灰谷健次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
児童書?
いえ これは今の大人へのメッセージです
我が家のわりと近くに「太陽の子保育園」がある
神戸出身の灰谷健次郎さんが理想の保育園を目指して創設されたとか
昔読んだ本を再読した
〈 ふうちゃんが六年生になった頃、お父さんが心の病気にかかった。お父さんの病気は、どうやら沖縄と戦争に原因があるらしい。なぜ、お父さんの心の中だけ戦争は続くのだろう?〉
本当のやさしさとは?
絶望から?
沖縄にまだ平和はない
美しすぎる海
海岸に巨大な基地がどんどんつくられている
報道はない
神戸を愛し、何よりも沖縄を愛した灰谷健次郎
この本はもっと読まれるべきだと
≪ ひっそりと 考えるのよ かなしい -
Posted by ブクログ
ネタバレ"「学校の先生をやめます。きょうから、ただのオッサンになります。さようなら」"。この後書に辿り着くために読み始めました。
学校に通う中で出会うひとつひとつの出来事に触れ、向き合い、少しずつ逞しくなる小谷先生。子供達の成長がみずみずしくもあり、また、最後の闘いは何か人間の根本に触れているようで、心にシンとくるものがありました。心の素直さ、が描かれていました。
1番心が振れたのは、鉄三ちゃんの書いた文章を小谷先生が読めたこと。ふたりの関係の表れなのだなと。
少しずつでも毎日を積み重ねて生まれたつながりの強さは、彼らの等身大の姿でもありながらひとつ教科書のように尊かったです。 -
Posted by ブクログ
相手の立場、事情、気持ちを汲む。
その為に自分が出来る事を考える。
至って単純なのに、日々埋もれさせてしまっている事に、小谷先生や足立先生、子ども達はそれぞれの形でぶつかり、表現し、仲間としての信頼と思いやりを育んでいく。
それは、いくら時代が変わったとしてもあてはまる大切な心の在り方ではないでしょうか。
小谷先生が教育者として、一人の人間として成長していくにつれ、夫との”生き方の違い”は誤魔化しのきかないものとなってしまいました。
それが幸か不幸か、それを決めるのも自身の手にかかっているのでしょう。
日々生きていると、たくさんの感情が生まれ、付き纏います。
その沢山の中から、喜びと哀しみ、こ -
Posted by ブクログ
先生のキャラクターは人それぞれ多々あるけど、この作品では、各先生が誰を主語にして考えているかが、はっきり分かる。自分たちの身のためなのか、子供達のためなのか。
視座が高くなると、こんなにも子供達を信頼して待つことができるようになるのか。それを小谷先生が子供達と関わりながら成長していく中で、視座が高くなるにつれて言動が変わっていくのがよく分かる。
誰かを想い、誰かのために動く、こんな教育を小学校の頃から本気で取り組めていたらよかったなと心から思いました。
時代を経ても同じ課題を感じさせるこの作品は、もう一度読んだら、もう一歩深い部分で、西大寺の善財童子との関連を何か読み解けそうな気がする。 -
Posted by ブクログ
最近読んだ小説の中では久しぶりの5つ星。
もちろん「名作」とは聞いていた。初出版(1978年)直後の大学当時で既にその「好評」を耳にし「読んでみよう」と思ったものの、それから丸45年も経つまで一度たりとも書店で手に取ることも無かったとは。斯くも「読書は長く人生は短い」のだ。これからも、死ぬまでに一度たりとも手に取って読むことなく記憶にも残らぬ本が無限に存在するのだと思うと、本当に悲しくなる。
...そんな哀しさすら本気で感じるほど、読み終えるのが惜しいくらいに「いつまでもこの本の世界の中に居続けたい」と思える稀有な読書体験が味わえた。
中でもやはり主人公・ふうちゃんの超弩級の魅力に尽きる。少年 -
Posted by ブクログ
神戸の沖縄料理店に集まる沖縄出身の人々の過去の秘密や悲しみを、小学6年生のふうちゃんの目を通して描いた物語。
途中までは可もなく不可もなくと言った感じのやや重苦しい作品でしたが、キヨシ君が出てきてからはかなり面白かったですし、またいろいろと心に残る言葉の散りばめられた素晴らしい作品でした☆
最後のピクニックはめっちゃ泣けましたし、ろくさんの娘さんの話のほか、いろいろと心に残った言葉はありますが、なにげに一番心に残ったのは、ときちゃんという地味で目立たない女の子が先生宛てに書いた手紙。あと、重苦しい話も多い中、ギッチョンチョンとれい子さんのデートの話は最高に面白く、かつ、心温まる感じでした☆