サラ・パレツキーのレビュー一覧

  • コールド・リバー 上

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    ネタバレ

    探偵ウォーショースキーの22作目。

    ワクチン接種が進んでいるものの、まだまだコロナ禍のシカゴ。
    湖岸の岩場でミッチが見つけた少女は足に火傷をした上に虫の息だった。
    無事病院に運ばれたのもつかのま、
    警官が訪ねてきた後に逃げ出してしまった。
    成り行きというか、必然で行方を探すヴィク。
    一方、ロティに頼まれて破壊活動が行われないかと見張っていた古いシナゴーグは、
    窓が割られ壁に落書きをされてしまうし、
    父親が厄介ごとに巻き込まれていると少年が訪ねてきて、
    子供の頃に近所に住んでいた家族のもめごとに巻き込まれる。

    いつもの通り、少女と少年に手を差し伸べ、
    関係者に聞きまわったり、少女が監禁され

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    2024年10月25日
  • ペインフル・ピアノ 下

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    ネタバレ

    (上巻より)

    ヴィクが、
    火の壁の向こうにいる母親と医師ロティを助けられない夢を見たと書いてあった。
    それは母親とロティを同一視しているということだろうし、
    誰よりもヴィクのことを心配し面倒をみてくれているロティだから、
    母親同様だと思っていても当然なことだろうと、
    ヴィクともロティとも付き合いの長い自分は心を打たれた。

    それにしても、ヴィクの依頼人たちは、
    自分がお金を払った仕事をそっちのけで、
    他のことにかまけた上に最後には怪我をしてしまっているヴィクに、
    よく仕事を頼んでいるものだ。
    いや、そういう正義と追いかけてしまう彼女だからこそ、
    仕事を頼んでいるのか。

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    2024年04月04日
  • ペインフル・ピアノ 上

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    ネタバレ

    探偵ウォーショースキーの21作目。

    久々のヴィク。
    なので、こんなに非現実的なぐらいパワフルでしたっけ?と思うぐらい
    動き回っていた。
    カンザスの峡谷や沼地の中を歩き回ったり、鉄道のホームの下に潜り込んだり。

    前に出て来たブーム=ブームの親友の娘バーニーが
    軽く付き合っていた男性が殺され、
    事件に巻き込まれる。
    同時にガード下でおもちゃのピアノを弾き歌を歌っていた女性が、
    マリの記事がもとで失踪し行方を追うことになる。
    彼女を守ろうとする謎の男に彼の犬を押し付けられ、
    犬が三匹になってしまうヴィク。

    マリとは、確か付き合っていたこともありましたよね?
    それなのに冷たすぎじゃないか、

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    2024年04月04日
  • ブラック・リスト

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    ▼サラ・パレツキーさん作、シカゴを舞台にした「女私立探偵ウォシャウスキー・シリーズ」です。海外ミステリ好きなら、知らないはずはないシリーズ。個人的には読むのは二作目。

    ▼ウォシャウスキー、という名前に既に、WASP的アメリカ社会というか、トランプ的アメリカ社会からのアウトロー的精神が漲っているのですが、さらにはウン十年前からの女性主人公ですから、とにかくマイノリティーの味方、左翼的反骨精神に貫かれています。

    ▼お話は、9.11の直後なんですね。ですから2002年くらいでしょうか。黒人ジャーナリストの変死体発見から、テロリストの疑いをかけられたアラブ人少年の逃避行へと。「9.11後のヒステリ

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    2024年03月24日
  • クロス・ボーダー 下

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    今回、バトルが激しかった! いろいろな人の年齢がもうわからなくなってしまっているが、それはもう良しとしよう。何作か読み飛ばしてしまったらしく、気づいたら音楽家の彼が消えていた。だけど素敵な出会いがあって嬉しい。今回改めて思ったが、ヴィクの魅力は減らず口ではないだろうか。気の利いた皮肉を素早く出せる! この能力を身に付けたい。

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    2024年03月14日
  • クロス・ボーダー 下

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    不死身の女探偵、アクション映画を観ているかの死闘に継ぐ死闘!
    ブィクの周りの人がもう少し彼女を信じたならと腹を立てながら読んだが、まぁ結果オーライで良しとしよう

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    2023年12月26日
  • クロス・ボーダー 上

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    ヴィクの身内ともいえる人物2人が別件で助けを求めている。行方不明に殺人容疑、いくらタフでも疲労困憊、上巻では元夫が何やら怪しいが、五里霧中状態。

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    2023年09月15日
  • クロス・ボーダー 上

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    最新作『ペインフルピアノ』を先に読んでいるから、皆(人間以外も)無事生還する事はわかっちゃいるけど。相変わらず読み出したらハラハラドキドキ、怒涛の勢いで下巻に続く。

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    2023年09月11日
  • フォールアウト

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    グインに夢中になっていて、読むのを途中で一旦止めていた、ヴィクことV・I・ウォーショースキーのシリーズ。長いこと読んでいるシリーズだと、登場人物が自分の友人のように思ってしまうことがあるけど、このヴィクもそういう主人公のひとり。シカゴを本拠地に活動する私立探偵だ。

    読み始めた頃は、憧れのお姉様って感じで、ほんとに身近でカッコいいと思った。こちらが社会人になって、親近感の質は変わっていくが、このシリーズ、作品の中でも時間が経ってるので、もう彼女は50代。でも相変わらずパワフルで美人で、熱い。行動派だ。

    ヴィクの姪っ子、バーニーが友達と一緒に持ち込んだ依頼は、オーガストという、映画監督志望の青

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    2023年08月20日
  • クロス・ボーダー 上

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    サラ・パレツキーのV・I・ウォ-ショースキー・シリーズ、20作目。
    「フォールアウト」の次の作品です。

    元夫の姪の失踪事件と、親友ロティの甥に容疑がかかった事件。
    家族はいないのだが、身内のために奮闘することが多いヴィク。今回も熱いハートで活躍します。

    ロティの甥フェリックスの事件には、中東の考古学の遺物が絡んできます。
    助けに行ったヴィクに対して、フェリックスはなぜか、非協力的なのだが。
    研究者の所へ赴き、ちょっといい出会いもあったり。

    元夫ディックとは、若い頃におそらく互いにないものに惹かれ合って結婚したのだろうが、真逆すぎてすぐ別れた(笑)
    その姪にあたる姉妹とは縁が切れていてもお

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    2023年08月11日
  • サマータイム・ブルース[新版]

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    シリーズの一作目。

    最初は主人公への共感ポイントゼロであまり好きになれなかったけど、だんだん慣れると面白い。
    向こう見ず過ぎるヒロインが繰り広げるアクションシーンが多く、映像化したら金ローで放送しそうな映画って感じ。

    探偵業は人脈がものを言うな。

    ウーマンリブ感溢れてて時代を感じた。

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    2023年06月21日
  • ペインフル・ピアノ 下

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    フォールアウトから暫く邦訳が出てこなくて心配していたところ、クロス・ボーダー、今作と続いてひと安心。
    巻末の作者謝辞によると、ご主人を亡くされたのかな。
    辛いお別れを乗り越えての執筆だったとのことだけど、読者としては、またヴィクの活躍を読ませてもらえて本当にありがたいことです。
    ヴィクもそうだけど、身体を大事にますますの活躍を願っています。

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    2023年05月22日
  • サマータイム・ブルース[新版]

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    おーフェミニズム小説だなーという強い印象。ただし安易さや甘さを徹底的に軽蔑しており、リバタリアニズムフェミニズムという感じ。
    特に面白かったのが、主人公のパートナーになりそびれた男、ラルフの弱々しさ。男性に特有の弱さを上手に掬い取って造形されていると思う。所属する組織を信奉してしまったり、自分の世界の秩序が脅かされるとヒステリックになってしまったり、といった彼の弱さは彼だけのものでなく男性全てが多かれ少なかれ持っていると思う。そしてかれが主人公を信用しきれなかった理由は女性の職業意識を無意識に軽視していたことだというのも、そのような偏見を持ってしまうため物事をフラットに見れなくなるという介錯を

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    2022年08月12日
  • クロス・ボーダー 下

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    ネタバレ

    (上巻より)

    ペピーはヴィクを襲った犯人を追い払ったし、
    ミッチは大怪我をしてしまったが犯人を追いかけるという大活躍。
    同じやつらが家に来た時は、もちろん、
    ミスター・コントレーラスがパイプレンチを振り回していた。
    いつものメンバーが元気そうで良かったし、
    オリエント研究所の所長が新しくボーイフレンドになったのも良かった。

    ペピーとミッチが一緒だからかもしれないが、
    ヴィクのランニングがだんだん楽しそうに思えてきた。
    運動は全く好きではないのに。
    毎日走れば、ヴィクのように不死身になれるのだろうか?

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    2022年03月10日
  • クロス・ボーダー 下

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    いつも期待を裏切らない。このシリーズは制覇してる。その事は訳者の山本やよい氏の訳が、素晴らしいからだ。海外文庫は訳者を見て選んでる。
    昔なら田中小実昌氏清水俊二氏等素晴らしい人達がいます。芹澤めぐみ氏のフロスト警部シリーズも最高です。

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    2022年03月07日
  • セプテンバー・ラプソディ

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    なんか中途半端な 3F 小説を読んでしまったので、やっぱりこういうときは V.I. だよなーと思って未読のうちから一冊を取る。このシリーズは大学時代にずいぶん読んだもので、今でも文庫・ハードカバー合わせて 10冊くらいは本棚に並んでいる。最後に読んだのが booklog にも登録されている「ナイト・ストーム」で 2012年、その前で本棚に入っている一番新しい作品は 2004年の「ハードタイム」だから 10年に一冊くらいしか読まなくなってしまった。

    最初の方はチンタラ読んでいたのだが、後半300ページくらいは夜を徹っして一気読み。そうそう、こういうのが読みたかったんだよ。一時期はおばあちゃんっ

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    2022年03月06日
  • フォールアウト

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    ネタバレ

    探偵ウォーショースキーの19作目。

    ヴィクが珍しくシカゴを離れ、
    カンザス州に愛犬ペピーと人探しに向かう。
    小さな町で太陽を背にした時の影のように、
    自分より自分の噂に先回りされながら聞き込みを続ける。
    その途中、なぜか自分の父親捜しにも巻き込まれる。

    シカゴに土地勘も愛着もないのに今回の舞台でないせいか、
    軍や細菌研究所が登場したのが気に入らないのか、
    しっとりと上手くいっていたジェイクとの別れのせいか、
    隣人コントレーラスが登場しないせいか、
    ちょっと面白くなかった。

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    2022年03月10日
  • カウンター・ポイント

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    ネタバレ

    探偵ウォーショースキーの18作目。

    いやはや相変わらず、不死身のヴィク。
    チンピラに絡まれる、銃で撃たれて、球場の壁をよじのぼり、
    タール抗にはまり、これで終わりかと思ったら、
    最後の最後でさらわれる。
    そして、
    恋人の、全く武闘派でないジェイクに助けられるとは意外だった。

    サウス・シカゴ時代の過去がらみの事件。
    いっとき付き合ったボーフレンドが、
    自分の母が妹を殺したのは無実の罪だった、
    と証明してくれと依頼にくる。
    若手で非力の弁護士が弁護をしたのはなぜか、
    妹が残した日記は本物なのか、
    は亡くなった従兄弟ブーム=ブームとつきあっていたのか、
    警官だった父が危険なエリアの署に追いやられ

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    2021年09月07日
  • セプテンバー・ラプソディ

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    ネタバレ

    探偵ウォーショースキーの17作目。

    振り回されていた従妹のペトラは平和部隊に参加して、
    シカゴを離れてしまった隣人コントレーラスは、
    意気消沈しているらしい。

    ロティの古い友人の娘が電話で助けを求めてきたことから、
    トウモロコシ畑にでかけて、
    男の死体を発見してしまうヴィク。
    さらにその娘の息子も行方不明になっていることがわかり、
    その捜索も引き受けることに。

    ロティの過去、コンピューターの誕生の秘密と田舎警察の汚職が
    からみあい、
    最後にはウィーンまで行くことに。

    相変わらず地下に閉じこめられたり、
    それでも孫息子を救いに出かけて、危ない目に遭うヴィクも
    カフェインが睡眠を邪魔するよ

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    2021年08月30日
  • ナイト・ストーム

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    ネタバレ

    探偵ウォーショースキーの16作目。

    旧知の新聞記者マリとパーティに出席していたヴィクは、
    従妹のペトラに呼び出されて、
    雨の中を少女たちを探して墓地に入り込む。
    ヴァンパイア・クラブの儀式をしようとしてたが、
    男の死体を見つけてしまう。
    なぜかそれが、上院議員候補へのメディアによる攻撃に巻き込まれ、
    ヴィクも個人攻撃されてしまうことに。

    進化論を攻撃する論戦に思い出したのは、
    こどもの頃に読んだ本を思い出した。
    その著者は、「約束を破り楽園を追われた”ヒト”を祖先とするぐらいなら、
    仲間で協力し合って厳しい環境を生き残った”サル”を先祖としたい」
    というようなことを書いていたっけ。

    偏向

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    2021年08月07日