飴村行のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ飴村行という作家を知ったのは、2009年の年末ランキングで『粘膜蜥蜴』がトップ10入りしたことがきっかけだった。その後、粘膜シリーズはすべて読んだ。本作は、昨年刊行された、粘膜シリーズとして6年ぶりの新刊に当たる。
偶然読んだインタビューによると、近年の飴村さんは精神的に追い詰められて、書けなくなっていたという。一言で述べると、エログロ、スプラッターな作品でデビューした飴村さん。自分を含め、一部のファンには大受けしたが、飽きられやすい作風かなあとは思っていた。
あらすじがあって無きがごとしのこのシリーズ、今回もやっぱり戦時下の「パラレル」日本が舞台。主人公の14歳、鉄児が「トッケー隊 -
Posted by ブクログ
2018年、15冊目は、飴村行の粘膜シリーズ、最新刊。
今回、あらすじは、あえて省略いたします。
ナムール、ヘルビノ、……。あの粘膜ワールドが帰って来た❗
と、両手を挙げ喜んでイイものか……。
幻想世界、暴力、不条理、ブラックユーモア等々、飴村行、一流のエンターテイメント性は生きてます。一方で、『粘膜蜥蜴』『粘膜兄弟』で見られた、南方ジャングルでの冒険活劇要素はありません。個人的には『粘膜戦士』の一編を膨らませ、ミステリ寄りに仕立てた印象あり。その辺りが両手を挙げ、喜びきれない部分。
コレをスタートに粘膜シリーズ第二部開始するのかな❓ソレを期待させるような感じもしたのよね。顕著に感じ -
Posted by ブクログ
ネタバレ飴村行作品、初読み。
いきなり戦時中、上官に拷問されるおそらく脱走兵の物語で、非常に退屈しましたが、物語が1980年代と戦時中の物語を行き来する構成だとわかると一安心。
心配だったのは、角川ホラー文庫なのに、戦時中の拷問シーンと1980年代の青春物語が続き、一体いつホラーになるのか、でしたが、ちゃんとホラー的な終末を迎えてくれました。
1980年代パートの主人公の小学生時代のエピソードで、周りの子供達がジャンプの漫画を読んでいるのに、手塚治虫の漫画を読んでいた、というのが、まるで自分のことのようで非常に共感できましたね。
この作家さんは自分と同年代だし、読んでいた本や観てきた映画が自分と似てい -
Posted by ブクログ
著者の作品は一つも読んだことがございませんが(!)、このエッセイは面白かったですねぇ…! 僕も著者と似たような立場に居るため、←つまりは底辺労働者ということですが…共感できました。
ヽ(・ω・)/ズコー
今でもこのような酷い・過酷な職場ってあるのかな? とか思うんですけれども、どうなんでしょう? 派遣労働で言えばアレですよね、グッドウィル?だかなんだか忘れましたけれども、確かそのような会社が法的に違法だと判断されたと思うんですけれども、そのような判断がされる前、つまりは著者が派遣労働に従事していた頃っつーのはやはり、派遣会社に言いように働かされていたんでしょうね…。
ヽ(・ω・)/ズ -
Posted by ブクログ
『粘膜人間』で華々しいデビューを遂げたホラー作家、飴村行。しかしそこに至るまでは、聞くものみなをドン引きさせるほどの苦難があった。漫画家を目指し決死の覚悟で歯科大学を中退するも、あっという間に挫折。逆恨み精神満載でつづる現代版『蟹工船』。
あれだけ異形の小説を生み出すのだから、いったいどんな下積み時代を送ってきたのか興味深かった。‘逆恨み精神満載でつづる現代版『蟹工船』’という謳い文句には激しく同意するけれど、それなら芥川賞作家西村某だって同じはず。どうして飴村の体験が「爬虫人ヘルヴィノ」を生み出したのか?は結局わからなかった。
(B) -
Posted by ブクログ
2015年、52冊目は粘膜シリーズ以来の飴村行。
あらすじ:大東亜戦争中、東南アジアで大罪を犯した男が目を覚ます。彼は断片的に記憶を失っていた。記憶を取り戻すため、憲兵による拷問が始まる。一方、17歳の正矢、彼の母は先輩でありワルの崎山との愛欲生活に溺れ、幼なじみの親友の心配を他所に、絶望のうちに高校を中退。やがて夢の中で二人は交流を始めるのだった。
飴村流エンタテインメントの佳作。第15回日本ホラー小説大賞長編賞授賞時に審査員の林真理子を危惧させた、拷問描写。今回はスプラッターな色合いを強めてます。また、粘膜シリーズで見せた絶対的暴力や、人間の暗部も健在。張り巡らされた伏線回収も上手い。 -
Posted by ブクログ
―ーー高校2年生の正矢は絶望しきっていた。先輩で不良の崎山が23歳も年の離れた自分の母親と付き合い始めたのだ。ついに正矢は学校も退学してしまう。一方、独房に監禁された男が目を覚ました。どうやら大東亜戦争中の東南アジアで「大罪」を犯したらしい。そこへ謎の男が現れ拷問が始まる…。やがて正矢と男は互いの夢に現れるようになるが2人の過去には恐るべき謎が隠されていた!
「粘膜」シリーズの飴村行によるジェットコースター的な疾走感のあるスプラッタホラー
緻密な構成の中を、エログロ全開で突っ走る感じはこの人にしか書けないな。
ただ、終盤にもうひとひねりあると文句はなかったんだが……。そしたら同作者の『粘