深沢仁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
すごくよかった。
真っ直ぐ純粋で危うい紗奈の言動に対する鳴海さんの対応が素敵すぎる。
温かく受け止めて、ゆっくり待ってくれる姿勢も素敵だし、何よりおもしろがってくれる受け取り方がいい。
二人のやりとりは心地よくてほっこり笑えて、終わるのが寂しいくらい楽しい読者時間だった。
紗奈が新しい世界を知ってわくわくしたり、抱えてきた辛い思いを爆発させて泣いてしまう場面などは、心理描写が丁寧でわかりやすく臨場感があった。
旅行という非日常を共有することは特別な楽しさがある一方、いつ疎遠になるかわからない関係性は不安で切ない。
どう決着するのかわからず、秋の旅行は大雨のダムの場面でドキドキしたし、冬の旅行 -
Posted by ブクログ
ネタバレなんか、なんか今、超絶ポプラ文庫読みたいッ…!という衝動のもと、ポプラ棚に駆け寄り、あああこれずっと読みたいと思ってるやつー!と毎夏思っては購入タイミングを逃していた、いつも平積みされている深沢仁さんの本書を今夏こそ購入。
なんといっても、タイトルがすばらしく素敵。
五編からなる短編集ですが、どの短編を読んだあとでも最後にこのタイトルをそっと呟くと、さらに最高にエモさが増すじゃん…! と大興奮読書でした。
しかし、どの話もタイトル回収に一辺倒なのではなく、どの話に描かれていたどの夏もそれぞれ全く系統の違う夏であり、だがそのどれもパッと光って咲いて散る、ひと夏の眩い青春がこんなにもバラエティ -
Posted by ブクログ
『ふたりの窓の外』がとても良かったし、ミユキさんからのご紹介もあって。
5作品からなる短編集。
●空と窒息
短めの文章が淡々とした印象だったが、むんとした真夏の空気が息苦しさを感じさせる。
けれど、息苦しいのは夏のせいだけじゃない。
「音はないのに夏だとわかる。…(略)…強引な光のせい。」
「なつのくらやみ。」
「…(略)…そういうのをいきなり過去に放り投げ、元には戻らないことを無言のうちに同意した。」
●昆虫標本
大きな館に住むハーフの同級生、藍莉。
切手の収集がきっかけで、千夏は藍莉の家にお呼ばれする。
美しい藍莉は同性でありながら不思議な魅力を放っている。
美しい者ってそれだ -
Posted by ブクログ
SNSで見掛けて気になり、手に取った作品。
装画もすごく好きで、今の時期に読むのにぴったりだと思った。
火葬場で出会い、ひょんなことから春夏秋冬…季節ごとに一度だけ一緒に旅をすることになった男女の一年間を描いた物語。
年齢を重ねてきたからなのか、恋愛小説で好きな作品に出会うことが減ってきたように思っていて…
でもこの作品はとても好きだった!
喪失を抱え、自分の人生なのにどこか投げやり。
そんな2人が一緒に旅をすることで、自分自身に対して、相手に対して、気持ちに変化が表れていく。
この関係を何と呼べばいいのか?
また次はあるのか?
一緒に過ごした季節を重ねるごとに、変わっていく2人の空気 -
Posted by ブクログ
日常と非日常のまじわるこの絶妙なかんじ…すごく好みだった。
読者にゆだねる終わり方も◎
自分好みでない結末よりは妄想する方がいいし…
何回も読みたくなるし、読む返すと伏線もたくさん見つけられて感動した。
この春自分も高三になるからか、同じ高三の女の子が主人公の「生き残り」が一番印象に残った。彼女のような恋への積極性は皆無だけど、似たような考え方に共感してしまったり、篠くんのような性格の子いるなぁ、そういう子が好きだった、と思ったり、最後は号泣してしまった。
「空と窒息」蒸し暑い空気感が伝わってきたのと、秘密を共有したことで変わっていく香乃との関係がとてもよかった。
「昆虫標本」兄にゲームで負け -
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