あらすじ
ビリー・ミリガンは起訴されたのち、精神異常を理由に無罪となった。しかしその後、彼が送られたオハイオ州立ライマ病院は、体罰に電気ショック療法を用い薬物で患者を廃人にする恐るべき場所だった……『24人のビリー・ミリガン』では書けなかった、精神病棟内でのビリーの孤独な闘いを明らかにする驚異の続篇。
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24人のビリー・ミリガンの続編。一度は1人の人間に統合された彼も、困難な状況にぶつかるたびに分裂してしまう。完全に統合されるために強いられる苦痛。
しかしそれを乗り越え、自分自身の人生を歩もうともがく彼のひたむきな姿を描く。過去の虐待を克服し、忌まわしい記憶のすみつくほったて小屋を後にするシーンでは、涙せずにはいられない。
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以前「24人のビリー・ミリガン」が家にあったので読んだことがある。これはその続編にあたるらしい。
というか、ビリー・ミリガン自体が実在の人物だからこれは彼のその後だけれど。
前回の「24人のビリー・ミリガン」では最後に比較的環境のいい精神病院に入院して話が終わっていた(と思う)。ビリーはその後、ライマという評判の悪い精神病院に移送させられた…というところから話が始まる。
ビリー・ミリガンという人は色んな番組でドキュメンタリーが流されたりしたので、知っている人も多いかもしれない。彼は本当にタイトル通りに、心の中に24人の人格がいる。彼本人も合わせたら25人だけど、彼は自殺する可能性があるとして大概他の人格に眠らされている。
ライマでの生活は本当に屈辱的かつ暴力的で、介護人は好き勝手に暴力をふるい、強制的に精神薬を飲ませてくる。
おかげでせっかく統合に向かっていたビリーの人格は再び混乱し、それぞれが好き勝手し始め…
私はてっきり前作で終わりだと思っていたので、続きがあるのに驚き。
これが過去の物語ってことは、彼は今どうしてるんだろう…とりあえず下巻を読み終わるまでは調べないでおこうっと。
個人的には「アレン」と「トミー」の人格がすごく身近に感じます。
というか、「人格」だけどちゃんと髪の毛の色や目の色、年齢や癖まで決まってるんだなあ…今更だけど、心というものの複雑さに驚きです。
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人格障害を統合する治療のため、裁判では無罪を獲得したビリー。
その後日談。
しかし、治療に専念している最中に、政治的に利用される等から劣悪な環境の刑務所に収容される――
裁判が何故“無罪”となったのか、裁く事、贖罪とは何か、そういった観点からも考えさせてくれる。
果たして人格は“統合”することが出来るのか?
ビリーの中の人々が生まれた、存在する理由も書かれている。
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24人のビリーミリガンのその後を描いたノンフィクションストーリー。後に所謂「多重人格」ブームを引き起こしたビリーミリガンの統合までの本。こちらも上・下巻と別れています。人格の内情などが描かれているのはこちらかも。
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「24 人のビリー・ミリガン」の続編。州立ライマ精神障害犯罪者病院への移送されたビリーが、過酷な場所でどのように生き抜いてきたかの記録。人格達がわりかし互いに協力的になってきているので、多重人格者としての苦しみよりも、ろくな治療も受けられない病院でどう切り抜けてきたかが主題となっている。薬漬けでゾンビのようにされ、介護人に殴られることが日常となっている患者達。ビリーと人格達の戦いが始まる。
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「24人のビリー・ミリガン」の続編。
前作で中途半端にしか書かれていなかったことが、しっかり書かれているが、精神病院の話が中心で、前作より重たい感じになっています。
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あらすじ:「24人のビリーミリガン」の続編。(参考記事:本レビュー:24人のビリー・ミリガン )
多重人格障害(今は解離性同一性障害 という)のビリーは、連続レイプ事件で逮捕されるが、精神病のために責任能力なしという判決によって無罪となり、精神病院に入る。しかし、政治家やマスコミ、一般市民の圧力により、最重警備施設のライマ精神犯罪病院に入れられる。そこで受けたのは治療ではなく、虐待であり、またもや人格が分裂する。ライマに送られてから、自由の身になるまでの物語。
やっぱり、ビリーは天才。
ビリーは、数々の虐待も乗り越え、施設の中でビジネスまで始めてしまう。そして、他の患者を扇動し、暴動を起こす。他の施設に送られてから、医師達の意見が合わず、薬物療法を続けてもらえないことに恐怖を感じたビリーは施設を逃亡。またつかまって、今度はハンガーストライキ。ハンガーストライキの末コンピュータを手に入れ、施設のコンピュータをハッキング・・・。
周りはすっごい迷惑だと思うけど、どこにいても新しい可能性を見出すところは本当にすごいと思う。わたしにかけている能力やわ。芸術やコンピュータの才能があるだけじゃなく、人を動かす力もあるし、総合的に判断する力も持っている。もし、違う環境で育っていたら、ベンジャミン・フランクリン (電気の発見だけではなく、政治・外交・事業でも大きな成功を収めた人)みたいになってたかも?それとも、この障害があるがゆえにこの才能が生まれたのかな?
しかし、この才能があるのに、やはり他の人格になったときはすべてをぶちこわすようなことをしてしまう。どうして他の人格は自己の不利益になるようなことをするのか、やはり多重人格って不思議な病だ。しかし、脳陵を切断した人の中には、「他人の手」症候群 と言われる症状が現れる人があるという。右手が自分の意思とは無関係に動くというものだ。右手が自分を絞め殺そうとした事例さえあるらしい。だから、私達が自分だと感じているものは、実際にはビリーと同じくたくさんの人格の共同体なのかもしれない。それぞれが同じ目的のために働いているありの巣と同じだと思うとちょっと気持ちわるいな。
☆が前作より1つ減ったのは、今回の作品は、作者がかなりビリーサイドに偏った書き方をしていると感じたから。長い間一緒に仕事をしたために、ビリーに対する思い入れが大きくなったのだろう。でも、ビリーに関わるそれぞれの人の立場に立つと、悪のように描かれている人たちもそれぞれ意見があって、彼らの目では正義のために行動していたのではないかと思える。実際、統合されたビリーがどれほど良い人間だとしても、分裂したビリーが何をするかわからず、しかも、いつビリーが分裂するかわからないとしたら、やはり、近辺をうろつかれるのは不安を感じるだろう。
この手の本はとても面白いし、様々な想像をかきたててくれる。ただし、自分の精神状態が安定しているときでないと、若干引きずられて欝になるので、注意が必要な気がする。
Posted by ブクログ
「24人のビリー・ミリガン」の続きです。
こうしてビリーは統合された!みたいな。
私としては統合されて皆が消えちゃったのは結構寂しかったけど。
正しくは、統合されたから消えたわけじゃないってことです。
Posted by ブクログ
24人の〜の方で書かれていたことを、詳しく別視点からなぞっていく感じ。刑務所ってやっぱりとても恐ろしい。絶対に行きたくないと強く思います。
ビリーは本当はとても強いんじゃないかと思う。人格を交代してでも、結局は生きるんだもの。
Posted by ブクログ
「24人のビリーミリガン」の解決編。結局、どうやって24人が一つに戻ったかが書かれています。精神世界の描写がとても切なく感じました。確かに別れていることも寂しいのですが、それが一つになるときの描写が棺に収まると言うのは何だかもの悲しい物を感じました。