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医師の友人の頼みで、麻薬中毒の女性を探すヴィク。消えた女性は何かに怯えるようにして「助けて」というメッセージを残していなくなった。そして彼女も息子も姿を消していたことがわかる。しかも彼は企業の機密を奪って姿を消した疑いが……壮大なスケールでおくるV・I・ウォーショースキー・シリーズ注目作。
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Posted by ブクログ
V.I.シリーズ第16作目。 1930年代に宇宙線物理学の分野でパイオニア的な研究を行い、ウィーンの放射能研究所の研究員だったオーストリアの物理学者マリエッタ・ブラウの存在からインスパイアされて書かれた作品。 今回はドラッグ絡みの事件かな?と思いきや、まさかこんな展開が待ってるなんて!なのはやはりさ...続きを読むすがのサラ・パレツキーなのだ。
なんか中途半端な 3F 小説を読んでしまったので、やっぱりこういうときは V.I. だよなーと思って未読のうちから一冊を取る。このシリーズは大学時代にずいぶん読んだもので、今でも文庫・ハードカバー合わせて 10冊くらいは本棚に並んでいる。最後に読んだのが booklog にも登録されている「ナイト・...続きを読むストーム」で 2012年、その前で本棚に入っている一番新しい作品は 2004年の「ハードタイム」だから 10年に一冊くらいしか読まなくなってしまった。 最初の方はチンタラ読んでいたのだが、後半300ページくらいは夜を徹っして一気読み。そうそう、こういうのが読みたかったんだよ。一時期はおばあちゃんっ気を出して腰が痛いの疲れが取れないの言っていたヴィクだが(そのせいでちょっと距離を置いてしまったというのもある)、その路線は止めにしたらしく、いつものパワフルな女探偵が戻ってきていて嬉しい。あとは江口寿史のカバーイラストが戻ってきてさえくれれば、全冊揃えるのに。
2015.5.6久しぶりのヴィク。 相変わらずかっこいい。テーマは重く、読むのが辛いところも。 家族の歴史、絆。
ロティの幼馴染、キティの家族。マルティナ、ジュディ、マーティン。物理学と家族の愛憎、嫉妬や嘘。時代背景が複雑に絡み合い‥相変わらず大きな力に翻弄されるヴィク。 IT大企業メターゴンと国家安全保障省による執拗な追跡。 絶望的な状況の中、小さな事実を積み上げて、仮説を立て真実に辿りつく手法、新旧の友人の...続きを読む手助け、信頼は変わらない安心感。
シカゴの女私立探偵V.I.ウォーショースキーのシリーズ、長編16作目。 アラフィフとなっても相変わらず、気風のいいヴィクが活躍します。 助けを求める電話をのこして、行方が分からなくなった女性ジュディ。 友人ロティの頼みで、ジュディを探していたヴィクが事件に巻き込まれます。 高名な医師ロティは年上の...続きを読む親友で、ヴィクが母とも慕う女性。 そのロティとは親の代からの縁がある一家とはいえ、ジュディは麻薬中毒で身を持ち崩しているらしい。 行方を追ううちに、ジュディの息子マーティンまでが行方不明とわかります。 企業の秘密を盗んで逃亡したという疑いがかけられていた‥ ロティが育ったヨーロッパでの出来事、第二次大戦中の核開発研究までが絡んできます。 現代のシカゴの巨大企業と、壮大な過去が交錯する‥ 家族の歴史の暗部が次第に明らかに? ヴィク自身は、演奏旅行で留守がちだけど理解ある恋人と上手くいっていて、元気がいいのにほっとします。 途中で出くわした麻薬密売人をやっつけたり、監禁から逃れたりと大車輪。 ユーモアと皮肉も健在で、かなりややこしい話を面白く読ませます。 2012年発表の「ナイト・ストーム」から少し間が開いてますね。 今後も、活躍ぶりを読みたいものです☆
第二次世界大戦中の核開発、ドイツのユダヤ人迫害、コンピュータ、特許、そして死体、 第二次世界大戦中のオーストリアと現代のアメリカ・シカゴが交互に描かれ、徐々に真相が明かされ、物理にとりつかれた女性科学者とその子孫の物語が語られる。 親子の絆と反発、仕事と家族、嫉妬と裏切り、時代を超えて引き継がれ...続きを読むるもの、さまざまな要素が詰め込まれ、物語を織りなしている。
マルティナから続く家族や、ロティの祖父母の悲しみが心に重くのしかかり辛かったけれど、後半ダロウまでが登場してテンポ良く続くハッピーエンディングに泣いてしまった。
探偵ウォーショースキーの17作目。 振り回されていた従妹のペトラは平和部隊に参加して、 シカゴを離れてしまった隣人コントレーラスは、 意気消沈しているらしい。 ロティの古い友人の娘が電話で助けを求めてきたことから、 トウモロコシ畑にでかけて、 男の死体を発見してしまうヴィク。 さらにその娘の息子...続きを読むも行方不明になっていることがわかり、 その捜索も引き受けることに。 ロティの過去、コンピューターの誕生の秘密と田舎警察の汚職が からみあい、 最後にはウィーンまで行くことに。 相変わらず地下に閉じこめられたり、 それでも孫息子を救いに出かけて、危ない目に遭うヴィクも カフェインが睡眠を邪魔するようになったらしい。 リッチな家庭の娘と逃げまわるところは、 従妹のペトラとの事件を彷彿とさせた。 トウモロコシ畑で助けた犬を飼うことになるのではないかと、 いらぬ心配していたが、 飼い主が引き取れるようになって良かった。
よく考えてみると、ウォーショースキーシリーズの場合、事件が解決しても、犯人(と言うか黒幕というか)は、必ずしも逮捕されて終わりじゃないんですよね。この物語でもそう。一応、それなりの代償を負う形にはなって終わりますが、通り一遍の「巨悪が倒れで、目立たしめでたし」ではありません。そこが、このシリーズのも...続きを読むう一つの魅力なのかもしれませんね。 それはそれとして、V.I.も、そこそこの歳になってきているはずですが、いつまで活躍できるのか?そのあたりが気になっています。
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