飴村行のレビュー一覧
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8年ぶりの粘膜シリーズ。そうそうこの感じ、と思いながら読んだ。戦時下という枷の外れた不穏な世界に旧日本軍と異形とが当然のように併存していて、世界観が極度にグロテスクなのに、適度にチージーで読む手がとまらない。調味のうまさに感心しながら延々とゲテモノを喰ってしまうような凄みがある。
本作もそんなウマみは相変わらずなのだけど、プロット自体はだいぶ平坦。どうも膠着しているらしい"大戦"の全容が一向に見えず行き先不明なので、常時グロやら笑いやらが放り込まれるのを待っている感覚がある。特にキノブ&戸田コンビがサービス精神旺盛すぎただけに、他のサブプロットは味気なく感じてしまった。
終盤、シリーズ1作目の『粘膜人間』を思わせる箇所があるが、そこだけ飴村行的成分が濃くなった感もある。単発でみると悪い作品ではないと思うし、飴村行にしか出せないテイストは間違いなくあるんだけど、読みながら「粘膜人間読み返したいな」と思ってしまったのも事実。 -
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今回の特集は、昭和に流行ったオカルトについてと小泉八雲さんの2本立てで、ユリゲラーさんや つのだじろうさんのインタビューも掲載されていました。
先月「緊急検証!THE MOVIE」を読んだばかりの私には、ユリゲラーさんが立て続けに出てきたから、懐かしいというよりも「ブーム再来!?」って勘違いしてしまいそうになる(笑)
加門七海さんが当時のご自身のことを「心霊現象のみに強い関心を抱いていた」って仰られてたけど、考えてみれば私もそうだったかもしれない。オカルト全般というより、心霊と超能力に惹かれてたから、夏休みには毎年「あなたの知らない世界」とかワイドショーの心霊写真特集を友達と観たりしてたし、ユリゲラーさんとか清田くんの出てる番組を口を開けて観てた記憶があります。
だから、オオケンの鼎談や三上さんと黒史郎さんの対談は、物凄く興味深かった。中岡俊哉さんの心霊写真集、背表紙見るだけでアホみたいに怖がってたのを思い出して懐かしかった〜
友達のお兄さんが持ってて、本が差してある本棚の前通るのさえも怖かった小学生でした(笑)
あと、これは今までの怪と幽でも思ってたことなんだけど。
村上健司さんの怪食巡礼のコーナー、いつも(って言っても3冊しか読んでないんだけど)写真が美味しそうでほんとに困ります(笑)
今回紹介されていた「かっぱめし」もそうで、いつか山梨に行ったら味処まんぷくに行きたい。。 -
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強靭で暴力的な三男 雷太に脅える長男 利一と次男 祐二が、河童と協力して弟の殺害を計画する話。
かなりパンチ力のあるグロテスク表現を多用しながらも、ただのエログロホラーでは終わらない叙述トリック的な要素もあり、かなり面白かった。
オチは、ここで終わるのか〜感も否めないけど、逆にズルズル長引かせるよりは簡潔でこちらに委ねる形のラストです。
エロやグロに偏軽偏重しただけの作品は正直かなりあるけれど、本軸であるストーリー構成が圧倒的に良く読み応えがあった。
この作品の中で唯一 美紀子だけが巻き添えを食らった感はある。
河童はあまりにも河童です。人間の常識が通用しない。でもクスリと笑えるキャラクターで良い。
つい眉を顰め、顔を歪めてしまう程には気持ちの悪い表現が多く、『髑髏』の幻覚描写では特に脳内での映像化を止めたくて堪らなかった。そう思えるホラー作品ってあまり無い気がする。
次は粘膜蜥蜴も読んでみようかな。 -
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ネタバレ飴村行の粘膜シリーズ。
ちょっとクセになる。
残虐行為の描写は相変わらずエグい。
今回も蜥蜴人間が出てくる。時代は太平洋戦争の初期。
町で唯一の総合病院の院長の息子である、月ノ森雪麿呂が主人公。
雪麿呂は国民学校初等科に通っている。
権力を傘に来た、その傍若無人さは子供とは思えない振る舞いだ。
雪麿呂に使える下男の富蔵は爬虫人である。雪麿呂に対して忠誠を尽くしている。
富蔵は子供の頃にナムールから日本へ連れて来られた。自分は生粋の日本人だと思っている。
雪麿呂の同級生の二人の堀川真樹夫と中沢大吉は雪麿呂の家に招待される。
その豪華な家と調度品の数々に驚きを隠せない。
真樹夫には軍人の兄、美樹夫がいる。美樹夫は少尉でナムールへ派遣されている。
ナムールには、日本軍に対するゲリラや巨大な虫や得体の知れない動物がうようよいる。そして、爬虫人の村人達との関わり。
美樹夫はナムールで二人の部下と共に、間宮という要人の護衛をすることになり、この世の地獄を体験する。この間宮がまた、ウンザリする程のゲスな男だ。
ナムールのジャングルでのゲリラとの攻防、巨大人食いミミズや巨大ヒルは出るわで、気持ち悪い。
雪麿呂の母が疾走して家には居ない。父は書斎に籠もりきりに成り部屋から出てこない。やがてその真相は明かされるが、そのどんでん返しが気持ち悪い。 -
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ネタバレ双子の兄弟、須川麿太吉・矢太吉が主人公。
時代背景は太平洋戦争の初頭から始まる。
今回は何故か子どもの「爬虫人」(頭が蜥蜴で体が人間)が出てくる。
兄弟が戦地のナムールから「爬虫人」を日本へ連れ帰る。
そして、「粘膜人間」にも出て来た、黒い外套に身を包んだ、顔が睾丸の瘤だらけの二頭身の神様「吉太郎」も出てくる。
何も無い空間にスリットが出来て、そこから現れる全身が真っ黒の人間が、矢太吉を殴りに現れる。殴った後は帰って行く。謎の現象。
今回も残虐行為の描写が出てくるが、「粘膜人間」ほどではない。エロ度も低め。
兄弟が関わる、使用人のヘモ爺や、子どもの爬虫人との会話には、何度も笑ってしまった。
寝る前に読んだせいか、変な夢を見てしまった。
ちょっとクセになる「飴村行」恐るべし。 -
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オールスター大集合の「粘膜」シリーズ第4弾。作品としてはスピンオフに近い、各々が緩くつながる5つの短編集。良い意味で悪趣味の内容と江戸川乱歩に通じるような不穏な世界観、そこに高度な文章力が重なって非常に纏まりある作品となっている。「鉄血」「肉弾」はぶっ飛んだ展開と残虐さが度を越してエログロナンセンスのギャグ漫画のよう。打って変わって「極光」「凱旋」はサスペンス色を強めて以降に繋がる展開を予感させる。個人的好みは「石榴」。終始うすら寒さと言い知れぬ嫌悪感を感じる展開は一級ミステリー。本書から得られる示唆は「あだ名に『やん』がつく奴には注意しろ」だ。
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「粘膜」は何ら関係ない点は置いておき、「粘膜」シリーズ第三弾。戦時下の不穏な雰囲気と理不尽な出来事、双子の兄弟のコミカルなやり取り、克明で残虐な描写。「ヘルビノ」や「ナムール」など前作とのつながりも感じさせる。もちろん「マラボウ」も(「グッチョネ」はありません)。ヘルピノ奇を衒ってるわけではなく、小説としてもエンターテイメント作品としてもレベルが高い。グロ耐性がある方にはおすすめしたい作品。暗澹として残酷な展開が続くが、それほど暗い雰囲気がなく読めるのは、何処か漂うコメディタッチとテンポの良さからだろう。ゆえにラストの展開はミステリー的なバッドエンドで、残り10~20ページで徐々に予想させる展開は衝撃的でやるせなさを感じさせる。前二作がラストのカタルシスがあったので、なんとも云えない余韻を残す。