サラ・パレツキーのレビュー一覧
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ネタバレ探偵ウォーショースキーの22作目。
ワクチン接種が進んでいるものの、まだまだコロナ禍のシカゴ。
湖岸の岩場でミッチが見つけた少女は足に火傷をした上に虫の息だった。
無事病院に運ばれたのもつかのま、
警官が訪ねてきた後に逃げ出してしまった。
成り行きというか、必然で行方を探すヴィク。
一方、ロティに頼まれて破壊活動が行われないかと見張っていた古いシナゴーグは、
窓が割られ壁に落書きをされてしまうし、
父親が厄介ごとに巻き込まれていると少年が訪ねてきて、
子供の頃に近所に住んでいた家族のもめごとに巻き込まれる。
いつもの通り、少女と少年に手を差し伸べ、
関係者に聞きまわったり、少女が監禁され -
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ネタバレ(上巻より)
ヴィクが、
火の壁の向こうにいる母親と医師ロティを助けられない夢を見たと書いてあった。
それは母親とロティを同一視しているということだろうし、
誰よりもヴィクのことを心配し面倒をみてくれているロティだから、
母親同様だと思っていても当然なことだろうと、
ヴィクともロティとも付き合いの長い自分は心を打たれた。
それにしても、ヴィクの依頼人たちは、
自分がお金を払った仕事をそっちのけで、
他のことにかまけた上に最後には怪我をしてしまっているヴィクに、
よく仕事を頼んでいるものだ。
いや、そういう正義と追いかけてしまう彼女だからこそ、
仕事を頼んでいるのか。 -
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ネタバレ探偵ウォーショースキーの21作目。
久々のヴィク。
なので、こんなに非現実的なぐらいパワフルでしたっけ?と思うぐらい
動き回っていた。
カンザスの峡谷や沼地の中を歩き回ったり、鉄道のホームの下に潜り込んだり。
前に出て来たブーム=ブームの親友の娘バーニーが
軽く付き合っていた男性が殺され、
事件に巻き込まれる。
同時にガード下でおもちゃのピアノを弾き歌を歌っていた女性が、
マリの記事がもとで失踪し行方を追うことになる。
彼女を守ろうとする謎の男に彼の犬を押し付けられ、
犬が三匹になってしまうヴィク。
マリとは、確か付き合っていたこともありましたよね?
それなのに冷たすぎじゃないか、
そ -
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▼サラ・パレツキーさん作、シカゴを舞台にした「女私立探偵ウォシャウスキー・シリーズ」です。海外ミステリ好きなら、知らないはずはないシリーズ。個人的には読むのは二作目。
▼ウォシャウスキー、という名前に既に、WASP的アメリカ社会というか、トランプ的アメリカ社会からのアウトロー的精神が漲っているのですが、さらにはウン十年前からの女性主人公ですから、とにかくマイノリティーの味方、左翼的反骨精神に貫かれています。
▼お話は、9.11の直後なんですね。ですから2002年くらいでしょうか。黒人ジャーナリストの変死体発見から、テロリストの疑いをかけられたアラブ人少年の逃避行へと。「9.11後のヒステリ -
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グインに夢中になっていて、読むのを途中で一旦止めていた、ヴィクことV・I・ウォーショースキーのシリーズ。長いこと読んでいるシリーズだと、登場人物が自分の友人のように思ってしまうことがあるけど、このヴィクもそういう主人公のひとり。シカゴを本拠地に活動する私立探偵だ。
読み始めた頃は、憧れのお姉様って感じで、ほんとに身近でカッコいいと思った。こちらが社会人になって、親近感の質は変わっていくが、このシリーズ、作品の中でも時間が経ってるので、もう彼女は50代。でも相変わらずパワフルで美人で、熱い。行動派だ。
ヴィクの姪っ子、バーニーが友達と一緒に持ち込んだ依頼は、オーガストという、映画監督志望の青 -
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サラ・パレツキーのV・I・ウォ-ショースキー・シリーズ、20作目。
「フォールアウト」の次の作品です。
元夫の姪の失踪事件と、親友ロティの甥に容疑がかかった事件。
家族はいないのだが、身内のために奮闘することが多いヴィク。今回も熱いハートで活躍します。
ロティの甥フェリックスの事件には、中東の考古学の遺物が絡んできます。
助けに行ったヴィクに対して、フェリックスはなぜか、非協力的なのだが。
研究者の所へ赴き、ちょっといい出会いもあったり。
元夫ディックとは、若い頃におそらく互いにないものに惹かれ合って結婚したのだろうが、真逆すぎてすぐ別れた(笑)
その姪にあたる姉妹とは縁が切れていてもお -
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おーフェミニズム小説だなーという強い印象。ただし安易さや甘さを徹底的に軽蔑しており、リバタリアニズムフェミニズムという感じ。
特に面白かったのが、主人公のパートナーになりそびれた男、ラルフの弱々しさ。男性に特有の弱さを上手に掬い取って造形されていると思う。所属する組織を信奉してしまったり、自分の世界の秩序が脅かされるとヒステリックになってしまったり、といった彼の弱さは彼だけのものでなく男性全てが多かれ少なかれ持っていると思う。そしてかれが主人公を信用しきれなかった理由は女性の職業意識を無意識に軽視していたことだというのも、そのような偏見を持ってしまうため物事をフラットに見れなくなるという介錯を -
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なんか中途半端な 3F 小説を読んでしまったので、やっぱりこういうときは V.I. だよなーと思って未読のうちから一冊を取る。このシリーズは大学時代にずいぶん読んだもので、今でも文庫・ハードカバー合わせて 10冊くらいは本棚に並んでいる。最後に読んだのが booklog にも登録されている「ナイト・ストーム」で 2012年、その前で本棚に入っている一番新しい作品は 2004年の「ハードタイム」だから 10年に一冊くらいしか読まなくなってしまった。
最初の方はチンタラ読んでいたのだが、後半300ページくらいは夜を徹っして一気読み。そうそう、こういうのが読みたかったんだよ。一時期はおばあちゃんっ -
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ネタバレ探偵ウォーショースキーの18作目。
いやはや相変わらず、不死身のヴィク。
チンピラに絡まれる、銃で撃たれて、球場の壁をよじのぼり、
タール抗にはまり、これで終わりかと思ったら、
最後の最後でさらわれる。
そして、
恋人の、全く武闘派でないジェイクに助けられるとは意外だった。
サウス・シカゴ時代の過去がらみの事件。
いっとき付き合ったボーフレンドが、
自分の母が妹を殺したのは無実の罪だった、
と証明してくれと依頼にくる。
若手で非力の弁護士が弁護をしたのはなぜか、
妹が残した日記は本物なのか、
は亡くなった従兄弟ブーム=ブームとつきあっていたのか、
警官だった父が危険なエリアの署に追いやられ -
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ネタバレ探偵ウォーショースキーの17作目。
振り回されていた従妹のペトラは平和部隊に参加して、
シカゴを離れてしまった隣人コントレーラスは、
意気消沈しているらしい。
ロティの古い友人の娘が電話で助けを求めてきたことから、
トウモロコシ畑にでかけて、
男の死体を発見してしまうヴィク。
さらにその娘の息子も行方不明になっていることがわかり、
その捜索も引き受けることに。
ロティの過去、コンピューターの誕生の秘密と田舎警察の汚職が
からみあい、
最後にはウィーンまで行くことに。
相変わらず地下に閉じこめられたり、
それでも孫息子を救いに出かけて、危ない目に遭うヴィクも
カフェインが睡眠を邪魔するよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ探偵ウォーショースキーの16作目。
旧知の新聞記者マリとパーティに出席していたヴィクは、
従妹のペトラに呼び出されて、
雨の中を少女たちを探して墓地に入り込む。
ヴァンパイア・クラブの儀式をしようとしてたが、
男の死体を見つけてしまう。
なぜかそれが、上院議員候補へのメディアによる攻撃に巻き込まれ、
ヴィクも個人攻撃されてしまうことに。
進化論を攻撃する論戦に思い出したのは、
こどもの頃に読んだ本を思い出した。
その著者は、「約束を破り楽園を追われた”ヒト”を祖先とするぐらいなら、
仲間で協力し合って厳しい環境を生き残った”サル”を先祖としたい」
というようなことを書いていたっけ。
偏向