深沢仁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ言葉にならない今年ベストかもしれない。
関係性ものが好みな人間なので、『空と窒息』が死ぬほど癖に刺さってやばかった……。他のも全部いいけど『生き残り』もヤバすぎます。ヤバいしか言ってない!言語化!!!
市井ちゃんが篠くんに最後に殴られたのいつって訊いてみてというところがすごく印象的でそこからの二人の会話と二人がこのまま一緒にいることはないことがつらかった。篠くんが市井ちゃんとのことを完全に思い出にできたとき篠くんは幸せになれるし市井ちゃんはたぶんきっと一生篠くんを忘れられない。この!男女の!相思相愛が人生かけても交わらないこの先の未来を思うと脳が沸騰しそうになります。ありきたり?な展開と設定かもしれないけどこういうのが大好きなんだよ!!!!!!!!二人がどこかでいっしょに幸せになってほしーーー涙涙涙 それぞれの家庭環境に思うところはあるんだけど、篠くんに何がなんでも安心して眠れる環境がありますようにと願ってしまう。
『空と窒息』のクソデカ感情が生まれる前の関係性には少し首絞めは重すぎるけど、重いが故に徐々に二人の間の湿度が高くなっていくのが良い。じりじりと汗が滲みながらどこか共犯めいてくるの読んでてぞくぞくした。可宮と香野ってこれからどうにかなるかもしれないし、全くならないかもしれないのがとてもよくひと夏の思い出にするにはあまりに罪深いものを背負って背負わせた関係性、一生味する。普通に付き合って欲しい。(おーい)
『宵闇の山』ももう解放してあげたい気持ちとまだ受け入れられない気持ちがお互いを縛ってるし、男男も女女も男女も全て良い!!!!!!深沢仁先生の本をもっと読みたい!!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ互いが、互いにとって"非日常"。
そんなふたりの距離は近づくか?
友だちでもなければ、恋人ではない。
お互いを想い合いながらも、両片思いでぎこちない鳴宮と藤野の関係がいい。
1年ずつ、少しずつ変わる2人の距離に目が離せない!
鳴宮さんが魅力的!
聞き上手で話上手、そして何より優しい鳴宮さんのキャラクターがとにかくカッコいい!
多彩な経験に裏打ちされた大人の余裕と優しさに、思わず惹かれてしまうこと間違いなし。
マジで、鳴宮さんがどストライクでタイプ♡
「この旅が終わってほしくない」
「ふたりはこの先どうなってしまうんだろう?」とワクワク・ソワソワしながら、最後まで一気に読み進めてしまう作品! -
Posted by ブクログ
ネタバレ相手の気持ちなんて、決められないし、わからない。ふたりの相手への慎重さや丁寧さが尊い。まあ、読者は彼らが充分に思い合っていることを知っているので、ムズムズするけど。
久しぶりに、「恋愛」をだーっと浴びた感!ジェットコースターみたいなドキドキじゃないけど、だからこそ、登場人物の心の動きのひとつひとつに、静かに感情が揺れる。
最終章は、完全にふたりを見守るような視点になって、「藤間さん、なにするの??」と冷や冷やした。壊れてほしくなくて、祈るような気持ちで読んだ。
藤間の過剰すぎる自意識にものすごく共感する。相手を意識しだすと、時に相手が見えなくなるほど関係が自分の中で膨らむことがある。でも、それは相手を傷つけることがあるなぁと思う。鳴宮が、諦めないでいてくれてよかった。出会いから、彼はこういう人だった。すぐに救急箱を持ってきて手当てして話を最後まで同情なしできいてくれる人。
今まで非日常だったふたりが、今後どんな風に日常になっていくのかな、と考えたり。とても好きな小説だった。 -
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火葬場の喫煙所で偶然に出会った2人。
稀有な出会いから、季節ごとに1回の旅を経て、2人の関係性が少しずつ変化していく様子をゆっくりと追っていくお話です。
四季折々の風景や、2人の間に流れる穏やかで静かな時間の描写がきれいで、作品全体に漂う詩的でエモーショナルな雰囲気が個人的にとても好きでした。
作中随所に出てくる、「旅」や「時間」についての捉え方も素敵。
"いつもいる場所を離れたらもう旅なんだから、あとはなにもしなくてもいいんですよ"
"物語が時間の単位になることを、私はあの旅で初めて知った"
日常を離れて、静かな場所で特に予定を決めずに過ごす、そんな2人の旅に読みながらとても癒されました。
最終章で鳴宮さんが話す「もし雪に生まれ変わるとしたら」のエピソード、それを踏まえてのラストもなんとも印象的かつロマンチック。
クライマックスでの藤間さんの大胆な行動には驚きましたが、ハッピーエンドで良かったです。
ちなみに鳴宮さんと藤間さんの2人は、放送中のドラマの岡山天音さんと北香耶さんで想像したら自分の中で結構しっくりきていい感じでした。
SNSでたまたま知った作品でしたが、読んでみて、出会えてよかったなと思えた1冊でした。
深沢仁さん他の作品もまた読んでみたいです。 -
Posted by ブクログ
読み終わるのが惜しいと感じるほど素敵な小説だった。シリアスとユーモアの塩梅がすごく上手で、切ない話なのに重く感じず読後良い余韻が残った。
特に印象が強かったのは『明日世界は終わらない』
三角関係なのに、全員が大事な存在で、明るいのに切ない。「あの夜から昨日の夜までの全てが、すっぽり箱に入って自分の真ん中に閉まわれた」という物語の締めくくりの表現が好き。
『明日世界は終わらない』『砂がおちきる』この2つはタイトルのセンスも逸材だった。
『深沢仁』という名前から最初は男性作家と思っていたが、作品を読むうちに絶対女性だと思い調べたらビンゴ。
人物作りが上手くて、表現が繊細で綺麗な深沢仁さんが書く話がもっと読みたい。
次回作が出るのを期待して待ちます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「眠れない夜にみる夢は」が良かったので読んでみたこの本。やっぱりすごく良かった(語彙力)
婚約者を失った女性、父親を失った男性が火葬場で出会い、女性と婚約者が行こうとしていた旅行にその男がどうこうすることになる。以降二人は季節ごとに4回、小さな旅を重ねることになり…。
最初、男の方(鳴宮)がちょっとややこしいヤツなのかと思ったし、現実にこんなんいたら若干やっかいなんだろうけど、実は女の方(藤間)がかなりやっかいなようで…。
基本的に融通の利きなさそうな真面目で目立たないちょっと暗めの女性かと思いきや、しょっちゅう転んで怪我をしたり、変に生真面目なところがあるかと思ったら、そこで?みたいな大胆さ(初めて会った男に婚約者の代わりとして泊りの旅行に行く約束をする?)があったり…作ってるところのない(芸能人とかのアノ人的なんじゃない)天然の天然ちゃんらしいのである。
そんな2人のぎこちなくも大人の交流と、歯がゆいばかりの恋の進展が、荒んだおっさんの心にジワジワ沁み込んできて、なんとも気持ちよい。
鳴宮の心配りや生き様がとても良くて、定職につかない役者崩れであろうとも「あぁこれはもてるわ」とあこがれるのである。そんな男だからこそ、本当に良い女は分かるねやろなぁ。
読み終わって表紙を見直すと、泣けるぞ -
Posted by ブクログ
ネタバレミステリーでもないのにこんなに続きが気になってしまったのは初めてかもしれない。本当にどのストーリーも面白かった。
「何も傷つけないように、おやすみ」
同じ施設で育った暴力癖のある鉱一と智己。ずっと同じ道を辿ってきた2人が、これから歩む別々の道。家族が出来た智己と、1人になってしまった紘一。2人とも家族というものを知らないで育ってしまったけど、きっと誰かの温もりを感じることで人間としての大切な感情や、大切にしたいと思う感情を培っていくのだと思う。2人ならきっと大丈夫。
「明日世界は終わらない」
このお話はすごい深くて、ずっと頭から離れない。
綺子のことが好きな竜朗、周のことが好きな綺子、竜朗のことが好きな周。なんだこの三角関係は。この誰も幸せになれない関係にはいつか終わりがくるだろう。でも今この瞬間がずっと続けばいいのにと思うくらい幸せそうで、楽しそうで読みながら本当に眩しかった。それは夜の明かりでもあるし、3人の関係性でもある気がする。
「不自由な大人たち」
中学の頃からの親友の志津と櫻子。結婚して子供もいる櫻子と、何故か既婚者ばかりに好かれてしまい、最終的に後腐れのない不倫に落ち着いてしまっている志津。志津や、相手のダニエル、是枝さん、桂木さんのような生き方をしてる人が本当にいるのだろうかと不思議で全く知らない世界だった。でも友達のために自分の生き方を簡単に辞めてしまう志津にはもっとびっくりした。正直何が正解か分からないし、志津のような生き方は自分には想像もできないけど、このよく分からないという感情を知れて良かった。
「家族の事情」
これがまた面白かった。二卵性双子の亜門と杏子。全く正反対の2人が寄り添いながら生きる姿。そして何も考えてないようで、いつも迷惑ばかりかけている杏子が、亜門よりも亜門のことを分かっているところが感動的だった。そして上司の藤本さんが私にもキラキラ輝いて見えたし、2人の家族になってくれたらどんなに幸せかと思った。
「砂が落ちきる」
後輩に彼氏と別れるのを手伝わされた真野。そこで出会った相手の男成田光洪。その男に半年後いきなり処女を捨てるという自分のバケットリストを叶えるために依頼する。読んでいても成田光洪はかなり女慣れしているし、優しいけど自分の話はしない所、生活感が感じられない所、真顔から笑顔になる瞬間、きっと大半の女性が好きになる相手だなと思った。真野とは住む世界が違うような存在だけども、2人に共通するのは人に執着していない事。きっと45歳になった時、2人は食事になんて行かないきがする。でも今だけはこの約束とも言えない約束がお互いの人間らしさを保つお守りになるような気がする。