ダニエル・キイスのレビュー一覧

  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 上

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    ネタバレ

    人格同士の争いや、他者と各人格とのやりとり中心の話かと思って読み始めてみたら、前半はレイプ事件中心なので、あくまで他者から見聞きして得られた情報のみを記していくのかと思いきや、後半から人格同士の対話が増えてきて、期待どおりの面白さだった。

    ノンフィクションでありながら執筆にあたり、全てが事実通りではなく脚色も入っており、公にされると犯罪として立証されてしまうため伏せられた案件もある(本人の希望を尊重)等の注意書きから始まる。
    そして複数人の登場人物の名前として、人格の名前と簡単な性格などの説明。

    上巻はレイプ事件の捜索からビリーミリガンという人物の登場、裁判にかけての一連の話。
    そして本著

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    2023年07月28日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下

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    主人公はレイプ犯として逮捕されるが、自分は多重人格だという訴えは無罪になるための演技ではなく、彼も壮絶な過去を大変な思いで乗りこえてきた人だった。当事者と家族、彼を信じる治療者と疑う治療者、社会の人々の気持ちの揺れが、痛いほど伝わってくる本。
    個人的には、本に一瞬出てくる作業療法士が、彼個人としっかり向き合い寄り添う援助者として描かれてるのが、嬉しかった。

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    2022年09月13日
  • 五番目のサリー 上

    購入済み

    多重人格とイマジナリーフレンド

    今回この本を呼んで、多重人格とイマジナリーフレンドは強く関係していると思いました。主人公のサリーは子どもの頃、親に恵まれず暴力を振るわれた時や、数学の問題が解けなくてクラスメイトに笑われた時、その逃げ道として別の人格に代わるようになってしまいます。そしてその人格は、全員がかつてイマジナリーフレンドとして人形に落とし込まれていた人格だったのです。つまり、サリーの中で、子どもの頃のイマジナリーフレンドと遊んだ記憶が強く印象に残っていたということ、サリーにのとっての心の支えは、イマジナリーフレンドのみんだったということが言えます。しかし、イマジナリーフレンドの存在を信じる力が強すぎてしまったため、多

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    2022年04月26日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 上

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    面白いです。辛い描写もありますが、心温まる場面や言葉もあります。
    まとめて読む時間が取れず細切れに読んでいるので、最初は第一部が始まる前の『心のなかの人々』を参照しつつ読みましたが、だいぶその頻度が減ってきました。
    後半で、ビリーの中の人々が次から次に他者の前に姿を表す部分はとてもテンポよく面白かったです。彼らが実在した人たちなのか、どこからどうしてビリーの中にやってきたのか、まだ分からないことが多い。ただ、アレンがドクター・ジョージに言った「ドクターが人格たちと言うと、彼らがほんとうにいるとは考えていないみたいに聞こえます」という言葉は印象的で、彼らは確かに「人格たち」ではなく「人々」なのだ

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    2021年11月17日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

    購入済み

    人の脆さと尊さが光るラスト

    この物語、発表が50年ほど前なので今と知的障害者への社会の接し方が違うことを留意しなければなりません。

    それはさて置き、読後はまさに一人の人生の誕生から終わりまでを見たような、そんな感覚に陥ります。人とは、知性とは、幸せとは、愛とは、家族とは、教育とは何か?その一つ一つを読み手に考えさせる一方、本書へ抱く感想や評価は人それぞれであり、感動したというレビューでも人によってポイントが違うのかなと思います。

    私は本レビューのタイトルに書いた言葉が思い浮かびました。人はどこまで登っても無敵ではない。この本には色んな人間的弱さが登場します。そしてそれに抗わんとする主人公のひたむきさや苦悩も描

    #深い #切ない

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    2021年07月13日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下

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    かつて〈モンスター〉として描かれてきた多重人格者を、〈モンスター〉の側から書くことで理解を深めた記念すべきノンフィクションの傑作。連続レイプ犯として逮捕されたビリーミリガンには犯行の記憶がなかった。ビリーの症状、24人の人格との対話、生い立ち、裁判の様子など非常に興味深く描かれる。虐待が生み出したと思われる多重人格。しかし犯罪者の人格も彼の一部であり、それが一人の人格であるなら文句なしに罰される罪を犯している。そしてどれも彼の人格なのだ。その中から一人格を正しいと決めて集約させようとすることは治療なのか、矯正なのか。また犯罪を犯すほどではない多重人格者はどうしているのだろう。問題視されなければ

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    2021年04月13日
  • 眠り姫 下

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    下巻後半からの動きが早く読んでいて爽快。上巻と下巻前半は動きが少なく、読むのが苦痛だったが、我慢した甲斐があった。

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    2019年06月02日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 上

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    オハイオ州立大学医学部一帯で二人の女性がレイプされるという事件が発生し、容疑者としてビリー・ミリガンという青年の名前が浮かぶ。それをきっかけとしてビリー・ミリガンの特異性が露呈。協力的な医師らより多重人格者と認定されるノンフィクション。
    上巻の後半は、多重人格が形成される過程で養父から実の母親が暴力を上、ビリー自体が性的虐待を受けることから防衛本能が複雑に働くことによって他の人格が形成される。
    そのプロセスが極めて生々しく読んでいて辛い。

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    2018年04月07日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下

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    ネタバレ

    子供の頃テレビで見て、彼についてなんとなくは知っていた。今でも内容が頭を離れず、ようやく読むことができた。
    解説にもあったが、多重人格は親からの虐待に起因することが多いらしい。ビリーの場合は、継父からの性的虐待、実父の死によるショック、母親からの激しい叱責などが原因で、自分を守るために人格が分裂していった。怪力のレイゲン(スラブ訛り)、愛を渇望するアラダナ(レズビアン)、知的能力の高いアーサー(イギリス上流階級訛り)、全ての苦痛を引き受けるデイヴィッド(幼児)などなど。それぞれが全く異なる人格やバックグラウンドを持っているのも驚きだし、リーダーを作って人格をコントロールしていたというのも衝撃だ

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    2017年06月30日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下

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    教師という人格が登場し回復の兆しを見せているのに、偏見などによるマスコミの煽りに遭い、必要な治療もままならならず、症状も悪化するのは残念だった。
    ふと思ったのだが、人格の統合=回復としてもいいのだろうか?
    ビリーの頭の中では全員が会話することができていたのだし、それさえできていれば無理やり統合しなくてもいいような気がした。
    それでも、後書き?の部分の他の多重人格の症例を読んでいると、彼は良い方に好転したケースのように思えた。
    ビリー自身は2014年に生涯を閉じたが、彼の晩年が幸福なものであればいいと思った。

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    2017年02月19日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 上

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    多重人格というものに対しての偏見?イメージ?みたいなものが変わった気がする。
    自分が知っている冷酷で理知的で、必要に応じて人格を分けるサイコパスではなく、生きていくために人格を変えざる得なかった弱者だったのが衝撃的だった。
    今回の話は身体的な意味でビリーが犯した罪よりも、多重人格者が犯した犯罪という意味で有名になった訳で、そう考えると偏見にまみれているように感じるし、周りからの視線も好奇以外のものがないと思う。
    罪を犯していない人間(人格)を逮捕するのは冤罪と変わらない気がするが、身体的な意味では犯罪者だから、どう分類したらいいのかわからない。
    それにしても、知力や体力はもちろん、使用する言語

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    2017年02月19日
  • 五番目のサリー 上

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    ダニエル・キイスは初めて読んだんだが、素晴らしいね。
    主人公のサリーは自分の中に4つの人格を作り出してしまった。それを知らずに今まで生きてきたサリー。本人の中で記憶がとんでいる際に、別の人格と交代していて、そのそれぞれの人格はそれぞれの人生をサリーと同じように歩んでいる。しかしサリーはある日、本当の自分の姿に気付いてしまう。アッシュ医師と共にサリーは自分と向き合うことを決意する。
    心理学者だけあって、過激な描写や心理に訴えかけるような描写が多々ありますね。

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    2010年07月24日
  • 心の鏡

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    中学生のときに読んだ本。
    表題作、『心の鏡』は
    今まで読んだ中で最も
    自分にとって大切な小説だと
    認識している。

    Crazy Maroになりたいんだろうな。

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    2010年01月31日
  • ビリー・ミリガンと23の棺 上

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    24人のビリー・ミリガンの続編。一度は1人の人間に統合された彼も、困難な状況にぶつかるたびに分裂してしまう。完全に統合されるために強いられる苦痛。
    しかしそれを乗り越え、自分自身の人生を歩もうともがく彼のひたむきな姿を描く。過去の虐待を克服し、忌まわしい記憶のすみつくほったて小屋を後にするシーンでは、涙せずにはいられない。

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    2009年10月04日
  • ビリー・ミリガンと23の棺 下

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    ビリーがナゼ多重人格になったのか?
    ビリーを受け入れる病院 施設の対応は?

    ビリーの苦しみを思うと 辛くなります。

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    2009年10月04日
  • 心の鏡

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    ビリーミリガンとかアルジャーノンとか読んだ時は、精神医学系の作家だと思ってました。
    が、SFですね、アルジャーノンも。
    ダニエルキイス全部読もう。

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    2009年10月04日
  • 五番目のサリー 下

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    たくさんの誰かを、一人ずつ、自分の中に溶け込ませていく。どんどんステキな女性になっていくサリー。でも、ステキなだけじゃなく、いやな部分だって、自分の一部だよね。誰しもがもっているよね。

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    2009年10月04日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    【 言葉がうまく出てこない 】
    主人公の生き様がやけにリアル。人間ってなに?

    人間の尊厳って何でしょうか?
    人は誰もみな平等、人としての価値がある。
    みんながみんな、本当にそう思っているでしょうか?
    口では綺麗事は言えますが、頭ではどうでしょうか?
    色々と考えさせられたお話しでした。
    自分のことを見透かされているような気持ちになりました。

    読み始めは、読み進めることが難解。
    途中も色んな意味で難解。
    最後だけは始めと似ているはずなのに、読める読める!
    なんででしょう。
    主人公の人生を物語を通して一緒に歩んだからかな?

    どうか挫けずに読んでほしいです。
    最後には感動が待っています。

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    2025年11月25日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    まずひらがなだらけの最初の読みづらさを超える必要があるが、内容はさすが名作で、非常に読み応えがある。
    手術によって得られる知性や知能が、一人の純朴な青年に及ぼす影響は絶大で、それこそ「知らぬが仏」「塞翁が馬」という言葉が頭をよぎる作品であるが、彼の目を通して見える人間社会の有様は、そんな言葉で説明できるほど簡単なモノでは無く、もっと不気味で不潔な臭いに満ちた世界な気がして、そんな世界に平気で居られる人間の方がよっぽどおかしな連中な気がしてならない。そんなことを彼に言われている様な。そんな気がしてしまう。そんな作品でした。いやはや。

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    2025年11月23日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    色々考えさせられる内容で、すごく面白かった。
    全てを知ることが正しいとは限らないと考えさせられるような本だと感じた。

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    2025年11月25日