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従妹のペトラが働くナイトクラブは、前衛的なボディ・ペインティングのショーで人気の店だった。だが、店を訪れたわたしはそこに危険な空気を嗅ぎつける。不安は的中。常連客の女性が店の裏で射殺され、容疑者として帰還兵の若者が逮捕されたのだ。息子の無実を信じる父親の依頼で調査に乗り出すわたしは、知らないうちに底知れぬ闇に立ち向かうことに……負けるものか! 巨大な敵を前にしても挫けない! これぞV・I・ウォーショースキー!
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Posted by ブクログ
今回、まさにカラダを張るヴィク。いつも泥まみれになってるけど、美女の設定なんだろうな。表紙は今回がいちばん好き。タフな感じがする。心の中に自分のヴィクがいるから、顔はあんまり描かないでほしいのです。
ヴィクは女性探偵の活躍する4Fミステリ、つまり書き手も読み手も、翻訳者も女性で、主人公は女性という作品の中でも、長く人気を誇る主人公です。おそらく今になっては、男性のファンもたくさんいることでしょう。 このお話では、イラク戦争で心に傷を受けた帰還兵の青年と民間企業を通じてイラクに行き、そこで戦闘に...続きを読む巻き込まれて亡くなったとされている女性の家族に降りかかった相次ぐ不幸の謎に、ヴィクが挑みます。物語としてきちんと収まるところへ収まる、見事な構成ですが、これは、原作者である、サラ・パレツキーさんの、作品を通じたイラク戦争と、戦争後のアメリカに対する批判が込められていると感じました。 声高な書き方はされていないのですが、侵攻したアメリカ人の人たちも、イラクの人たちにも双方に深い傷を残すことであって、未だに苦しんでいる人がいることを、自然に描いています。 ヴィクは、まだまだ生き生きしていて、魅力的です。若い男性にほのかに片想いされたり、恋人とも温かな心が通い合っていてとても素敵です。前の巻から登場したいとこのペトラは、レギュラーになったみたいですね。ミスタ・コントレーラスも健在ですし。今回、イラクに派兵された青年の友人二人がヴィクを助けるのですが、彼らの態度がすごく爽やかでいい感じ。 次回作が早く読みたい、今作はとても面白かったです。テンポがよくて、最初に読んだ「バーニング・シーズン」の頃にも負けていません。
本作は飽くまでもフィクションで探偵小説だが…何か昨今の“イラク”を巡って在った、或いは在る様々な“問題”を指摘する作品ともなっている感で、少し考えさせられた… 事件の謎が明かされる最終盤の演出!!これがなかなかに好い!!やや厚めの文庫本だが、終盤まで一気に進んでしまう…
今回は、命の危機は前作、前前作程ではありませんが、謎が謎呼ぶ展開になっています。イラクからの帰還兵、民間軍事会社が出てくるのは時代ですね。 ところで、最近、ボビー・マロリーが出てこない気がするんですが?って言うか、ちょっと前に定年を思わせる描写が有ったんですが、まだ定年ではない?ちょっと気になりま...続きを読むす。それに合わせ、シカゴ警察との仲も、微妙になってしまってますね。 その変わりと言ってはなんですが、ペトラがここ二作品続けて出ています。ころころと態度を変えるところ辺りは、日本で言うと“ゆとり”の雰囲気を感じさせますが、アメリカでそう言う概念有るんですかね?
いつも回りをハラハラさせていたヴィクが、ハラハラさせられる側にいつのまにかなっている。 終わりかたが、素晴らしい。 タフに生きるヴィクの抱えてしまった心の傷が、ゆっくりと癒されていく。
新作。 快調です! もうじき50歳になろうという女探偵のヴィク。 同じアパートに住む恋人ジェイクとは上手くいっているが… 前作で登場した年若い従妹のペトラが、シカゴに居着いて働き始め、ヴィクに心配を掛けることに。 父親の金は受け取らないと言い張っているのだが、高給の取れる夜のクラブで働く仕事なので...続きを読む、ヴィクもコントレーラス老人も反対している。 そのクラブ・ガウジでは、前衛的なショーが人気。 ボディ・アーティストを名乗る女性のイベントが行われ、客寄せになっていた。 ヌードの全身に絵の具を塗りたくった姿で登場し、客にも参加して絵を描かせるのだ。 ところが、妙な反応をする客もいて… 店の外で何かが起き、様子を見に行ったヴィクの腕の中で、客の女性が息絶えることに。 怒った様子を見せていた男チャドが逮捕されるが、アフガン帰還兵とわかる。 ヴィクは、チャドの父親に調査を依頼される。 亡くなった女性ナディアには、複雑な事情があった。 ボディ・アーティストの身元はわからず、姿を消す。 ボディ・アーティストとは何者なのか? クラブのオーナー、オリンピアの行動も妖しげ。 絶望的な状況のチャドを助けようと、かっての戦友たちが動くのは感動的。 頼りになる若者と知り合えたかも? 2011年12月25日登録。 作者は1947年アイオワ生まれ。カンザス育ち。 1982年、シリーズ1作目を発表。 2002年CWAのダイヤモンド・ダガー。2003年、ゴールド・ダガー。2011年MWAのグランドマスター賞。
久しぶりのV.I.ウォーショースキーシリーズの新作。 小説の中の時間はほとんど経過していないのに、日本での出版期間は長いので、ヴィクの彼氏が音楽家だったこととか、従妹がシカゴに来ていることとかすっかり忘れてた。 今回の主要な事件の起こる場面設定になじみがないので、いまひとつのめり込めなかったけど、探...続きを読む偵仕事としてコツコツやらなくてはならない書類仕事と、突拍子もないアクションの対比が面白い。
最近はクラシックミステリーばかり読んでいるので、何か現代ものをと思って昔から好きな VI。現代ものといっても、VI シリーズ第一作の「サマータイムブルース」が1982年(邦訳は 1985年)なので、もう 40年前か……。日本では 3F (著者、主人公、翻訳者がいずれも女性)とも称されて一世を風靡した...続きを読むサラ・パレツキーも今やすっかり重鎮で、御年76になるのだとか。しかし、70を超えても年1冊弱のペースで書き続け、昨年 22冊目となる "Over Board" を上梓している。 ストリップまがいの現代アート、イラク派兵と軍事産業、LGBT など、いかにも現代的なテーマを織り込みつつ、依頼人のために文字通り一肌脱ぐ VI の格好良さは健在。
久々に読んだヴィクシリーズ。じき50歳?初出は32歳だったのになー。でも相変わらずのタフネスっぷりで、何だかうれしい。ミスタ・コントレーラスも元気。
探偵ウォーショースキーの15作目。 今までヴィクが、 運河に飛び込んだり、 ガントレーンから飛び降りたり、 火炎びんを投げつけられたりと、 様々危険な目に遭い、また危険に飛び込んでいくのにつきあってきたが、 事件解決のために、ボディ・ペンティングしているとはいえ、 裸体を人前にさらすとは思っていな...続きを読むかった。 五十歳を目前に恐るべしヴィク。 前作で父親の犯罪を知ることになり、 家に戻りたくない若い従妹、ペトラに相変わらず振り回されながら、 彼女が勤めるクラブでの殺人事件に巻き込まれる。 帰還兵の殺人容疑を晴らそうとしている過程で、 軍事産業の闇をあばくことになるのは、いつものお約束。 長年の上顧客のダロウが、 昔飼っていた犬、自分が蹴飛ばされた時に相手に嚙みついた闘志満々の犬に、 ヴィクをなぞらえた場面が良かった。
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