ダニエル・キイスのレビュー一覧

  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下

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    これが実話であり、他にも精神分裂病苦しんている人々がいることは真実であると考える他ない。
    幼少の頃の虐待によることが要因であるならばこのような事象を広く世間に認知され、虐待のない世の中になることを願う。虐待する側も病んでいるのだろうし、病が伝染すると考えさせられる。
    ビリーの場合、主人格を乗っ取る交代人格による性犯罪で窮地に陥るが、その犯罪履歴を持つものが身近にいるのは確かに恐ろしいし、隔離しておくべきとの主張もよくわかるので難しい問題である。
    その犯罪、フィリップが主犯であろうが、レイゲンの暴走による所が大きいと感じた。
    多国語を読み書きできる人格がいるのも驚き。自分の脳にも強いきっかけがほ

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    2020年09月27日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 上

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    多重人格は言葉では知りながらもここまで明確に1つの肉体に共存出来るとは知らず、これがノンフィクションである事に驚く。人格同士は話し合い、スポットとして表の世界に立つ人格と、待機する人格。お互いに存在を認識しなければ確かに生活に支障があるが、ある意味便利な1面を持つ状況、これは娯楽読み物としてと秀逸な設定と感じる。
    子どもの頃の悲惨な体験がその人格を形成したのは明確だが、誰もが多少なりともあり得ることで、一般的にも多重人格者が多く存在しているのでは、と考えさせられる。
    レイゲンが他に共存する子どもの人格者を守るとか、いかしてる。人格によっては色弱だったり利き手が違ったりなのが不思議で、脳が担う身

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    2020年09月22日
  • 心の鏡

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     中編版『アルジャーノンに花束を』が収録されているダニエル・キイスの短編集。全部SFですが、キイスらしく人間の心にも焦点があたっていますね。いずれの短編も良くできていて、面白かったです。

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    2020年01月01日
  • 心の鏡

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    最初の3作品はAIの問題。50年代の終わりから60年代の初めに書かれたものなのに全然古さを感じない。むしろ今だから、こういう不安や恐怖をひしと感じるのではないか。

    『アルジャーノンに花束を』の短編が収録されている。本書の中でこれだけが稲葉明雄訳。長編の小尾さんの訳では、チャーリーの一人称が「ぼく」で純粋さがクローズアップされている。稲葉訳のこちらの短編は、始終「おれ」と語っている。長編と比べるとチャーリーが若干ふてぶてしいけど、それだけに彼の苦悩が伝わってくる。

    後半の3作品は不思議な能力を持った人達の物語。表題になった『心の鏡』が良かった。

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    2019年07月23日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下

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    下巻に関しては、恐らく書きたい事例が多すぎ、かえって消化不良を起こしているように感じられる。ノンフィクションであるので、客観的な事実を列記するというよりは、内面の描写が多く途中から創作なのか良くわからなくなった。
    問題は多重人格者をどう更生させるかももちろんながら、幼い頃の虐待・暴力がその人格形成の大きな影響をきたすことを社会がよく理解したうえで、コミュニケーションをとっていかないといけないのだろうと感じる。

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    2018年04月15日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    知的障害を持つチャーリィは、周りの友達のように賢いと思っていた青年だった。手術を受けたチャーリィは、誰よりも賢くなったが...。様々なメディアで放送されている名作なので、多くの方がご存知でしょう。本書のあとがきで翻訳者が若い時、大人になった時、老いた時、読んだときの印象が違うと書かれていました。チャーリィは賢くなって何を得て何を失ったのか、人にとっての幸せって何なんだろうかと考えさせられる本でした。

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    2025年12月21日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 上

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    巻頭の資料も興味深く、面白く読めた。これはフィクションではなくノンフィクションというところに戦慄する。

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    2016年05月17日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下

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    ネタバレ

    ずっと読んでみたいと思っていたが、手を出すのが怖かった本。やっと読み終わった。下巻は人格の入れ替わりが激しく、本来の「ビリー」が少なく感じる。実際も、1/24しか生きてないのかな。。
    幼少期の悲惨な記憶がもたらした信じがたい事実。☆4を付けたが、あまりにも辛すぎて読後感は良くない。

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    2016年03月04日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 上

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    ネタバレ

    覚悟していたものの、これがノンフィクションだということが未だ信じがたい。
    多重人格って、その人の裏の顔のようなものだと思ってた。願望というか。実際は、容れ物(体)にいくつもの魂が宿っているように思える。性別、年齢、国籍もさまざま。メガネをしてるとかひげを生やしてるとか容姿まで。。
    下巻へー。

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    2016年03月02日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下

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     24人もの人間をビリーとして人格を統合していくことの、なんと難しいことか。
    イギリスアクセントの英語、ボストン訛り、オーストラリアの英語、セルボ・クロアチア語を読み、物理・科学・医学・電気・武器に詳しく、絵など‥多才の才能をもち合わせ、それがバラバラの人間の中では発揮できても、統合していくにつれて、その能力が薄められていく不思議さ。
     自分の知らない自分を引き出す、俳優・女優のような職業もある様に、本当の自分を分かっていないのかも知れない。
     行った事のない、住んだことのない地域の言語まで習得できてしまったその能力とは、心の傷とは裏腹に、その異常にまで発達したその能力に、現代だったら、また違

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    2016年02月29日
  • 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 上

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     ダニエル・キイスの作品であったこと、多重人格を語るときに、この作品を外せないくらい、世の中にショックを与えた事例だったのだと思う。
     この作品がノンフィクションで書かれたことや、作者の感想、気持ちより、ビリーに寄り添って出来るだけ、正確に書き残して行っている。
     幼児虐待が精神あたえるダメージが、なんと深いことか。
     多重人格がそれぞれ結びつかず、記憶が飛ぶことでの世間からの誤解が大きく、女性人格が現れて、女の人に抱かれることで、レイプと判断を受ける。
     この様に本となったことで、認知が深まるきっかけとなった労作です。

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    2016年02月29日
  • ビリー・ミリガンと23の棺 上

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    虐待から生まれた別人格。
    その人格にもそれぞれの人生があって・・・
    なんか複雑だけど、とっても読み応えのある一冊。

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    2011年03月04日
  • ビリー・ミリガンと23の棺 上

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    以前「24人のビリー・ミリガン」が家にあったので読んだことがある。これはその続編にあたるらしい。
    というか、ビリー・ミリガン自体が実在の人物だからこれは彼のその後だけれど。

    前回の「24人のビリー・ミリガン」では最後に比較的環境のいい精神病院に入院して話が終わっていた(と思う)。ビリーはその後、ライマという評判の悪い精神病院に移送させられた…というところから話が始まる。
    ビリー・ミリガンという人は色んな番組でドキュメンタリーが流されたりしたので、知っている人も多いかもしれない。彼は本当にタイトル通りに、心の中に24人の人格がいる。彼本人も合わせたら25人だけど、彼は自殺する可能性がある

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    2010年12月14日
  • 心の鏡

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    『心の奥底のどこかで、彼は昔読んだことのある一文を想起して、それが現在の情況に当てはまるような気がした。』

    心理学、精神医学といった分野に関する種々のテーマを、SFというアプローチで描いている短編集。アルジャーノン然り、口当たりがなめらかな作品が並んでいるが、濃厚な深みの効いたものもある。個人的には、「限りなき慈悲」と「心の鏡」が好き。どちらも、今後人類が向きあっていかなければならない永遠のテーマだと思う。そういった恒久的な側面を、有限の尺を以て物語を組み立てるという性質を持つSFに落とし込んでいるあたり、非常に巧みだと思った。まさに合わせ鏡かと。

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    2010年05月15日
  • 眠り姫 上

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    最初の段階で『誰が』は判明したので上下巻にするほどの内容ではないなと思った。動機の点でもなんとなく察せられるし、登場人物の中では唯一と言っていい不快な人物だという印象を受けたので、ミステリとして読むのではなく、『眠り姫』と呼ばれた女性の周囲を取り巻く人物達の群像小説のような感じで。

    ダニエル・キイスはこの本が最初だったのでとりあえず別のを読むかという気にはさせられた。なので次は『アルジャーノンに花束を』でした。

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    2010年01月29日
  • 五番目のサリー 上

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    乖離性人格障害…いわゆる多重人格を扱っている。


    この作者は後に同じ題材で『23人のビリー・ミリガン』も記した。

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    2009年10月13日
  • 眠り姫 下

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    ナルコレプシー(居眠り病)の患者の物語。

    気付いたら娘とそのボーイフレンドが死んでいたが自分の記憶が全くない。

    さすがダニエル・キイスで、物語の進め方のテンポがよく最後まで一気に読み終えてしまう。
    また彼の心理学や化学の描写が細かくていつも通り読んでいてその的確さや知識の広さに驚く。
    よく調べたねー。

    催眠によって人々があそこまで思い通りに行動するのかと驚いてしまうが、まぁそこの非現実感を差し引いても面白いのでぜひ一読をお勧めします。

    ちなみに、ビリー・ミリガンの方が面白いです。

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    2009年10月07日
  • ビリー・ミリガンと23の棺 下

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    ビリーの刑務所での体験――
    キイス氏との交流が、非常に危険かつ困難を極めた。刑務所における、人権問題も浮き彫りにする。
    統一された人格“教師”の存在も危機的状況に陥る。彼の内面世界に現れた23の棺。
    それは人格の統一への一歩か、死へ向かうものなのか――
    自身の故郷へキイス氏と訪れるビリー。彼の行動は、心の叫びそのものでした。

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    2009年10月04日
  • ビリー・ミリガンと23の棺 上

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    人格障害を統合する治療のため、裁判では無罪を獲得したビリー。
    その後日談。
    しかし、治療に専念している最中に、政治的に利用される等から劣悪な環境の刑務所に収容される――
    裁判が何故“無罪”となったのか、裁く事、贖罪とは何か、そういった観点からも考えさせてくれる。
    果たして人格は“統合”することが出来るのか?
    ビリーの中の人々が生まれた、存在する理由も書かれている。

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    2009年10月04日
  • ビリー・ミリガンと23の棺 下

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    「彼に許すと言います。そうすれば彼の霊は、子供のころの彼を傷つけた誰かを許し、たぶん許しは過去に遡っていき、未来を変えるでしょう。人間は、お互いに傷つけあうことをやめなければならないんです」

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    2013年02月28日