サラ・パレツキーのレビュー一覧
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ヴィクが丸くなった。巻末の解説にも書いてあったけれど確かにそうかもしれない。恋愛も、怒りに対処する姿も。今までの何でもござれなスーパーヒーロー的なヴィクよりも、より人間味というか女性らしさというかを感じられて、気持ちを寄せて読みやすいという気はする。年齢を重ねていくヴィクの今後が楽しみといったところ。
ストーリーは、同じ女性の私としては上巻後半くらいからロティの物語は予想できていたので、それがどう落ち着くのかという気持ちで読み進んでいたが、回想を挟むという今までになかった手法は斬新で読みやすかった。
リアル本棚へしまおうとしてカバーを外して初めて気づいたけれど下巻の表紙は私のロティのイメージそ -
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この本の少し前に発売になったパトリシアコーンウェルは見送って、こちらを購入したが正解だったと思う。
ヴィクが生まれ育った街の紳士達とウォーショースキー家が絡む過去の因縁。
そして相変わらず身を危険にさらして、その因縁を明らかにしようとする。
しかし、探偵ヴィクの依頼人は、依頼したことを後回しにして、他の事件でメディアを賑わせていても、クレームをつけないなんて、優しいねと思てってしまう。それとも、いつものことだから、あきらめて(もしくはそれも見越して)いるのかなぁ。
この本では、いつでもファンをがっかりさせているカブスは、昨シーズン優勝したので、次巻はカブスファンがどのように描かれているか楽 -
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今回は、命の危機は前作、前前作程ではありませんが、謎が謎呼ぶ展開になっています。イラクからの帰還兵、民間軍事会社が出てくるのは時代ですね。
ところで、最近、ボビー・マロリーが出てこない気がするんですが?って言うか、ちょっと前に定年を思わせる描写が有ったんですが、まだ定年ではない?ちょっと気になります。それに合わせ、シカゴ警察との仲も、微妙になってしまってますね。
その変わりと言ってはなんですが、ペトラがここ二作品続けて出ています。ころころと態度を変えるところ辺りは、日本で言うと“ゆとり”の雰囲気を感じさせますが、アメリカでそう言う概念有るんですかね? -
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9.11以降のアメリカの様子がよく描かれています。所謂‘愛国者法”。これによって、疑心暗鬼になるV.I.の姿も描かれています。
あとがきでも触れられていますが、このところ「年とった」とか「疲れた」とか言うボヤキ話が多かったV.I.ですが、この作品では、そう言ったボヤキ話は減って、若かりし頃を彷彿させるような八面六臂の活躍を示しています。V.I.は、こう来なきゃね。
気になるのは、ロティの出番が減ってきているところ。V.I.が年齢を重ねているんですから、年上のロティはより年齢を重ねているわけで・・・。まぁ、診療所も運営しているようなので、そう言う点での心配は今のところ無いと思いますが、小説な -
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タイトルの通り、ヴィクがハードな目に遭います。これまでも、結構痛い目に有ってきていましたが、その中でも今回は、最高にハードですね。
この作品の特徴としては、これまでのシリーズでは、マロリー警部補やマゴニガル、ローリングスなどシカゴ警察の“仲間”が登場してきましたが、この作品では、彼らは登場せず、むしろ敵対的なシカゴ警察の刑事が登場しています。この刑事が、ヴィクを執拗に狙うんですけどね。
それと、ロティーの登場シーンが激減。ロティが還暦を超えたという背景もあるのかもしれませんが、ここまでの作品で、ヴィクの心の拠り所となっていたロティ登場シーンが少ないことも、ハードな理由かもしれません。
そ -
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シカゴの女私立探偵V.I.ウォーショースキーのシリーズ、長編16作目。
アラフィフとなっても相変わらず、気風のいいヴィクが活躍します。
助けを求める電話をのこして、行方が分からなくなった女性ジュディ。
友人ロティの頼みで、ジュディを探していたヴィクが事件に巻き込まれます。
高名な医師ロティは年上の親友で、ヴィクが母とも慕う女性。
そのロティとは親の代からの縁がある一家とはいえ、ジュディは麻薬中毒で身を持ち崩しているらしい。
行方を追ううちに、ジュディの息子マーティンまでが行方不明とわかります。
企業の秘密を盗んで逃亡したという疑いがかけられていた‥
ロティが育ったヨーロッパでの出来事、第二 -
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いわゆるハードボイルドミステリー。の、看板作品を読んでおこう、という個人的な試みの一つ。
サラ・パレツキーさんというアメリカの女性作家。V.I.ウォシャウスキーという名前の30代?の女性私立探偵が活躍するシリーズ、1作目。
未見ですが、キャスリーン・ターナーさんが主人公を演じた映画「私がウォシャウスキー」(1991)もあります。
キャスリーン・ターナーさんは好きなので、その内観たいものです。
面白かったです。
正直に言うと「ゴッドウルフの行方」とは段違いに面白かったです。
小説のアメリカでの発表は1982年だそうです。舞台はシカゴ。
私立探偵のウォシャウスキーさんが、大手組合活動家、大手銀 -
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シカゴの女私立探偵V.I.ウォーショースキーのシリーズ長編15作目。
相変わらず元気で、猪突猛進なヴィクです。
華やかな赤いドレスでパーティーに出席していたヴィクは、従妹ペトラからの電話で、荒れ果てた墓地に出向く羽目に。
ペトラが世話をしている少女達がヴァンパイアのカーミラものにはまり、家を抜け出して、墓地で儀式をしようとしていたのだ。
子供だけの夜間外出は禁止する条例があるという。
少女達の知らぬ間に、近くに男の死体があったことを発見するヴィク。
鉄の棒を突きたてられた様子は、少女達とまったく無関係とは思われない‥?!
従妹ペトラはシカゴに来て2年。職を転々としていたが、(これまでよりは -
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新版ではライトノベル調の表紙ですが、内容はロジックやトリックよりもハードボイルドであることに重きを置いている印象がありました。
80年代前半のシカゴが舞台になっているので、パソコンや携帯電話は登場しません。アナログの世界とハードボイルドと女探偵とが非常にマッチしており、荒々しさの中にも軽快さと皮肉のスパイスが効いているたように感じました。
ミステリの要である事件の真相は、簡単ではないものの非常にシンプルで正直物足りなかったです。また、登場人物が多く、シカゴの地理が分からないため、時々混乱しながら読み進めることがありました。よって☆は4つで。
今後新版をハヤカワさんが出版されるのであれば、できれ