西村京太郎のレビュー一覧
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○十津川の右腕・亀井が犯人に!?必死の真犯人探しが始まる
息子・健一と北海道の妻の実家に帰省することになった亀井は、飛行機+特急「おおぞら」で釧路へ向かっていた。すると、途中で健一の姿が見えなくなり、脅迫状が席に。言われるがままに席に座りビールを飲み、目を覚ますと2名の殺人を犯した容疑者となってしまった…!十津川は亀井の無実を晴らすべく、捜査一課のメンバーとともに奔走する。
亀井が主人公になる物語はやや珍しいのであるが、そもそも十津川や亀井が容疑者となってしまう事例は全く多くない。
今回はかなり重症で、2人の殺害であるし状況証拠も物的証拠も揃(えられ)ってしまったのだから、留置場にいるしかないのが実情だ。片腕を失った十津川だったが、殺された側の人間からたどることで何とか糸口を見つけ出す。
警察の人間が犯人にさせられるのは、相当犯人の恨みがないと成し得ないだろう。警察にとっては仕事として当然だとしても、やはり犯人にとっては生活を壊されたという思いは消えないのだろう。もちろん、犯罪をすることのほうが悪いのだが。 -
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〇家族を守るために奔走する犯罪者。十津川がその裏に込められた真相を追う
鹿島源太という男が、府中刑務所を脱獄した。
十年の刑期の予定だったが、模範囚として7年で出られることになっていて、出所まで残り一週間というタイミングでの出来事だった。
刑務所長にケガを負わせた挙句拳銃を奪い、護送車を奪い逃走した鹿島はどこへ行ったのか?誰も検討がつかないまま、7年前に逮捕した十津川班も捜査に加わることになる。
鹿島に面会に来ていた者を洗い出し、弁護士と、情報屋の田所、ホステスの天野が期間中面会に来ていたと知るが、情報屋の田所は殺されてしまった。田所が鹿島に手紙を出していたことを知り、弁護士に確認したところ、それは手紙の内容としてはとても奇妙なものだった。
何かのメッセージだということを考えた十津川は、家族を洗い、娘がいるのではないかということを突き止める。そしてその娘は小海線・清里周辺の病院に入院していたが、すでに退院してしまっていた・・・!?
鹿島の行方を追いながらも、事件の真相に少しずつたどり着く十津川。
鹿島に同情はしないものの真相を究明しようとする姿勢には感服だ。
最後は久しぶりの銃撃戦にもなる。 -
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〇信心深い彼らが義憤に転じるとき、この事件が起こった
元国交省官僚の奥寺が「義によって天誅を下すものなり」という血文字とともに何者かに殺された。犯人は「十津川」と名乗った男だったことから、捜査に十津川警部が起用されることになり、調べてみると、奥寺の作った財団法人「日本の伝統と自然を守る会」が奈良県十津川村の自然保護活動をおこなおうとしていたことを突き止め、奥寺の娘・香織と共に調べ始める。何日か滞在していた時、文化交流に熱心な東京のベンチャー企業の小野田社長の秘書が「天誅」という言葉とともに殺されていた…
"義によって天誅を下すものなり"
この言葉を見た亀井が、犯人を「幕末の志士気取り」と評したくらいには自己心酔していると思われるものの、作中に出てくる十津川村藩士たちの決意や行動原理を読めば、事件の背景も臭わされたも同然だ。
実在の書物を元にしながら、十津川村と明治維新との関係を明らかにしていて、歴史読み物としても十分に面白いに違いない。 -
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〇謎の殺人は、鉄道模型のジオラマがカギを握る
ジオラマワールドという雑誌で行なう鉄道模型コンテストで、優勝した小島英輔という男が殺された、という連絡が入った。殺されることがわかる前に、ジオラマワールド社の望月は英輔の家に行き作成途中の鉄道模型を見つけていたものの、翌日警察と共に英輔の家に入ったときには無くなってしまっていた・・・。
そして英輔の殺害現場では望月が英輔の家で見た転車台やSLが燃やされていた。いったい何が原因で殺されたのか?
十津川は、英輔の出身地であることと、鉄道写真家の持ってきた風景写真から、転車台があり雰囲気が近い静岡県の天竜浜名湖鉄道ではないかと推測。調べてみると、転車台が実際にある天竜二俣駅の近くで、英輔に近しかった女性が亡くなっていたのだが・・・
十津川と亀井が地道な捜査で推測を現実に近づけていく。
熱狂的なファンというか、趣味を追い求める世界の人間がどのような心情にあるのか、的確に描いているような感じさえする。最後追い詰めるときは泣き落としに近く、テレビドラマ向き?かも。 -
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〇鉄道模型の怨念?連続殺人か否かその判断が我々もなかなかできないワクワク感
あるとき、河野博史という男がスパナで殴られて瀕死だという通報が入った。
病院に急行した十津川たちは、そこにいた大野修という男に事情を聴くことになったが、なんでも大野の友人の雨宮健一が、購入して送られてきた模型が粗雑だったために逆上して殴ったということだった。いろいろと河野や雨宮の身辺を調べてみると、実は河野も鉄道の模型マニアであるということが理解できる。大野の助言で山口のC57-1を見に行くかもしれないという情報をもとに、一路山口まで向かう。
雨宮の手帳には、SLやまぐち号の撮影ポイントが20か所書いてあった。そのどこかで殺人が起こると予想した十津川は、3人1グループを5つ作って張り込もうとする。しかし、運行が終わっても殺人は起こらなかったとほっとしたところで、殺人の連絡が入る。あるポイントで殺害されていた女性は東京の女で、バッグの中にはC57の模型が入っていた・・・!?
連続殺人の様相を呈しているが、そこに一体どんな共通点が。そして本当に連続殺人なのか?
最後までどんな全貌が現れるかがわからない、ワクワクさが支配する。
はじめは男性同士の痴話喧嘩かと思われていた事件も、山口の事件を皮切りに意外な展開を見せる。怨念というものは怖いものです。 -
購入済み
可もなく不可もなく普通
2時間ドラマが好きで西村京太郎さんのドラマはたくさん観ましたが、原作を読むのはこれが初めてでした。
個人的な感想としましては可もなく不可もなく普通といったところですかね。
事件の真相が近づく連れて途中まではよかったのですが
最終的にそこまで興味を引いたり興奮を覚えるような真相ではなかったように感じました^^;
これから西村京太郎さんの作品どんどん読んでいきます!楽しみです! -
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4話の短編集。
裸の牙、は一体どういう『仕事』をしたら
こうなってしまうのか…。
年月は人を変える、といいますが
会わなかった間、何があったのでしょう?
表題の、マウンドの死、は打算が渦巻いていて
重なると恐ろしい状態に。
全員、夢を見すぎたというべきか…。
血に飢えた獣、は勘違いの人なのか
ストーカーなのか、変な人、なのか。
むしろあのラブレターに返事がもらえると思うのが
一体なぜなのか、が知りたい。
二十三年目の夏、は国のために
死なねばならなかった時。
なぜ死ななければならなかったのか…。
もうどうしようもない過去ではありますが
確かに気になる謎でした。
バイヤー殺人事件、は社畜である、と
証明するような話でした。
勝利を勝ち取るために、サラリーマンは日々頑張る。
しかしこれは…頑張りすぎです。
わが心のサンクチュリア、は最後まで読んで
彼女がどうして引退したかったのか、が分かります。
いや、多分あれが理由なのかと。
けれど相手は…。 -
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○画家のわがままに付き合った挙句に、書き上げられた絵で右往左往。十津川の推理も冴える
看護婦の田代は、入院中の画家・篠崎の看病を専属で頼まれることになった。かなり無理難題ばかりを押し付けられていたものの、だんだん篠崎も田代を信頼するようになり、しまいには岩手県の浄土ヶ浜で絵を描きたいと言い出す。困った田代だったが、病院には黙って浄土ヶ浜へいくことに。
浄土ヶ浜でも篠崎に振り回されっぱなしだったものの、浜で少女を見つけたのち精力的に絵を描くようになるが、描き上げたところで持病で死んでしまった。描き上げた絵やマンションは遺言の通りに分けることになったが・・・
一方田代は、病院が全く探そうとしていないことや、不審な男性がうろついていることも見つけたりしたが、実はその男性が後日殺されていることを十津川が捜査しはじめる。私立探偵・橋本の力も借りながら、少しずつ謎を解き明かしていく!
浄土ヶ浜で出会う少女と、篠崎の妻、そして篠崎の妻も信頼を寄せる女画商。それぞれの欲望が複雑に絡み合い、終始事実が見えにくく、読者も想像で進むしかないから、なかなかこの結論にはたどり着けないでしょう! -
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○サムライが現代で活躍と思いきや事件に巻き込まれ。
智頭急行の社長が、智頭急行線にある「宮本武蔵駅」を話題に、智頭急行線を盛り上げようとし、現代に生きる「宮本武蔵」のような剣士をさがしていると、とある雑誌の編集者に、新潟県の山奥に連れて行かれた。そこで見た父子の剣術の手並みはなかなかのものだったが、父がひき突然"終わりだ!"と叫び終了してしまう。子の方も、"父は、今日中に死にます"といい、本当に翌日父の方が死んでしまった。
彼らは宇都宮親子だった。社長は子に宮本武蔵駅に来るよう説得し、見事成功する。
様々な相手と戦ううち、剣道界を牛耳る大田原父子に挑戦状を送るが、けんもほろろ。そこで挑発しはじめると、思わぬ展開に。
さらに刀剣屋の大杉が殺害されたのが見つかったが、十津川はそこで「備前長船」という珍しい真剣に出会う。それは大杉が何らかの方法で手に入れたらしいが、いったいどうやって。
剣道界のトップ争いが、妬み嫉みを生み、醜い殺人を生む。
比較的十津川が登場しない、(解説にも書いてあったが)宇都宮と智頭急行の社長が中心になり進む話であるが、試合の間合いの取り方や気合いのはき方など、実際にやったものならイメージがつく表現が多く、臨場感が響く一作。 -
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○キャベツの横に死体…という何とも言えない展開が、実は金儲けが原因だったとは
嬬恋村って、長野県じゃなくて群馬県だったんですね・・・と思いウェブで調べたらやっぱり群馬県でした(当たり前だ)。
そんな嬬恋村役場に入った新人が、竹田とあずさ。観光商工課特別係に任命され、町を車で回っていると、キャベツの収穫をしている農家を発見し、思わずあずさが手伝いに行く。そこで、あずさが土に埋まっている遺体を発見してしまうところから、この事件が始まる。
その遺体の足取りを追う二人は万座温泉や長野原町の銀行などを回ってみるが、どうやら遺体として発見された中野は、嬬恋村の土地を購入しようと奔走していたらしい。
しかし、中野の住まいのある東京では、群馬県警から要請を受けた警視庁の刑事が家に向かうと、そこには本物の中野が死んでいた。
日本再生事業団がからんでいると気づいた竹田とあずさは、東京で中野やその周辺を洗うが、それを阻止しようとする人間に襲われてしまう。しかし逆にその事実が犯人に近付いていると悟り、さらに調査を進めると、買収された土地の周辺で不穏な動きが始まり、金儲けのためにいろいろ画策されていると推理し・・・
***
そもそもなぜこのストーリーが書かれたのかはよくわからないが(解説もないので)、きっと筆者には嬬恋村なのに軽井沢と書かれている状態が許せなかったに違いない。そして法律的に(結論で出てくる)この選挙とか土地買収とかが成功するのかどうかは甚だ疑問だが、とりあえず議論や推理が進むので面白いっちゃぁ面白かった。
んんー、でもやっぱり強引かな。
(ちなみに、全著作リストつき) -
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大量の紋白蝶やゴム風船を空に放ったのち、服毒するという
よくわからない自殺パフォーマンスが連続するので
十津川警部が捜査にあたったところ
なんか偽キリストっぽい宗教がでてくるという話
生きることが苦痛であるのは、生きる理由がないからで
生きる理由がないというのは、世の中に裏切られてそれを見失ったり
そもそもそういう概念を誰からも教わらなかったりするからだけど
でもとにかく自殺するのはよくないよ
なぜならそれは社会のありかたにたいする挑戦だから
そんなオヤジの説教くさいニュアンスを含みつつ
生きる理由として仕事にしがみつく世代を描いている
1980年の作品で
ガイアナ人民寺院の集団自殺あたりを下敷きにしているのか
教祖のありかたには説得力を感じた