ダニエル・キイスのレビュー一覧
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面白いです。辛い描写もありますが、心温まる場面や言葉もあります。
まとめて読む時間が取れず細切れに読んでいるので、最初は第一部が始まる前の『心のなかの人々』を参照しつつ読みましたが、だいぶその頻度が減ってきました。
後半で、ビリーの中の人々が次から次に他者の前に姿を表す部分はとてもテンポよく面白かったです。彼らが実在した人たちなのか、どこからどうしてビリーの中にやってきたのか、まだ分からないことが多い。ただ、アレンがドクター・ジョージに言った「ドクターが人格たちと言うと、彼らがほんとうにいるとは考えていないみたいに聞こえます」という言葉は印象的で、彼らは確かに「人格たち」ではなく「人々」なのだ -
Posted by ブクログ
かつて〈モンスター〉として描かれてきた多重人格者を、〈モンスター〉の側から書くことで理解を深めた記念すべきノンフィクションの傑作。連続レイプ犯として逮捕されたビリーミリガンには犯行の記憶がなかった。ビリーの症状、24人の人格との対話、生い立ち、裁判の様子など非常に興味深く描かれる。虐待が生み出したと思われる多重人格。しかし犯罪者の人格も彼の一部であり、それが一人の人格であるなら文句なしに罰される罪を犯している。そしてどれも彼の人格なのだ。その中から一人格を正しいと決めて集約させようとすることは治療なのか、矯正なのか。また犯罪を犯すほどではない多重人格者はどうしているのだろう。問題視されなければ
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Posted by ブクログ
ネタバレ子供の頃テレビで見て、彼についてなんとなくは知っていた。今でも内容が頭を離れず、ようやく読むことができた。
解説にもあったが、多重人格は親からの虐待に起因することが多いらしい。ビリーの場合は、継父からの性的虐待、実父の死によるショック、母親からの激しい叱責などが原因で、自分を守るために人格が分裂していった。怪力のレイゲン(スラブ訛り)、愛を渇望するアラダナ(レズビアン)、知的能力の高いアーサー(イギリス上流階級訛り)、全ての苦痛を引き受けるデイヴィッド(幼児)などなど。それぞれが全く異なる人格やバックグラウンドを持っているのも驚きだし、リーダーを作って人格をコントロールしていたというのも衝撃だ -
Posted by ブクログ
多重人格というものに対しての偏見?イメージ?みたいなものが変わった気がする。
自分が知っている冷酷で理知的で、必要に応じて人格を分けるサイコパスではなく、生きていくために人格を変えざる得なかった弱者だったのが衝撃的だった。
今回の話は身体的な意味でビリーが犯した罪よりも、多重人格者が犯した犯罪という意味で有名になった訳で、そう考えると偏見にまみれているように感じるし、周りからの視線も好奇以外のものがないと思う。
罪を犯していない人間(人格)を逮捕するのは冤罪と変わらない気がするが、身体的な意味では犯罪者だから、どう分類したらいいのかわからない。
それにしても、知力や体力はもちろん、使用する言語 -
Posted by ブクログ
ネタバレ外科手術によって高い知能を得たチャーリイは、瞬く間に知識を吸収して天才として知られるように。だが同時に彼は、今まで気づくことのなかった人々の悪意をも知ることになる。そしてかつては思いもしなかったことだが、世間の人々は取るに足りない者たちだったことにも気がつく。そういった傲慢な心に加え、過去を追想するうちに自身のトラウマをも理解する。そのために、結局アリスのような自分を想ってくれる人を遠ざけてしまう。
さらにはアルジャーノンを観察する中で、いずれ自分の知能が再び低下することを知ってしまう。
知能に情緒が追いつかない苦しみ、他人を見下す傲慢な心、どこまでも果てしない孤独。本当の幸せとは何なのかを否 -
Posted by ブクログ
ネタバレアルジャーノン。このネズミから自分の人生の結末を悟ってしまうのは、あまりにも辛く、どうしようもないことなのだと思う。頭が良くなったチャーリィとそうではないチャーリィ、この2人は本当に同じ人なのか疑うくらいの変わりようだが、一概にどちらが良いとは言えない。知らぬが仏、この言葉が頭に浮かんだが、これも違うように感じる。自分のことは自分が1番知っているの代表例。また、チャーリィを取り巻く登場人物の変化がとても面白かった。パン屋の人たちはなぜあそこまで優しくしてくれたのだろう。これも同情からなのだろうか。
ついしん、アルジャーノンに花束を