灰谷健次郎のレビュー一覧
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もう自分の子どもと同じくらいのつきあいで、その成長を見守っている倫太郎たち。
中学校に入っていろいろあったことが全て彼らの血や肉となって、成長している。
ここからは、子どもとしてというよりも一人の人間として倫太郎たちのことを見なければならないと感じるくらい素晴らしい成長を遂げている。
倫太郎たちは、中学校の現状、体質をなんとか変えたいと仲間を募る。
1年生に素晴らしい団結力が生まれ、2年生のフィリピンの女の子でPTA会長の養女になっているルイも仲間として努力する。
それぞれが素晴らしい個性を発揮し、認め合い、倫太郎の周りは真剣に物事に取り組む子どもたちが増える。
そして、駄菓子やのばあちゃん。 -
Posted by ブクログ
子供の素直な疑問をストレートな表現でぶつけられると、それがあまりに的を得ているので、大人は返答に窮することがありますな。
オトナの世界には、「落としどころ」という、双方にとって都合のいい空間というか、そんなものが用意されておりまして、だからなのかはわかりませんが、納得のいくまで説明せずに曖昧な決断をしているように子供からは見えるのかもしれないし、実際にそうなのかもしれませんな。それを「そうだ」と指摘されたら「なんだと小童がー!」といきり立ったりして、どっちが大人なんだか・・・。
とかなんとかワヤワヤと意味不明の文章をまとめきれずに書き綴っておりますが、この本は、またしても素晴らしい内容 -
Posted by ブクログ
P141?―心に残っているものだけが大事。これを忘れたらあかんとメモしたり、コンピューターに記憶さえたから安心や、なんて考えるのは大間違い。そんなことばっかりしとったら、しまいには心が鈍くなるだけやなしに、心そのものが死んでしまいますやろ。―なかなかものを覚えられへん、すぐ忘れるからオレはダメやなんて思う必要はないよ。もの忘れが良いから助かっていると思うこと。世の中、あかんねん、あかんねんが多過ぎる。あかんねんは、すべてエエねんに置きかえるとよろし。けんか早いから、それだけ発散できてエエねん、とか、ものごとにだらしがないから、まわりの者はぴりぴりせんでエエねんとか。そしたら人はみな、値打のある
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Posted by ブクログ
P60?倫太郎たちの人間関係のつよさは稀有のものといえるのかもしれない。人々は誰も、そんな人間関係に憧憬を持つ。
その思いを持っても必ずしもそうならないのは、それを築いていく意志力と生活力のよわさが、克服されなくてはならない課題として多くの人々の中に横たわっているからで、倫太郎の仲間は、その試行錯誤の結果として人々のあこがれる果実を手にしたといえるだろう。
絆は与えられるものではなく、つくるものである。 ?
P224?「〜悪いことした者は、罰を受けたらいいというだけだったら、悪いことをした人は、ただ、さびしいだけで、自分のしたことを考えてみようともしないのじゃないないでしょうか。それから、