ダニエル・キイスのレビュー一覧
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多重人格とイマジナリーフレンド
今回この本を呼んで、多重人格とイマジナリーフレンドは強く関係していると思いました。主人公のサリーは子どもの頃、親に恵まれず暴力を振るわれた時や、数学の問題が解けなくてクラスメイトに笑われた時、その逃げ道として別の人格に代わるようになってしまいます。そしてその人格は、全員がかつてイマジナリーフレンドとして人形に落とし込まれていた人格だったのです。つまり、サリーの中で、子どもの頃のイマジナリーフレンドと遊んだ記憶が強く印象に残っていたということ、サリーにのとっての心の支えは、イマジナリーフレンドのみんだったということが言えます。しかし、イマジナリーフレンドの存在を信じる力が強すぎてしまったため、多
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面白いです。辛い描写もありますが、心温まる場面や言葉もあります。
まとめて読む時間が取れず細切れに読んでいるので、最初は第一部が始まる前の『心のなかの人々』を参照しつつ読みましたが、だいぶその頻度が減ってきました。
後半で、ビリーの中の人々が次から次に他者の前に姿を表す部分はとてもテンポよく面白かったです。彼らが実在した人たちなのか、どこからどうしてビリーの中にやってきたのか、まだ分からないことが多い。ただ、アレンがドクター・ジョージに言った「ドクターが人格たちと言うと、彼らがほんとうにいるとは考えていないみたいに聞こえます」という言葉は印象的で、彼らは確かに「人格たち」ではなく「人々」なのだ -
購入済み
人の脆さと尊さが光るラスト
この物語、発表が50年ほど前なので今と知的障害者への社会の接し方が違うことを留意しなければなりません。
それはさて置き、読後はまさに一人の人生の誕生から終わりまでを見たような、そんな感覚に陥ります。人とは、知性とは、幸せとは、愛とは、家族とは、教育とは何か?その一つ一つを読み手に考えさせる一方、本書へ抱く感想や評価は人それぞれであり、感動したというレビューでも人によってポイントが違うのかなと思います。
私は本レビューのタイトルに書いた言葉が思い浮かびました。人はどこまで登っても無敵ではない。この本には色んな人間的弱さが登場します。そしてそれに抗わんとする主人公のひたむきさや苦悩も描 -
Posted by ブクログ
かつて〈モンスター〉として描かれてきた多重人格者を、〈モンスター〉の側から書くことで理解を深めた記念すべきノンフィクションの傑作。連続レイプ犯として逮捕されたビリーミリガンには犯行の記憶がなかった。ビリーの症状、24人の人格との対話、生い立ち、裁判の様子など非常に興味深く描かれる。虐待が生み出したと思われる多重人格。しかし犯罪者の人格も彼の一部であり、それが一人の人格であるなら文句なしに罰される罪を犯している。そしてどれも彼の人格なのだ。その中から一人格を正しいと決めて集約させようとすることは治療なのか、矯正なのか。また犯罪を犯すほどではない多重人格者はどうしているのだろう。問題視されなければ
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Posted by ブクログ
ネタバレ子供の頃テレビで見て、彼についてなんとなくは知っていた。今でも内容が頭を離れず、ようやく読むことができた。
解説にもあったが、多重人格は親からの虐待に起因することが多いらしい。ビリーの場合は、継父からの性的虐待、実父の死によるショック、母親からの激しい叱責などが原因で、自分を守るために人格が分裂していった。怪力のレイゲン(スラブ訛り)、愛を渇望するアラダナ(レズビアン)、知的能力の高いアーサー(イギリス上流階級訛り)、全ての苦痛を引き受けるデイヴィッド(幼児)などなど。それぞれが全く異なる人格やバックグラウンドを持っているのも驚きだし、リーダーを作って人格をコントロールしていたというのも衝撃だ -
Posted by ブクログ
多重人格というものに対しての偏見?イメージ?みたいなものが変わった気がする。
自分が知っている冷酷で理知的で、必要に応じて人格を分けるサイコパスではなく、生きていくために人格を変えざる得なかった弱者だったのが衝撃的だった。
今回の話は身体的な意味でビリーが犯した罪よりも、多重人格者が犯した犯罪という意味で有名になった訳で、そう考えると偏見にまみれているように感じるし、周りからの視線も好奇以外のものがないと思う。
罪を犯していない人間(人格)を逮捕するのは冤罪と変わらない気がするが、身体的な意味では犯罪者だから、どう分類したらいいのかわからない。
それにしても、知力や体力はもちろん、使用する言語 -
Posted by ブクログ
ネタバレSNSでアルジャーノンが人間ではないことが話題になってたので読みました。
あらすじとしては、知的障害者のチャーリーのもとに博士が現れ、手術で君を賢くすることができると説明する。
チャーリーは賢くなればみんなの役に立ててもっと友達ができると思い、実験を快諾して段々賢くなっていくが、そうすると今まで知らなかった人間の醜さを知ってしまうという感じでした。
当方活字の本に慣れていないのもあり、賢くなったチャーリーが思ったような幸せを得られずに苦労しているシーンでは読むのが面倒になってしまいました。
ただ母に会いにいった際に、認知症の母の哀れな姿やその母を介護する妹との和解?には心を動かされました -
Posted by ブクログ
ネタバレ前から気になっていて、祖母から借りた一冊。
手術によって天才に成るチャーリイの、その表現が凄かった。最初は拙く読みづらい文章に始まり、ページを捲るにつれてわかる少しずつの変化が楽しかった。
チャーリイの天才は永遠ではなく、次第に元の白痴に戻ってしまう展開は、予想はしていたけれどやっぱり読んでいる時は少なからずショックを受けた。
興味深かったのは、全く同じには戻らなかったところ。深い知恵を持ち、良い事も悪い事も知り、覚えて、垢がついたように思った。
これはまるで圧縮された人間の人生だと思った。そのぐらいあっという間で、目まぐるしい変化だった。
前書きに読者からダニエルキイスへの本 -
Posted by ブクログ
ネタバレSNSで見たから読んでみよう、そんな軽い気持ちで読んでしまったけれど、読む前に覚悟がいるなと思った
はじめの方の経過報告はひらがなが多く、句読点を使いこなせず、誤字もあってすごく読みづらい。早く知能指数高くならないかな?そんな風に思ってしまった。ただ1番読みやすい(逆に難しいと感じるくらい)のときがピーク。そこからどんどん終わりに近づくにつれてまた知能が低くなっていくとき、とても切なかった。でもそれと同時に、本来のチャーリィが戻ってくるような気がして嬉しくもなった。最後の追伸、アルジャーノンを思う気持ちが記されていてとても温かい気持ちになった。
P363 l15
「人間的な愛情の裏打ちのない知