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両親が離婚し、母親と二人暮らしの少女・絣。未だに恋愛関係のもめごとが絶えない母親に対して、絣は時に大人顔負けの鋭い批評を口にする。しかし、その言葉の裏には、人一倍傷つきやすい心が隠されているのだった……。そんな絣のことを優しく見守る父、自らのひたむきな生き方で絣を導いてくれるボーイフレンド。様々な人たちに囲まれて成長する絣の姿をしなやかに描き、現代の家族のありかたを探る、魅力あふれる長編作品。
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Posted by ブクログ
読んでから10年ほど経ったが、未だにこの本のフレーズがふと浮かぶことがある。主人公の絣がとても魅力的で印象に残っている。
「太陽の子」や「兎の眼」も大好きだけれど、私の中で灰谷作品ダントツ1位はこれ。 絣の恐ろしく頑なな潔癖さと冷静過ぎる視線に初めて読んだ時は痛快さを感じたけれど、今になって読むと全然印象が違う。 心のどこかで「こんな子いたら、ヤダ」と思い始めているのは私が彼女の父母の年齢の方へ寄り始めた証拠だろ...続きを読むう。 触れるのが怖いとすら思う緊張感を、どうしてこんな風に柔らかく書けるんだろうか。 やっぱり人間への愛があればこそ、なんだろうか。 途中テンポが上がって話の進みが滑らかになるのは上野君が出てくるからだと思う。 彼が、すごく、いいんだ。
灰谷さんの作品の中で最も好きな本の一つ。一番はやっぱり太陽の子だけれど、そんなにしょっちゅうは会えなかったおばあちゃんが突然亡くなり、そのときにちょうど読んでいた本。おばあちゃんの兄弟でとてもきれいな字と、俳句を作る人がいて、この本に書いてもらった。いろんな意味で今でも大切な宝物。
中学生の時、絣ちゃんは、私なんだという錯覚に陥ってしまったのを、憶えてます。父にも、読んでもらった事があります。 こういう娘になりなさいって・・なったかなぁ〜私?
この人の本で一番好き。 小学3年で読んだときには理解仕切れなかった部分が年々読むごとにわかってきて深みを増した。
上野君と絣ちゃんの関係が大好き 大阪の男の子と東京の女の子 ぽけっとに手を入れるところ 最高。
決して子供が読むためだけの本ではない。親も子供を通して成長するということがよく描かれている。両親の離婚を経験した中学生の絣の、両親の狭間で動く、そして優しく繊細な心に感動できる
絣がすごくスキ。父親の優しさや母親とのやりとり。何度繰り返して読んでも面白い。 絣の繊細さがスキです。強いけど細やかなところ。
離婚家庭で暮らす思春期の少女・絣。一緒に暮らす母は奔放な恋愛を繰り返し、絣はたびたび傷つきながらも日々母への理解を深めてゆく。 そして傷ついた時に絣を癒してくれるのは、版画家である別れた父だった。 絣、両親、そして不良のボーイフレンドを主軸に、彼女たちを取り巻く少し変わった人たちの物語。 自分も離...続きを読む婚家庭で育って、母と暮らし時々父と会う思春期を過ごしたから、重なるところがあるなと思いながら読んだ。(私は絣ほど父と頻繁に会っていたわけではないけど) 絣は思春期らしくとても繊細で傷つきやすいのだけど、発する言葉や思想がびっくりするほど大人びていたり、哲学的だったりする。だけど大人と違って真っ直ぐにぶつけすぎてしまうところはやっぱり少女で、その危ういバランスがとても魅力的な女の子だと思う。 「パパとママはまるで違う性格だけれど、人間とか、人間の関係なんていろいろあるという考え方はいっしょでしょ」 こういう言葉に表されるように、絣は周りの人間のことをとてもよく観察して理解している。 そしてそれは絣の両親やボーイフレンドも似ているところがあって、人をよく見て理解して行動する、という温かさがある。 不良のボーイフレンドが幼馴染みで精神病を患っている女の子と接するシーンなんかにも、そういう感じがとてもよく出ている。ただ優しくするだけが相手にとって優しいわけではない、ということ。 腹立ちまぎれに勢いで放ってしまった言葉が相手を傷つけることとか、やってしまったことで後悔して嘆くこととか、家族間でもやってしまったりする失敗がたくさん描かれていて、子どもも大人も関係なく情けないところが愛おしく、そういうことを乗り越えながら人を理解していく感じが光る小説。 少女の成長の小説、というほど仰々しくはなくて、日々の様々な出来事の積み重ねで少しずつ大人になっていくようなささやかさが良かった。 ドキッとする台詞満載で、それは作者の哲学や思想なのだろうけど、放つ人間の世代や性別“らしさ”がきちんとあるから違和感がない。 久々に付箋を貼り付けたくなる小説でした。
灰谷さんの本は血のにおいがする。 濃くて熱い、親子や、友人や、恋人同士の間に流れる深い愛のにおいです。 出てくる人物のイキイキとした喋りが小気味良く、さくさく読める一冊。 でも内容はずしんと重い。
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