飴村行のレビュー一覧
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月ノ森医院の御曹司・雪麻呂はその権力を笠に着る傍若無人な初等生である。同級生二人を招き自慢するものは医院の地下施設、死体を実験用に保存する惨憺たる光景だった。そして、もう一つのおぞましい光景。それは雪麻呂の世話人である富蔵という者、彼の頭は蜥蜴であった。
粘膜シリーズ第二弾。角川ホラー文庫の上梓ながら推理作家協会賞を受賞した異色作である。年代は特に明言されていないが前作同様に戦時中のようだ。そして爬虫人という頭がトカゲの生物が受け入れられている。この奇天烈な設定をさも当たり前に展開するのも前作同様だ。
とにかく繋がりの見えない事象の連続で第二章を終えて、どのように風呂敷を畳むのか心配にな -
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「読後正気を保っていられるか?」と言う点で、
『令和のドグラ・マグラ』の帯は頷ける( ᐙ )
飴村行さんの作品といえば『粘膜シリーズ』が大好き(〃´-`〃)
粘膜シリーズは、蜥蜴人間や河童などが登場する、帝国時代の日本を舞台に軍人達や狂人達とバイオレンスな日常を描くエログロホラーシリーズです。(言い過ぎ?笑)
あの世界観、たまりません♡⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
この『空を切り裂いた』は世紀末を舞台にした、奇書『蘇る光』を巡って起こる、ある意味宗教的なお話。
帯の『令和のドグラ・マグラ』は、読んだ後にあなたは正気でいられるか?!という意味かなと思います。
理解がで -
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粘膜シリーズ第2弾!
前作とあんまり関係ないけど…
まぁ、何というか凄い世界ではある。
そういう雰囲気は、前作と同じ…
こういう世界は、やはり、帝国陸軍みたいな戦時中が合ってる感じ。
何やねん!爬虫人って…
何か召使い的に、雇ってるけど、こんな知性のあるの使うの怖い。
グロいのオンパレードで、分かってはいたんやけど、凄い。
そんな平気に人殺したり、生き返らせたり、更に切ったり付けたり…理不尽極まりないが…
神様をあっさり冒涜してる感満載!
何か昔、ホルマリン漬けの死体が浮いてくるのを沈めるバイトを思い出した…(都市伝説かも?ホンマにあるか不明…)
しかし、これにハマるのが、我ながら…自己嫌悪 -
購入済み
恐ろしいけど面白い
物語自体も物語を書く筆者も恐ろしく感じさせる作品。ですが、それを表現する言葉の一つ一つはとても繊細で、物語を掴むことは難なくすることができました。ホラー好きの方はぜひ!!
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ネタバレ非常に読みやすい。
長編作品ではあるが、話毎に視点もストーリーも変わるので飽きずに一気読みできる。
ホラーとしては、現実離れした世界観でグロさもあり面白かった。第2章はミステリー的要素も良き。
グロいと評判だったけれど、構えすぎたのかそこまでではないと感じた。痛そうだなあとは思う。
登場人物が悪いヤツばかりで、「こいつも死んでほしいな、いや死にそうだな」と思ってるとそれが次々死んでいくので、結構スカッとする。
しかし何より、「髑髏」の設定が美味しい!美味しすぎる。何となく「世にも」の「懲役30日」を思い出した。
数分で効果が現れ、「死」を体験出来るなんて!めちゃくちゃ便利だし応用効かせ -
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面白い!気持ち悪い!
ホラーのおすすめで書名を知って、ほぼ予備知識なしで読んだことでさらに面白さが加速した。
これから読む人も何も知らずに読んでほしい。
まず2人の兄が弟を殺そうとするんだけど、その弟は195cm、105kgある小学5年生で、ってところが冒頭の2ページなのでここから先は本編で楽しんでください。
残虐な拷問シーンが取り沙汰されて「酔ってる」「露悪趣味」的に取られがちなのは仕方ないと思うけど、
なによりこの小説の1番の恐ろしいところは無邪気さ!
雷太や河童、清美のキャラクターにも単純であることや無邪気であることの恐ろしさがよく表れてる。
暴力を振るうことに意味はない。
全ては -
Posted by ブクログ
2008(平成20)年刊。
うーん、これは評価して良いかどうか迷う作品だ。エンタメ小説としてはとても面白いし、噂どおり文章もしっかりしているのだが、第2章の拷問の場面が凄惨すぎて読んでいてつくづくイヤな感じがし、倫理的問題から、これは人にはあまり勧めたくないものと感じた。
アメリカのホラー映画でも、「ホステル」辺りのように「イヤな感じ」を徹底的に追求しようというような類のものもあり、そういうのは思うにたとえばラブクラフトの小説に見られる「恐怖」とは別のものであろうし、「おぞましい」が倫理上の「おぞましい」になってしまうと、私は本当に嫌な気分になってしまうのだ。
近頃は他者を殺害しまくる -
Posted by ブクログ
大本命、読むのが勿体なくて積読される悲劇の粘膜シリーズ第二弾。
「河童」の次は「蜥蜴人間」 「髑髏」の次は「姫幻視」相も変わらずのぶっ飛んだ世界観に導入される密林の化け物達。30センチを超える蛭に人の腕を喰らおうとする巨大ミミズ 更にそれを食するテラフォーマーズ(G) 知らん方からすればハテナマークのオンパレであるこの世界観を一から説明したら世が明ける。夜では無いです世紀跨ぎます。
物語は雪麻呂サイドと雪麻呂の友人の兄サイドで進む。雪麻呂Partでは自分のイタズラが過ぎて死んだ友人を別の友人に解体させ、自身の父の権力にて不慮の事故とし隠蔽しようとする雪麻呂の傍若無人な振る舞いで幕開。支配す