深沢仁のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
春夏秋冬。移ろう季節ごとに一度きり再会を重ねる男女の物語。
ひょんなきっかけで始まった不思議な関係性だけど、季節を追うごとに二人の距離感はゆっくりと確かに縮まっていく。
普段の喧騒から離れ、非日常のなかで言葉を交わして互いの内側に触れていく過程や、理解を深めていくやりとりに心が温まる。
穏やかに、ゆったりと。
読み進めていると、何とも優しい気持ちになった。
芸名や役者の鎧を脱ぎ捨て、素の自分でありたいと切望する庄吾。
停滞している日常に閉塞感を感じ、自らの殻を破るきっかけを求める紗奈。
季節ごとに再会する限られた二人の時間は、儚くもあり尊い。
四季折々の色彩や空気感を感じる。帯にあるように、まるで絵画のような恋愛小説。
窓の外の世界に、二人が望む景色があればいいな、と心地よい余韻が残る読後感だった。 -
Posted by ブクログ
すごく良かったです。
春夏秋冬それぞれの季節に一度ずつ会うというスローペースな関係。会うたびに理解が深まって一緒にいると心地よくて、とても素敵な関係。
誰かと旅行に行きたくなりました。四季を感じたい!
読後感良くておすすめ。
そしてここからは余計なお世話で蛇足ですが個人的な感想。
鳴宮さん、英語喋れてスタイル良くて気遣い完璧でコミュニケーション能力高くて仕事はあれですがなかなかハイスペックですよね。出会いも多そうだし、現実だったらこんな悠長なことしてる間に別の女性にもっていかれちゃうよなー、なんて。
最後の冬の旅行の翌朝の会話にキュンとしました。鳴宮さん、藤間さんのことめちゃくちゃ好きやーん!とニヤニヤ。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ四つの季節をじっくり楽しむように、恋の移ろいを堪能することができた作品。
「地球はそろそろ滅びそうなのでみなさん二人一組になって宇宙に脱出してください、どれだけ時間がかかるかわかりませんが、運がよければ火星に着いて生き延びることができます、っていうアナウンスがあったとしたら、自分は藤間さんを誘うだろうなって。僕にとってあなたは、そういう存在です」(p.239)
鳴宮はきっと愛しているなんてストレートに伝えず、きっとこういう表現をするのだろうな、とストンと腑に落ちた。
装丁の美しさ、登場人物二人が歩む恋の美しさ、いろんなところに魅力を感じた作品でした。