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わたしが嵐の真夜中に閉鎖された墓地へと向かうはめになったのは、従妹のペトラのおかげだ。彼女が指導している少女たちが、そこで罪のない儀式ごっこに興じていたのだ。だがわたしが見つけたのは、胸に鉄の棒を突き立てられた男の死体だった。ヴァンパイア殺人! 事件はマスコミの好餌となり、わたしはその渦中へ……ショッキングな展開を見せるシリーズ最新作
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Posted by ブクログ
もしかしたら星5は若干甘いかな。 久しぶりに読んだヴィクなので。 でも、お話は破綻がないですし ヴィクが行動的で、格好いいのは◎。 今回はヴァンパイアの降霊術に嵌った 少女たちが殺人事件に巻き込まれ それを収拾するところからお話が始まります。 事件をおってゆくと、心を病んだかつての 大学での友...続きを読む人が依頼してきた調査とも 繋がりがあることがわかります。 今回は精神病院が出てきて、そこで療養 する人のためにもヴィクは戦うのですが… パレツキーらしく、光の当たらない所で 涙を飲んでいる人のことも軽んじないのは 流石です。 今の50代の女性って、まだまだ 魅力的で、発信力がありますね。 ちょっと一時期しょげていたヴィクより 私はこっちのほうが好きです。
いやぁ、行くところまで行ってしまいましたね。今までも、何度も危険な目に会っていますが、ここまで来るとは。 これまでの作品で、これが一番好きですね。ハードボイルドっぽい。 って言うか、本当にV.I.、これからどうすんだ❗
ヴィク、墓場でティーンエイジの少女たちと同業者の死体と出会う。カーミラブーム、アメリカの保革対立、移民問題、ナチスのユダヤ人迫害からんで、ストーリーは複雑に展開。一気に読めるのはさすがです。最後はヴィクが死体になったかと怖かったー
ひさしぶりのVI。健在。相変わらず強くて、愛情深くて、無鉄砲で、正義の味方。事件のストーリとともに、彼女の日常が、周りの人々が、生き生きと描かれているのが魅力。二頭の犬と、お隣さんも相変わらずいい味出してる。大満足。
シカゴの女私立探偵V.I.ウォーショースキーのシリーズ長編15作目。 相変わらず元気で、猪突猛進なヴィクです。 華やかな赤いドレスでパーティーに出席していたヴィクは、従妹ペトラからの電話で、荒れ果てた墓地に出向く羽目に。 ペトラが世話をしている少女達がヴァンパイアのカーミラものにはまり、家を抜け出...続きを読むして、墓地で儀式をしようとしていたのだ。 子供だけの夜間外出は禁止する条例があるという。 少女達の知らぬ間に、近くに男の死体があったことを発見するヴィク。 鉄の棒を突きたてられた様子は、少女達とまったく無関係とは思われない‥?! 従妹ペトラはシカゴに来て2年。職を転々としていたが、(これまでよりはましと思われる)難民支援などを行うマリーナ財団で働き出していた。 少女の中には、上院議員候補の娘ニーヤや、大富豪サランターの孫で財団代表の娘でもあるアリエルもいた。 人気のテレビ番組で、対立候補を応援する人気スターのウェイドは、少女達の事件を歪曲して取り上げ、親や祖父も標的に誹謗する大騒動に発展してしまう。 サランターはユダヤ人だが、過去を偽っているというのだ。 同じ頃、ヴィクは級友のレイドンから救いを求める電話を貰っていた。 感性豊かで優秀な弁護士だったレイドンは精神を病み、入退院を繰り返している状態だったのだが。 レイドンの依頼は何が原因だったのか、事情を探るヴィクは‥? 50歳になってもシミ一つない肌を誇り、音楽家の恋人もいるヴィク。 共同で犬を飼っている世話焼きの隣人・コントレーラス老人には、恋人のためにそのルックスを大事にしろと諭されたりして。 時代とともに年をとるのも魅力の一つだけど~正確には進んでないんじゃないかなぁ‥たぶん(この事件が何年かは明記されてないので) 独立心が旺盛だけど、家族や友人のために身体を張るのはいつものこと。 困っている人すべてに味方して、巨悪を向こうにまわして全力を尽くす、というのが天晴れ! 「サマータイム・ブルース」で1982年にデビュー(日本での発行は1985年) 続いて「レイクサイド・ストーリー」「センチメンタル・シカゴ」「レディ・ハートブレイク」「ダウンタウン・シスター」「バーニング・シーズン」「ガーディアン・エンジェル」「バースデイ・ブルー」「ハード・タイム」「ビター・メモリー」「ブラック・リスト」「ウィンディ・ストリート」「ミッドナイト・ララバイ」そして 「ウィンター・ビート」が原著は2010年で、その次が本書2012年とややあいてるんですね。 翻訳発行は2012年9月。これは早かったんだ! 快調で嬉しい限り☆
旅行のお共に何か適度に読み応えがあって面白いものを……と思い、10年振りくらいでサラ・パレツキーの V.I. シリーズを読む。このシリーズは大学時代に好きでよく読んでいたのだが、その後も毎年一冊くらいのペースで出つづけていたらしい。あの素晴しく魅力的だった V.I. も、もう 50歳のおばあちゃんだ...続きを読むよ……。 ストーリーは上院議院選挙候補者の娘達、偏向報道を繰り返す保守系巨大メディア、過去に傷を持つ大富豪、精神鑑定により責任能力なしとされた犯罪者を収容する精神病棟といった要素が複雑に絡みあい、そして 25年前の殺人事件へと継がっていく……というもの。プロットは複雑だが、伏線は綺麗に回収されるし、論理的な破綻も少ないので読み易い。若干、予定調和に過ぎるきらいもあるが、もともとがエンターテイメント小説なんだから、それでいいのだ。 パレツキーと山本やよいのコンビも健在だが、表紙イラストが江口寿史でなくなってしまったのが非常に残念。あの都会的なセンスがシカゴの街を行くV.I. のイメージにピッタリだったのに。
嵐の真夜中に閉鎖された墓地で起きたヴァンパイア殺人事件からはじまった一連の事件に巻き込まれたヴィクが、ヴァンパイア(現代社会の暗部)に追い詰められる。 ひとりで多くを背負い込み、五里霧中のなか、警察もマスコミも大衆もすべて頼りにできず、自分ひとりで動き回る。なんとか信用できるのは牧師のみ。 いまま...続きを読むでと同様、動き回って、突っつきまわって、その中から真実を拾い上げてゆく。 最後で大逆転がまっているが、それでもすっきりとはいかない。社会の暗部は残ったたまま、そこに作者の意識がある様に思う。
シリーズを通じて、「理不尽なことや、それを押し通そうとするような勢力には激しく立ち向かい、他方で“弱者”を決して切り捨てようとせず、温かい目線を向けようとしている人物」として描かれてきたと思うが、本作でも彼女のそういう姿勢は健在である。愛すべきヒロインだと思うが…本作の最終盤では「シリーズを止める気...続きを読むか?!」と本気で思った場面が…
探偵ウォーショースキーの16作目。 旧知の新聞記者マリとパーティに出席していたヴィクは、 従妹のペトラに呼び出されて、 雨の中を少女たちを探して墓地に入り込む。 ヴァンパイア・クラブの儀式をしようとしてたが、 男の死体を見つけてしまう。 なぜかそれが、上院議員候補へのメディアによる攻撃に巻き込まれ...続きを読む、 ヴィクも個人攻撃されてしまうことに。 進化論を攻撃する論戦に思い出したのは、 こどもの頃に読んだ本を思い出した。 その著者は、「約束を破り楽園を追われた”ヒト”を祖先とするぐらいなら、 仲間で協力し合って厳しい環境を生き残った”サル”を先祖としたい」 というようなことを書いていたっけ。 偏向報道をする人気スターが過去の罪に追い詰められるのは、 意外な展開だった。 最後に華々しく罪を暴くのは良いのだけれど、 死んだふりはしなくて良かったかも。 新聞記者をクビになってしまったマリは、 とりあえず選挙のメディア・アドバイザーになったようだが、 今後はどうなるのやら。
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