あらすじ
州立ライマ病院のビリーは最悪の状況に追いこまれていた。以前に時折あらわれていた、24の人格を統合する〈教師〉も姿を消し、人格は分裂の度を深める一方だった。しかしビリーは、シーツをほぐした糸を用いて外部へ中の状況を知らせ、さらに院内の仲間を組織して叛乱を準備するが、状況は思わぬ方向へ……人間の想像力を超えた極限状況と、そこで生き抜こうとする青年の軌跡を描いたビリー・ミリガン2部作、堂々の完結篇。
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Posted by ブクログ
ビリーの刑務所での体験――
キイス氏との交流が、非常に危険かつ困難を極めた。刑務所における、人権問題も浮き彫りにする。
統一された人格“教師”の存在も危機的状況に陥る。彼の内面世界に現れた23の棺。
それは人格の統一への一歩か、死へ向かうものなのか――
自身の故郷へキイス氏と訪れるビリー。彼の行動は、心の叫びそのものでした。
Posted by ブクログ
「彼に許すと言います。そうすれば彼の霊は、子供のころの彼を傷つけた誰かを許し、たぶん許しは過去に遡っていき、未来を変えるでしょう。人間は、お互いに傷つけあうことをやめなければならないんです」
Posted by ブクログ
政治ゲームに巻き込まれ、ビリーが非常に不当な扱いを受けていることに腹が立った。多重人格者の艱難辛苦というより、権力闘争に利用された者の闘いの記録だと思われる。最後には自由になれて良かったが、これからも大変だろう。「ビリー・ミリガン」は知られているから、どこに行ってもついてくるものがあるんだろうな。
Posted by ブクログ
ビリーがようやく多重人格の問題と向き合うような内容で、早足で話が進んでいくような印象でした。
相変わらず裁判と病院が中心ですが、最後に落ち着いたビリーの様子が書かれていてホッとしました。