灰谷健次郎のレビュー一覧

  • 天の瞳 幼年編I
    灰谷さんの作品三作目です。
    根底にある教育的な視点がとても印象的な小説であることは、「兎の眼」「太陽の子」と変わりません。
    教育的ではあるけれど、それは厳しいものではなくて、人に対する、深くてあたたかな姿勢があって、子供を育てる人に対しても優しさを感じずにはいられない。
    それと同時に子供を育てること...続きを読む
  • 兎の眼 (角川つばさ文庫)
    泣いた。
    膵臓食いに続き、またしても電車の中で、人様の前で涙。
    やーめーてーよー...いい話すぎるじゃんか。
    ほっこりというか、じんわりというか、心温まるいい話。

    どうだコノヤロ泣けるだろう、とグイグイくるのではなく、
    じんわりじんわりきて、ふいに訪れる涙。

    もーこういういい話は皆さんに読んでも...続きを読む
  • 天の瞳 最終話
     いよいよ主人公たち(中学生4人)が中学校の先生をどう変えていくか...というところまで来て、作者の筆が止まってしまった。うーん、残念。
     60歳直前になった私にとっては、「天の瞳」でここまでに登場するじいさんたちがカッコいい。
  • 兎の眼

    ほっこりと人間的に成長できる

    担任の若い先生・子供たちが、問題児との交流を通してさまざまな困難を乗り越えながら、その親たちを含め、まわりの皆が人間的に成長していく過程が心地よい。
  • 天の瞳 幼年編II
    子供の頃から大好きな灰谷さん。
    大切な、素敵な言葉が沢山詰まっている本。

    登場人物の子供も大人も真っ直ぐで、真摯に生きている。
    真っ直ぐすぎて胸が少しチクッとしてしまう。

    ついこの間、主人が娘に『悪いことはするな!』
    と説教をしていました。
    その瞬間、スイッチが入ってしまい
    『じゃああなたは悪い...続きを読む
  • 少女の器
    離婚家庭で暮らす思春期の少女・絣。一緒に暮らす母は奔放な恋愛を繰り返し、絣はたびたび傷つきながらも日々母への理解を深めてゆく。
    そして傷ついた時に絣を癒してくれるのは、版画家である別れた父だった。
    絣、両親、そして不良のボーイフレンドを主軸に、彼女たちを取り巻く少し変わった人たちの物語。

    自分も離...続きを読む
  • ワルのぽけっと
    最近、授業力、統率力に傾倒していた教師観が揺さぶられる一冊。古き良き時代、今同じことをやれば、時代錯誤なのだろうが、やはり子どもと対等に立てる教師には憧れる。子どもにとって、力がつくか否かは多分、あまり問題ではないんだろうな。潤沢な思い出が、幼少時代を彩ることは、本当に貴重なことだろう。それを大人の...続きを読む
  • 砂場の少年
    自分が子供時代は、学校から規則を押し付けられること、言われたとおりに授業を受け、試験を受けることに特に違和感を覚えず、黙々と従っていた。今改めて大人の目線で見ると、明らかに子どもの個性を押しつぶしているし、それに黙々と従う子どもは気持ち悪くも思える。
    本書を読むと、そのような教育現場での理不尽さがよ...続きを読む
  • 天の瞳 幼年編I
    小学生の頃から大好きだった灰谷健次郎。
    天の瞳も何度か読んだことがあるのですが再読。

    子供の頃読んだ時の印象と、大人になり母の立場から読むのとでは、目線が違うので当たり前ですが
    全く違った小説となりました。

    娘と接する時のヒントが得られれば良いなぁ。
  • 海の物語
    漁港に住む漁師の息子健太を中心に、真っ直ぐで、時に不器用で、だけど、どこか人間としての温かみを感じさせる人間臭いやりとりに、ジワジワっとあったかい気持ちになれる一冊。子供達の「素直な目」で見た世界感と、そんな子供たちを1人1人の人間として対等に接する大人達の、バランスが良いんだろうなー。灰谷さん、や...続きを読む
  • 天の瞳 幼年編II
    灰谷作品はやはり特徴がある。使われてる言葉は子供でも理解できるようなシンプルなものなんだけど、大人が読むと味わいと感じるような感じ。

    幼年編は、ところどころに学校や教師の批判が含まれているが、ほんとにありそうな感じ。灰谷氏自身の経験が含まれているのだろう。
    嫌な大人に毒されることなく真っ直ぐ育...続きを読む
  • 海の物語
    千葉の海を通ったのに、一瞥もしないで海の本を読んでいたようです。海の生活の問題は、他人事でないな。

    灰谷健次郎さんの本は、小さい頃怖い印象があって、なかなか読めなかったのだが、残念なことをしたなぁ。(「兎の眼」の挿絵と灰色っぽい装丁、見たこともない「兎」の漢字が、何か恐ろしかった覚えがある)。登場...続きを読む
  • 林先生に伝えたいこと
    人を見るもどかしさへの耐性が灰谷先生の魅力。相手にゆとりを持たせるのが優しさであり愛情、そんなのを再確認できるよな本。
  • 兎の眼 (角川つばさ文庫)
    新任の小学校教師小谷先生が、
    子供たちや地元の塵芥処理場の住人との交流を通じて、
    本当に生きるという意味を見つめ直す物語。

    教室では一言もしゃべらず、衝動的に見える行動を繰り返す鉄三、
    その祖父バクじいさんの壮絶な過去、
    傍若無人ながら魅力的な先輩教員の足立先生、
    処理場の子供たちの闊達さ、逞しさ...続きを読む
  • 天の瞳 最終話
    灰谷さんが亡くなっていたことを、この本が未完だったことで知りました。もっと先が読みたかったので残念です。信念をしっかり持って生き抜かれた方、まだまだ伝えたいことがあったのでしょう。
  • 兎の眼 (角川つばさ文庫)
    教育とは福祉とは何か、それ以前のことかもしれませんねぇ。大人でも子供でも読める本です。昔日本はこういう国だったと思いました。
  • 手と目と声と
    久しぶりの灰谷さん。色褪せないというか…何故大人になってもこんな世界を描き続けられるのか、とても不思議。大人になると忘れてしまう大切なことを覚えていて、それを作品にできる人。本当に惜しい人。もっと書き続けて欲しかったな。私も、絶対に忘れないと決めたことが沢山あったはずなのにもうほとんど思い出せない。...続きを読む
  • 砂場の少年
    脱サラ後に農場経営をしていた35歳の葛原順が、ある日妻の病をきっかけに中学校教師となり、「札つき」生徒たちの本音に触れ合うストーリー。

    以前読んだときは中学生で、葛原の教師とは思えぬ謙虚さに惹かれたけれど、今読み返すと、彼の謙虚さの裏側にある、揺るぎない自信のほうに惹かれていく。

    きっと、肩の力...続きを読む
  • 天の瞳 あすなろ編II
    人はひとりでは生きていけへん。
    じゃあどうやって他人と向き合うか、付き合うか。
    人それぞれと言ってしまえばそれまでだけど、こんな深く向き合うっていうのもあんだなー。と思った。
  • 風の耳たぶ
    本を読んで味わう優しさというものを学んだ。
    僕の将来を決めた一冊。  批評しきれない優しさを持っています。
    是非読んで、批評してください。