飴村行のレビュー一覧

  • 粘膜蜥蜴

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    飴村氏の「粘膜」シリーズ第二弾。気味の悪い表紙と奇抜すぎる題名のせいでイロモノ感を感じさせるが(イロモノではあるが)、内容は洗練された文章と緻密に設計された物語で構成された作品。大日本帝国旺盛の第二次世界大戦中という時代背景もマッチしている。残虐や凄惨な事柄をリアリズムを持ってこれほど細緻そして的確に描写する著者の筆力に圧倒される。最後はしっかりと伏線回収がなされ、カタルシスも得られるので、不思議と読後感も悪くない。グロ耐性はそれなりに必要だが、エンターテイメント作品として上質なものに仕上がっている。

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    2024年07月16日
  • 粘膜人間

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    徹底して奇妙で残虐。そして意味不明。なのに惹き込まれる魅力は著者が持つ文章力と論理性ゆえだろう。想像しうる限りのグロテスクな殺戮シーンなのに、不思議な美しさと説得力を持つ。いずれの描写も詳述し曖昧な表現に逃げていない。決して楽しいお薦めできる作品ではないが「何か凄いものを見た」感がある。ラストは少年漫画のような清々しささえ感じさせる。
    これだけ仔細を余すことなく書き切る著者なのに。結局「グッチャネ」はふわっとさせておく。この歪んだユーモアセンスもなかなか好み。

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    2024年07月06日
  • 粘膜蜥蜴

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    意外にミステリ要素が強く新鮮だった。相変わらずどこまで本気なのかがわからない。トカゲ人間が存在する世界で種明かしをされたところで変な笑いしか出てこないんだよな。

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    2024年04月06日
  • ジムグリ

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    非常に好き。心に闇を抱えた主人公が、闇との相性がいい(意味不明)と言われジワジワと地下の世界に心を奪われていく様子と、住人の胡散臭さと地下世界の陰鬱なイメージとが相まって終始気持ち悪かった。ツチヘビとかシャーベとか妙にイメージしやすいモチーフでの飾り付けが見事。写実的な表現がうまいんだと思う。
    理解不能な部分も多く、博人のキャラのブレ具合は気になったけど、画の強さだけで楽しめた。初飴村行だったのでグロ要素の期待値の低さもあったと思う。

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    2024年03月26日
  • 粘膜兄弟

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    なんとも説明しがたいし、内容のある物語だとは思わなかったけども、引き込まれたし、続き気になったし、好きなんだと思う!

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    2024年03月16日
  • 粘膜兄弟

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    ネタバレ

    磨太吉、矢太吉、ヘモやん、
    吉太郎、ポン太、黒助、亀吉。
    可愛いユニークなキャラクター盛りだくさん。
    これらを見られるだけで大満足。

    展開は幸福と不幸を織り交ぜてながら
    不幸な方へ傾いていく。

    前作の『粘膜蜥蜴』のような愛のあるオチを
    予想していたが、力技のラストが少し残念。
    テンポが良く勢いのある疾走体験は同シリーズの
    白眉。

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    2024年03月13日
  • 粘膜人間

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    解説まで読み終わり、謎に面白かったなと思った後、ふと「ずたぼろぐっちょんになって死んでるっ!」って何だよと笑ってしまった。
    串刺し場面や、地底怪人Xの場面も、謎に言葉遣いが面白くなってしまい、グロをすっかり脇に置いて感心してしまった。信じられないくらいグロテスクなのに、スッキリ突き抜けてしまう本です。

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    2024年12月02日
  • 粘膜人間

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    10年以上前に読んだ本を再読。
    中身はないし、この本から何かを得るようなものではないが、エンタメとしてはやっぱり面白い。
    串刺しにするシーンは10年間ずっと印象に残っていた。

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    2023年02月26日
  • 粘膜人間

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    「頭おかしくなリュー」ってもはやなりそうになりながらも読む手が止まらなくなる
    なんでこの本面白いんだろ、不思議

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    2023年02月19日
  • 粘膜蜥蜴

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    月ノ森医院の御曹司・雪麻呂はその権力を笠に着る傍若無人な初等生である。同級生二人を招き自慢するものは医院の地下施設、死体を実験用に保存する惨憺たる光景だった。そして、もう一つのおぞましい光景。それは雪麻呂の世話人である富蔵という者、彼の頭は蜥蜴であった。

     粘膜シリーズ第二弾。角川ホラー文庫の上梓ながら推理作家協会賞を受賞した異色作である。年代は特に明言されていないが前作同様に戦時中のようだ。そして爬虫人という頭がトカゲの生物が受け入れられている。この奇天烈な設定をさも当たり前に展開するのも前作同様だ。
     とにかく繋がりの見えない事象の連続で第二章を終えて、どのように風呂敷を畳むのか心配にな

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    2023年01月10日
  • 空を切り裂いた

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    「読後正気を保っていられるか?」と言う点で、
    『令和のドグラ・マグラ』の帯は頷ける( ᐙ )



    飴村行さんの作品といえば『粘膜シリーズ』が大好き(〃´-`〃)

    粘膜シリーズは、蜥蜴人間や河童などが登場する、帝国時代の日本を舞台に軍人達や狂人達とバイオレンスな日常を描くエログロホラーシリーズです。(言い過ぎ?笑)

    あの世界観、たまりません♡⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅   )⁝


    この『空を切り裂いた』は世紀末を舞台にした、奇書『蘇る光』を巡って起こる、ある意味宗教的なお話。

    帯の『令和のドグラ・マグラ』は、読んだ後にあなたは正気でいられるか?!という意味かなと思います。

    理解がで

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    2022年11月28日
  • 粘膜蜥蜴

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    粘膜シリーズ第2弾!
    前作とあんまり関係ないけど…
    まぁ、何というか凄い世界ではある。
    そういう雰囲気は、前作と同じ…
    こういう世界は、やはり、帝国陸軍みたいな戦時中が合ってる感じ。

    何やねん!爬虫人って…
    何か召使い的に、雇ってるけど、こんな知性のあるの使うの怖い。
    グロいのオンパレードで、分かってはいたんやけど、凄い。
    そんな平気に人殺したり、生き返らせたり、更に切ったり付けたり…理不尽極まりないが…
    神様をあっさり冒涜してる感満載!
    何か昔、ホルマリン漬けの死体が浮いてくるのを沈めるバイトを思い出した…(都市伝説かも?ホンマにあるか不明…)
    しかし、これにハマるのが、我ながら…自己嫌悪

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    2022年11月13日
  • 粘膜人間

    購入済み

    恐ろしいけど面白い

    物語自体も物語を書く筆者も恐ろしく感じさせる作品。ですが、それを表現する言葉の一つ一つはとても繊細で、物語を掴むことは難なくすることができました。ホラー好きの方はぜひ!!

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    2022年08月21日
  • 粘膜人間

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    ネタバレ

    非常に読みやすい。

    長編作品ではあるが、話毎に視点もストーリーも変わるので飽きずに一気読みできる。

    ホラーとしては、現実離れした世界観でグロさもあり面白かった。第2章はミステリー的要素も良き。

    グロいと評判だったけれど、構えすぎたのかそこまでではないと感じた。痛そうだなあとは思う。
    登場人物が悪いヤツばかりで、「こいつも死んでほしいな、いや死にそうだな」と思ってるとそれが次々死んでいくので、結構スカッとする。

    しかし何より、「髑髏」の設定が美味しい!美味しすぎる。何となく「世にも」の「懲役30日」を思い出した。
    数分で効果が現れ、「死」を体験出来るなんて!めちゃくちゃ便利だし応用効かせ

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    2022年05月07日
  • 粘膜人間

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    面白い!気持ち悪い!

    ホラーのおすすめで書名を知って、ほぼ予備知識なしで読んだことでさらに面白さが加速した。
    これから読む人も何も知らずに読んでほしい。

    まず2人の兄が弟を殺そうとするんだけど、その弟は195cm、105kgある小学5年生で、ってところが冒頭の2ページなのでここから先は本編で楽しんでください。

    残虐な拷問シーンが取り沙汰されて「酔ってる」「露悪趣味」的に取られがちなのは仕方ないと思うけど、
    なによりこの小説の1番の恐ろしいところは無邪気さ!
    雷太や河童、清美のキャラクターにも単純であることや無邪気であることの恐ろしさがよく表れてる。
    暴力を振るうことに意味はない。
    全ては

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    2022年04月24日
  • 粘膜人間

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     2008(平成20)年刊。
     うーん、これは評価して良いかどうか迷う作品だ。エンタメ小説としてはとても面白いし、噂どおり文章もしっかりしているのだが、第2章の拷問の場面が凄惨すぎて読んでいてつくづくイヤな感じがし、倫理的問題から、これは人にはあまり勧めたくないものと感じた。
     アメリカのホラー映画でも、「ホステル」辺りのように「イヤな感じ」を徹底的に追求しようというような類のものもあり、そういうのは思うにたとえばラブクラフトの小説に見られる「恐怖」とは別のものであろうし、「おぞましい」が倫理上の「おぞましい」になってしまうと、私は本当に嫌な気分になってしまうのだ。
     近頃は他者を殺害しまくる

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    2022年02月14日
  • 爛れた闇

    購入済み

    伏線回収が秀逸だったことと、レビューを先に見ていたので、2つの話が後につながるとわかっていたのに、まさかと思う展開で先が気になり、一気に読んでしまうくらい面白かったです。

    #ドロドロ

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    2021年06月05日
  • 粘膜探偵

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    粘膜シリーズ第5弾。

    今回は犯人探しがメインです。
    いつものように時代背景は戦時中。
    主人公の鉄児が、噂の保険金殺人の可能性のある事件を調査していく。

    相変わらずの暴力表現多めで、シリーズに出てくるナムールに生息するヘルビノの女中。軍が拷問で使用する薬品「髑髏」も登場します。

    ナムールの昆虫や植物など想像できないのですが、イメージに留めているくらいが不気味さを増してちょうどいいのかもしれません。笑

    現実逃避して、飴村ワールドに浸っていたいが、今これが粘膜シリーズ最新。
    続きをくださいっ。

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    2021年05月11日
  • 粘膜蜥蜴

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    大本命、読むのが勿体なくて積読される悲劇の粘膜シリーズ第二弾。
    「河童」の次は「蜥蜴人間」 「髑髏」の次は「姫幻視」相も変わらずのぶっ飛んだ世界観に導入される密林の化け物達。30センチを超える蛭に人の腕を喰らおうとする巨大ミミズ 更にそれを食するテラフォーマーズ(G) 知らん方からすればハテナマークのオンパレであるこの世界観を一から説明したら世が明ける。夜では無いです世紀跨ぎます。

    物語は雪麻呂サイドと雪麻呂の友人の兄サイドで進む。雪麻呂Partでは自分のイタズラが過ぎて死んだ友人を別の友人に解体させ、自身の父の権力にて不慮の事故とし隠蔽しようとする雪麻呂の傍若無人な振る舞いで幕開。支配す

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    2021年03月10日
  • 粘膜戦士

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    「粘膜」シリーズ第4弾。
    求めるエログロの基本は変わらず期待通りでした。

    今回は短編集なのですが、シリーズに出てくる登場人物の前日譚のような話や、戦地ナムールやゲリラのルミン・シルタ、爬虫人など、ファンなら心地よい飴村行ワールドが繰り広げられています。

    危機迫る場面も、拷問シーンも、想像しやすい表現力で、とても読みやすく自然に世界観に入り込めます。

    続編は「粘膜探偵」
    脳味噌が休息を欲した時に読みたいです。

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    2020年12月11日