深沢仁のレビュー一覧

  • この夏のこともどうせ忘れる

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    とあるひと夏を描いた四編の短編集ですが、どこか密やかで濃密な気配の漂うストーリー。

    「空と窒息」
    「昆虫標本」
    「宵闇の山」
    「生き残り」
    「夏の直線」

    心がカラカラに乾くような、ヒリヒリするような、切ないような……言葉で表すのが難しい。
    さまざまなタイプの心の渇望が描かれていたように感じた。

    人の心や欲求って、不思議で複雑なもの。
    言葉ではなかなか伝えにくいことを、こうして物語を通して感情ごと伝えられるのは本当にすごいなとしみじみ思う。
    「生き残り」「夏の直線」が好みでした。

    これまでに読んだ作品「ふたりの窓の外」「眠れない夜にみる夢は」は、「この言葉の海にずっと潜っていたい」「読み

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    2025年09月16日
  • ふたりの窓の外

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    ネタバレ

    2025/08/28予約
    火葬場で初めて出会った沙奈と役者の鳴宮。春に沙奈がキャンセルしなかった旅行に一緒に行き、夏は鳴宮の祖母と三人で墓参り、秋はドライブ、冬に旅行と知ってるような知らないような相手とふたりで四季を過ごす。最近読んだことのないくらいロマンチックな話で私まで心が浮き立つ。フィクションだから、とは言っても素敵だな…

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    2025年09月11日
  • ふたりの窓の外

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    非日常的な空間で次に会う約束も交わさなかった2人が、なんだかんだと季節ごとに会うようになる。
    それでも、次の約束や綿密な予定は立てず、あくまでお互いのやりたいことを適度な距離感でしながら、ある意味逃避行的な旅行に2人で出かけていく。

    友達よりよく知らない人の方が、しがらみがない分自分の悩みを話しやすいとよく言われる。
    二人の関係はそれに加えて、お互いの空間をリスペクトしているところが良いと思ったが、最後の最後にそれが乱れる場面があり、その後どうなるかは不明。

    現実にはこのような関係性を築ける人を見つけるのは相当難しいと思うが、心地よい関係性は友達や家族、恋人という枠にとどまるわけではないと

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    2025年09月01日
  • この夏のこともどうせ忘れる

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    表紙から勝手にザ・青春って感じのイメージだったので今まで手に取らなかったのですが、今回期間限定のコメントカバーなるものがついてて、そのコメントを読んで惹かれたので購入、さっそく読んでみました。
    青春要素もありましたが、キラキラした感じではなく、仄暗い感じのある話しが中心で、コメントにもある通り、タイトルにすごく合ってるなぁ、と思いました。
    個人的には4話目の話しが切なくて好きでした。
    作者の他の作品も読みたくなりました。あと、出来ればどの話しも続きが知りたくなりましたね。

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    2025年08月11日
  • この夏のこともどうせ忘れる

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    高校生たちのひと夏の出来事を書いた短編集。全五編。

    密やかで妖しくて 時に甘やかで そして切なくて…日常とは少し違ったそれぞれの夏休み。

    個人的には『夏の直線』が良かった。 夏の夜の海というのはもうそれだけで非日常的だと思う。

    タイトルの〝この夏のこともどうせ忘れる〟は大人になる前の率直な無責任さと逞しさが感じられてとても好きだった。

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    2025年08月10日
  • この夏のこともどうせ忘れる

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    初読みの作者さん。こちらもフォローしている方々のレビューに惹かれて読んでみた。

    夏休み中の高校生たちの、「どうせ忘れる」と言いながら、いやいやどうして、「とても忘れるはずがない」と思える出来事の数々。
    かわいらしくてなまめかしい「昆虫標本」と、かりそめの軽い気持ちが思いもかけない気持ちに傾いていく「生き残り」が好き。
    残りの3話も、それぞれに秘密めいた関係の描写が、読み終わってからも後を引くという感じ。

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    2025年08月04日
  • この夏のこともどうせ忘れる

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    ネタバレ

    読み心地はかなり軽いのでスルスル読める
    もう少し読み応えが欲しいと思った
    全体の話を通してタイトルに集約されるのでなるほどと、思った
    どの話も未成年特有の絶妙な危うさが感じ取れてハラハラしてしまった
    何か危険だと思う気持ちが勝り私はとっくに大人になったのだと思った
    高校生のこういうところあるあるだよね、と思う場面がたくさんあった

    私が1番好きな話は、「宵闇の山」
    率直に思ったのは、あ、これはギャング集団の話だと思った
    (内緒で夜の山に入り秘密基地にしようというところ)
    最後の大人になるまで、ずっとの台詞が切ない
    タイトルのこの夏のこともどうせ忘れるに続いてしまうような気がした

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    2025年08月02日
  • ふたりの窓の外

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    ネタバレ

    キレイな男と女のお話。

    こんな人いないでしょって言うのが印象でした。物語としてはキレイで良いのです。現実離れしてますが。人生に余裕があればこんな恋愛をしてみてもいいかなっと思いますが、まず無理だと思います。

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    2025年07月19日
  • この夏のこともどうせ忘れる

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    ネタバレ

    高校生の夏を描いたオムニバス。

    内容にすごく関係ないけど、ポプラ社のこの本、いい紙つかってる?
    ページ一枚一枚しっかりしてるな~って思いながら読んだ。

    「空と窒息」
    毎年夏にないると意味があるのかないのか母が1度だけ首を絞めてくる。
    そんな高校生が勉強合宿にいく。ここでもボッチ。
    夜眠れなくて、つい同じ部屋の香乃に「首を絞めてくれないか?」と頼んでしまった。その夜はよく眠れた。

    「昆虫標本」
    美しいハーフの兄妹の家にお邪魔する話
    妹が切手収集しているらしく、祖母の切手コレクションをもって家に訪ねる。
    切手の話、そうでない話、ふたりはべったりした時間をすごす。
    美しい兄のほうが昆虫を集めて

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    2024年11月27日
  • この夏のこともどうせ忘れる

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    タイトル通り「この夏のこともどうせ忘れる」という、どこか冷めた感のある夏の一場面を切り取った短編集。どことなく淫靡で、退廃的で、不思議な空気感を持った小説でした。
    もう少し心にグサっと突き刺さるような内容かな、と思ったけど、そこまで深く来なかったのが残念。
    というより、タイトルとあらすじを読んで“突き刺さって欲しい”と思いながら読み始めたので、逆にハードルが高くなったのかも。
    ただ、全編面白く読めて、つまらなくはなかったです。

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    2024年07月29日
  • この夏のこともどうせ忘れる

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    全ての話において読者の想像力に委ねられている部分が多く、こういうことかな?と推測して読む必要がある。
    そのため、ハマる話もあればよく分からなかった…となる話もあった。
    「宵闇の山」と「生き残り」が特に印象に残った。
    この夏のこともどうせ忘れる。忘れてしまうけれど、大人になってからふとした瞬間に思い出すような忘れられない夏の記憶。そんな感じ。

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    2024年03月25日
  • 渇き、海鳴り、僕の楽園

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    表紙の絵の雰囲気と作品名に惹かれて手に取りましたが、期待をしすぎたのか内容がいまいちに感じてしまいました。
    個人的に島の設定になかなか入り込めなかったです。

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    2023年12月13日
  • この夏のこともどうせ忘れる

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    人と人、ふたりの間の関係に重きを置いた短編集
    ストーリーや具体的なものよりも空気感、雰囲気を描いてる
    合う人にはたまらないのかもと思うけど、私にはあまりハマらなかったかなぁ…

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    2023年12月03日
  • 渇き、海鳴り、僕の楽園

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    「この夏のこともどうせ忘れる」が人生で幾度となく読み返した青春小説なので、この話もそういった刹那的な夏が味わえるかと思って読んだ。
    結論からいうと、雰囲気は好きだけど内容はあまり合わなかった。というのも、すべてが唐突でよくわからないまま話が進んで行くので、盛り上がりというものを感じられなかった。そして主人公ウィルが致命的に私と合わなかった。
    雰囲気は大好きなんだけどなー。

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    2023年07月12日
  • 英国幻視の少年たち ファンタズニック

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    新たに好きなシリーズができてしまいました。
    あることから逃避したくて、イギリス在住の叔母を頼り留学に来た大学生のカイ。
    しかしファンタズニックに巻き込まれたことで、<英国特別幻想取締報告局>のランスと知り合います。
    妖精、精霊、魔術、幽霊・・・etc.全部盛りのファンタジー。
    ハリポタ読者としても楽しませていただきました。
    かたや無自覚苦労性、かたや万年貧血という平熱低めバディの今後が楽しみです。

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    2022年01月18日
  • 英国幻視の少年たち3 グリム・リーパー

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    ネタバレ

    ロンドンが舞台
    ランスが成長した場所で、ところどころでかつての情景が目に浮かぶ。
    新しい登場人物が多く出てきた。
    海の友達、美柴亜矢の物語はここで終了
    回収できていない伏線がたくさん。
    次巻に解決できるのだうか?
    次巻は過去について書かれているらしい。
    楽しみ

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    2021年08月17日
  • 英国幻視の少年たち2 ミッドサマー・イヴ

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    1巻よりもどんどん気持ちが乗ってきて読むスピードが上がってきた。
    ミッドサマー・イヴ、特別な日を私も感じてみたい。
    だから夏至の日みんな盛り上がってたんだなー。
    来年は私も盛り上がろう。
    続きがまだ読めるみたいで楽しみ。

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    2020年08月02日
  • 英国幻視の少年たち ファンタズニック

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    ネタバレ

    つまらなくはなかったけど、好みではなかったかなぁ。この、好みというのは微妙な部分だとは思うのだけど。どっちかがはっちゃけたタイプの少年だったら、また違ったかも。

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    2018年08月14日