによる同情がその心を折ったように思えたからだ。それをさらに苦しくさせるのは、チャーリー自身はそれが何か理解していることだ。以前のチャーリーではそれは何かを知らずに生きていたから。将来どこかのタイミングで読み返した時、違う感想が生まれる気がする、そんな楽しみがある作品でした。

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    2025年11月13日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    中学生の時に筒井康隆の「心狸学・社怪学」でこれを元ネタにしたショート読んでたけど、ずっとタイトルしか知らなかった。もしかしたらあの頃はまだ文庫じゃなかったのかも。大学の同級生に読んだ方がいいと言われて文庫があったから買った気がする。アレはコレか!となったのは読んでからウン10年たってから。
    得ることが良い訳でもなく、失うことが悲しいばかりではないと思わされる、驕りと優しさ、苦しさと幸せ、哀しみと愛の物語。名作。

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    2025年11月09日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    知的障害のチャーリーと、それを改善しようとチャーリーに人体実験を行う科学者たちの物語。
    アルジャーノンは動物実験で超優秀となったマウス。
    物語は主人公チャーリーによる経過報告式で進んでいく。
    経過報告は人体実験前は全文ひらがな、誤字あり、句読点なしで読み進めていくのに苦労したが、実験後はIQが70から185に変わったことで、語彙や表現力が富んで専門的な用語も出てくる。
    この変化が面白くて、ついつい読み進めてしまい450ページ近い長編だが一気見した。

    チャーリーの家族、療育学校や病院、バイト先のパン屋、パートナーの女性、チャーリーが身を置く環境と人間関係も事細かに書かれていて、情景が浮かんでく

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    2025年11月08日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    最初読みづらくてしょうがなかったけどだんだん納得してすごく引き込まれた!
    読みやすくはないけど読んでほしい!

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    2025年11月07日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    読み終わった瞬間から、大号泣。
    こんなに泣いたのは久しぶりというぐらいの涙だった。
    チャーリーがめっちゃ良いヤツ。

    だいぶ昔にも読んだことがあって、その時も感動した記憶がある。
    でも今回はそれ以上に心を揺さぶられた。
    以前は、性的な描写なんていらなくないかとさえ思っていた。けれど、今になって思う。大事よ!!生きてるんだから!!生物なんだから!!
    知能、心、体のそれぞれの成長があって、本来人はそれらをゆっくりと時間をかけて育ててるんだと気付かされた。

    そしてさ、あらゆる登場人物とチャーリーとの関わりの変化に色々と考えさせられた。
    パン屋でチャーリーをいじめてるやつらも、大学の教授も、お父さん

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    2025年11月07日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    名著と言われる理由が分かりました。
    自分の人生で今読むことができて嬉しく思います。
    丁寧に読みました。

    「知能だけではなんの意味もないことをぼくは学んだ。
    人間的な愛情の裏打ちのない知能や教育なんてなんの値打ちもないってことをです。」

    「知能は人間に与えられた最高の資質のひとつですよ。
    しかし知識を求める心が、愛情を求める心を排除してしまうことがあまりにも多いんです。」

    以上、チャーリーの言葉から。

    最後の一文、すてきでした。
    あたたかい気持ちをありがとう。

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    2025年11月02日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    人間は考える葦である。
    本当にそうなのかもしれない。
    人間はこんな素晴らしい作品をかけるのですね。
    そりゃ空くらい飛べるよな~。

    悪を可能にさせるのは知能である
    とはよく言ったもので、
    無知は決して罪などではなく、
    紛うことなき純粋さなのだろう。
    それは善悪の次元に存在しない。

    では、人の知能を人工的にあげることは罪なのだろうか。
    物語中でチャーリーが、白痴が禁忌を犯し、
    普通を知ることは罪であるはずがない。
    と言う意のことを言っていて、
    私は自分の至らなさに泣きそうになった。
    彼は産まれた時から彼以外の何者でもなく、
    ひとりの人間であり、知る権利があるのだ。
    その方法をさずけること、それ

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    2025年11月29日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    アルジャーノンに花束を
    2025.10.03

    知性を得たとしても幸せになるわけではない。

    これは私も感じていたことだ。知識を身につけていくことは素晴らしいし学ぶ環境があること自体、幸せなことであると思う。しかしながらそれに伴って純粋さを失ってしまうのだ。闇を理解し、気を遣い、気を遣われていることを知る。人が見下し合う現実を知り、自分も見下す立場となる。
    我々だって、小さい時にワクワクしていた晩ごはんのメニューや友達と遊ぶことに対して純粋な気持ちだけで取り組めなくなっていることは事実だと思う。成長することで生きることの闇も知ってしまう。しようと考えていなくとも無意識に人を見下すことがあるだろ

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    2025年10月04日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 上

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    多重人格について、以前YouTubeを見た時以来興味を持っていたのと、『アルジャーノンに花束を』が好きだったので拝読。
    初めは周囲の人から見たビリーミリガンについての記載が多く、途中から本人の協力により人格同士の対話もふんだんに書かれていて、とにかくとても面白かった。
    興味深くあっという間に読み進められた。下巻も楽しみ。

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    2025年06月03日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

    ネタバレ

    アルジャーノンに花束を

    最初の方はひらがなや誤字ばっかりで読みにくくて嫌だなとか思ったのに見ていくうちにどんどん世界観に飲み込まれる感じがあって最後まで見たら気づいたら泣いてる感じがあってめっちゃ感動した最初は見にくいなとか思ってても数ページ進むだけで時間も忘れて最後まで一気に読んじゃう世界観の引き込みかたが素晴らしい

    #深い #泣ける #切ない

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    2024年08月22日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下

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    こんな症状になるまで、幼児期に虐待されるなんて、本当に気の毒だ。物語が終わった後の、日本の精神科医の方のお話を読んで、さらに、悲しくなった。

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    2024年05月29日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

    QM

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    切なくなった

    終始日記風の書き方で、最初幼児の知能レベルで書いた日記はかなり読みづらかったけど、とある日を境に作文能力が急上昇、こんなに変わるもん??!とびっくりしました。
    最初は低知能だったが故にいじめられていると気づかなかったものの、周り対する優しさや希望のようなものが読み取れました。
    「頭がよくなる手術」を受けたことによって、数日後チャーリィの理解力や会話の能力はメキメキ上達、でもそれと同時に小さい頃の嫌な思い出やトラウマがよみがえるようになり、それによって苦しみます。
    物語が進んでいくにつれてより賢くなったチャーリィは、ずっと憧れだった「他の人と政治や宗教や、そういう高度な内容の話がしたい」という夢

    #泣ける

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    2023年12月20日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下

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    ネタバレ

    下巻にも人格名と性格一覧を載せてくれよ、と思いながら読み始めたが、順番に新人格が登場してパンチのある紹介(行動)をしていくので必要なかった笑

    "憎悪の管理者"で喧嘩担当のレイゲンだが、ロビンフッドのように貧困の子供を助けて喜んだり、人格の中でもクリスティーンを気に入っていて、スポットに出ていない時は遊び相手になっていたり(レイゲンが必要な時に呼んでも出てこないのでアーサーが探し回ってみると遊び相手をしていた)、レイゲンがエイプリルに唆されてチャーマー・ミリガンを銃殺しようとするのを、アーサーがクリスティーンに止めさせる(効果あり)流れが面白かった。
    アダラナは女性と一体に

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    2023年07月30日