灰谷健次郎のレビュー一覧

  • 島物語II

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    島物語1の続き。

    マラソン、仲良しのおじさんの病気、震災などを通してますます成長していく子供たち。

    親がしっかり考えて生きていると、親の姿をみて子供たちも良い感じに育っていくものだと思いました。やっぱり親の責任は大きいかな。あとコロナの今、友達との遊びがすごく減ったり、友達と行っていたキャンプを控えたり、子供がとても可哀想に思った。早く思いっきり遊べるようになってほしい。

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    2020年09月26日
  • 島物語I

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    都会から田舎へ移住した家族の物語。

    さまざまな命に囲まれた自然の中で暮らしたいからと、子供たちの反対を余所に田舎への移住を決めた父。最初は反発していた姉弟共に、自然の中での暮らしを通して成長していく物語。

    この本もやはり家族の薦めで読んでみた。
    読んだ印象は「北の国から」を子供たちの目線で描いた本。自然の中で暮らすというか、引っ越しとか、様々な経験を通して子供たちが成長していく姿が描かれている。これはあくまでも物語なので、現実はこんなに良い感じで進むかはわからないけど、子供には色んな経験が必要だと感じました。

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    2020年09月26日
  • 天の瞳 少年編II

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    - シンナーとかレイプとか、先輩からさらっと説明される中学の荒れ具合が思った以上で、心配になる。これまでたとえやんちゃしてても大人達に暖かく見守られていた子供達が今後大丈夫なのだろうか、と。
    - 中学校の先生は相変わらずの残念さで。まあ小学校の先生もみんな最初はそんな書かれ方だったけど。この人たちに守ってもらえることはないんだろうな…と。結論いつも通り倫太郎頑張れとなる。
    - 倫太郎がメリケンサックでボッコボッコにされる描写と、園子先生が暖かい話をしてくれる描写が近すぎて、何とも言えない気持ちになる。

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    2020年07月19日
  • 天の瞳 少年編I

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    - 幼年編では夫婦の会話がおもしろかったけど、少年編では芽衣と潤子の話がおもしろい。大きな組織の歯車になっている自分の旦那たちを見て、男女格差があるからこそ、自分たち女の強さがあるという視点。意識すらしたことなかったけど確かに、と思った。そしてこれを男の作者が書いてるのもまたいい。作家という、歯車になりきらない立ち位置だからこそ、冷静に物事を見られるのかも。
    - 倫太郎とフランケンは相変わらず大人で、宿題を写したアズサに対しての言動とか、お節介と親切の違いとか、読んでいるこっちが勉強させられる。
    - 倫太郎がリエの部屋の前で話しかけるシーン。イケメンすぎて…。小学校入りたての頃、先生に怒られそ

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    2020年07月05日
  • 天の瞳 幼年編I

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    - 自分も保育園行ってたからか、親近感を持って読めた。おじいちゃんの保育園に対する姿勢がとても好きだし、自分も子供を通わせたいと思った。
    - 最初はただただ生意気で憎たらしかった倫太郎が、成長するにつれて一貫性のある意見を持っていく。それにどんどん引き込まれていくし、それを頭ごなしに否定する大人たちに、一緒になってムカついてきてしまう。小学校入学した時にはすっかり保育園の先生達と一緒にやまんば先生に腹たっていたw
    - フランケンをかばうのとか、普通の子供じゃなかなかできないし、人間としてかっこいい。
    - 両親の芽衣と宗次郎の会話が、不器用なりにとても建設的で、読んでいて心地いい。子供を中心にそ

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    2020年05月24日
  • 天の瞳 少年編II

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    暴力による非行が横行していたころの学校の姿。
    小学校での担任ヤマゴリラと、本音を話せる時間の共有から、制服や規則を守らせようとする中学校の先生とのいざこざまで、学校とか、先生のあり方を考えさせられる。
    制服を着てこない生徒にじぶんだったらなんていうだろう。
    制服を着てこない、規則を守らない、それだけで非行少年と認定して、その子の中身に寄り添えない、それは人と人の関係として、やはり何か異様なものを感じてしまいました。
    暴力に訴える少年たちに、少林寺拳法の使える倫太郎はどう立ち向かうかが見どころでした。
    人として誠実に正直に、そして主体的に生きていくことは難しいけれど、そうしようと賢明な倫太郎は確

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    2020年03月09日
  • わたしの出会った子どもたち

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    灰谷さんの生い立ちや子どもたちとのかかわりを書いている。灰谷さんって人格者の熱血先生って感じの人かと思っていたけど、この本を読むとそうでもなさそう。冒頭の若くて仕事がなかった頃の話なんてなかなか壮絶。精神的にも荒んでいた感じがするんだけど、それがどうして子どもたちの本当の姿をちゃんと見ることができる人になれたのだろう。
    ガムを万引きしちゃった女の子と向き合った話が出てくるんだけど、昔の傷を思い出してしまった。私も友達の家からなぜか雑貨を隠し持ってきて母に諭されて白状したことがあったなあ。そのとき怒られなかったけど、母が悲しかっただろうことが今なら想像つくし、その後同様のことをせずに生きてこられ

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    2020年02月17日
  • 天の瞳 少年編I

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    この時の教育事情と、現在の教育事情は違うものだとわかっていつつも、やはり惹かれてしまう、灰谷さんの教育観が透ける。
    久しぶりに続きを読んでみて、一人の大人として、教育者として襟を正したくなる。

    今回のお話では、倫太郎の友人、タケヤンの家庭事情が明らかになります。
    思った以上にもつれているように思える家庭。
    ですが、倫太郎やフランケンの、家庭のあり方、タケヤンの姿勢、男女関係の捉え方が、世間の常識とはまた違ったところにあるのがとても面白い。

    リエの不登校の問題も浮上。
    今時の不登校とは違うが、お節介と親切の違いは深く考えさせられる。
    結局、根本的解決にはならなくても、誰かがなにかを言ってくれ

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    2020年02月05日
  • 天の瞳 幼年編II

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    じいちゃんの死、あんちゃんの少林寺拳法の指導、などなど、倫太郎のいる環境が変わっていきます。
    幼年編1では親世代や先生の視点で描かれていくことも多かったのですが、より倫太郎の視点から物語が進み、内面の成長が鮮明に描き出されています。

    人の心を見る目を持つ。
    どんな人と接するときも、心の目をもって、全身全霊で相手の心に問いかける。

    描かれていることは、古い道徳観かもしれませんが、静かにずっしりと人間性に問いかけてくる、とても生きること、人と接することに真摯な気持ちにさせられる本です。

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    2019年12月25日
  • 天の瞳 幼年編I

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    灰谷さんの作品三作目です。
    根底にある教育的な視点がとても印象的な小説であることは、「兎の眼」「太陽の子」と変わりません。
    教育的ではあるけれど、それは厳しいものではなくて、人に対する、深くてあたたかな姿勢があって、子供を育てる人に対しても優しさを感じずにはいられない。
    それと同時に子供を育てることに対する真摯な姿勢も、やはり感じます。

    幼稚園時代から小学校時代まで、倫太郎という、いわゆるちょっと困った子になりそうな、そんな子供を中心にしたお話です。
    倫太郎のものの見方や考え方はとてもユニーク。
    どこか芸術家的なものも感じられます。
    率直に思ったことを話す倫太郎です。

    当初はつかみどころの

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    2019年12月17日
  • 兎の眼 (角川つばさ文庫)

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    泣いた。
    膵臓食いに続き、またしても電車の中で、人様の前で涙。
    やーめーてーよー...いい話すぎるじゃんか。
    ほっこりというか、じんわりというか、心温まるいい話。

    どうだコノヤロ泣けるだろう、とグイグイくるのではなく、
    じんわりじんわりきて、ふいに訪れる涙。

    もーこういういい話は皆さんに読んでもらいたい。
    汚れた心が洗われます。

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    2019年07月24日
  • 天の瞳 最終話

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    ネタバレ

     いよいよ主人公たち(中学生4人)が中学校の先生をどう変えていくか...というところまで来て、作者の筆が止まってしまった。うーん、残念。
     60歳直前になった私にとっては、「天の瞳」でここまでに登場するじいさんたちがカッコいい。

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    2019年01月06日
  • 兎の眼

    購入済み

    ほっこりと人間的に成長できる

    担任の若い先生・子供たちが、問題児との交流を通してさまざまな困難を乗り越えながら、その親たちを含め、まわりの皆が人間的に成長していく過程が心地よい。

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    2018年08月20日
  • 天の瞳 幼年編II

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    子供の頃から大好きな灰谷さん。
    大切な、素敵な言葉が沢山詰まっている本。

    登場人物の子供も大人も真っ直ぐで、真摯に生きている。
    真っ直ぐすぎて胸が少しチクッとしてしまう。

    ついこの間、主人が娘に『悪いことはするな!』
    と説教をしていました。
    その瞬間、スイッチが入ってしまい
    『じゃああなたは悪いことを全くしないのか。あなたの中での悪い事とは何か。自分の中にある悪い事とちゃんと向き合ったことがあるのか。』
    と逆に説教をしてしまい、シュンとさせてしまいました。

    私はまだ『悪いこと』を子供に説教出来るほど理解できていないので、そんなアホくさい言葉で子供と話せない。
    大人にとって都合の悪いことを

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    2017年03月31日
  • 少女の器

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    離婚家庭で暮らす思春期の少女・絣。一緒に暮らす母は奔放な恋愛を繰り返し、絣はたびたび傷つきながらも日々母への理解を深めてゆく。
    そして傷ついた時に絣を癒してくれるのは、版画家である別れた父だった。
    絣、両親、そして不良のボーイフレンドを主軸に、彼女たちを取り巻く少し変わった人たちの物語。

    自分も離婚家庭で育って、母と暮らし時々父と会う思春期を過ごしたから、重なるところがあるなと思いながら読んだ。(私は絣ほど父と頻繁に会っていたわけではないけど)
    絣は思春期らしくとても繊細で傷つきやすいのだけど、発する言葉や思想がびっくりするほど大人びていたり、哲学的だったりする。だけど大人と違って真っ直ぐに

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    2016年09月23日
  • ワルのぽけっと

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    最近、授業力、統率力に傾倒していた教師観が揺さぶられる一冊。古き良き時代、今同じことをやれば、時代錯誤なのだろうが、やはり子どもと対等に立てる教師には憧れる。子どもにとって、力がつくか否かは多分、あまり問題ではないんだろうな。潤沢な思い出が、幼少時代を彩ることは、本当に貴重なことだろう。それを大人の視点で変えようとして、今の教育があるんだろう。どちらが本当の幸せの形なのだろうか。価値観が、移ろい行く。

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    2016年06月16日
  • 砂場の少年

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    ネタバレ

    自分が子供時代は、学校から規則を押し付けられること、言われたとおりに授業を受け、試験を受けることに特に違和感を覚えず、黙々と従っていた。今改めて大人の目線で見ると、明らかに子どもの個性を押しつぶしているし、それに黙々と従う子どもは気持ち悪くも思える。
    本書を読むと、そのような教育現場での理不尽さがよく分かる。
    登場する中学生は不良というタイプではないが、とにかく個性が強く、自分の意見をはっきりと述べる。このような中学生が実際にいるのかというのが素朴な疑問ではあるが、生徒を押しつぶそうとする教師、それに反発する生徒、生徒を理解し現状の教育現場に違和感を覚える新任の臨時教師、という構図にはすがすが

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    2018年10月30日
  • 天の瞳 幼年編I

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    小学生の頃から大好きだった灰谷健次郎。
    天の瞳も何度か読んだことがあるのですが再読。

    子供の頃読んだ時の印象と、大人になり母の立場から読むのとでは、目線が違うので当たり前ですが
    全く違った小説となりました。

    娘と接する時のヒントが得られれば良いなぁ。

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    2016年04月11日
  • 海の物語

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    ネタバレ

    漁港に住む漁師の息子健太を中心に、真っ直ぐで、時に不器用で、だけど、どこか人間としての温かみを感じさせる人間臭いやりとりに、ジワジワっとあったかい気持ちになれる一冊。子供達の「素直な目」で見た世界感と、そんな子供たちを1人1人の人間として対等に接する大人達の、バランスが良いんだろうなー。灰谷さん、やっぱり好きだなー。

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    2015年09月30日
  • 天の瞳 幼年編II

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    灰谷作品はやはり特徴がある。使われてる言葉は子供でも理解できるようなシンプルなものなんだけど、大人が読むと味わいと感じるような感じ。

    幼年編は、ところどころに学校や教師の批判が含まれているが、ほんとにありそうな感じ。灰谷氏自身の経験が含まれているのだろう。
    嫌な大人に毒されることなく真っ直ぐ育つ子供達の姿には救われる思いがする。

    話はまだ続くので最終的な評価はおってすることになると思う。と言ってもこの作品自体未完成のようだけど。

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    2015年08月20日