飴村行のレビュー一覧
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粘膜シリーズ第5巻
今回の主人公は、十四歳の少年。
特別少年警邏隊という、軍が管轄する所属があり、そこへ主人公の鉄児が入隊したところから始まる。
相変わらず、暴力シーンは多い。
今回はエロシーンはほとんど無い。
時代設定も、やはり太平洋戦争初期の日本。
南国のナムール、爬虫人も出てくる。
今回のお話では妖怪は出てこないが、ナムールに生息する奇怪な植物が出てくる。
粘膜シリーズの前4部作と比べると、強烈なインパクトは無い。
作者は粘膜シリーズ前作までで、出し切ってしまった感があり、本作は少々物足りない。
最後は以外な面白い結末で終わる。少し笑ってしまった。 -
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ネタバレ短編集で、鉄血、肉弾、柘榴、極光、凱旋を収録。
時代は太平洋戦争の初期の頃のお話。
「鉄血」では、ナムールでの狂った大佐が登場し、軍曹の丸森清は大佐を殺害し、脱走する。
ここでも南方のナムール国が出てくる。
「凱旋」は、丸森清が日本に戻って来るが、脱走兵としての負い目が在る為、身を隠しての帰還である。そこへ、ある男に依り、捕らわれの身となる。
どの短編も戦時中の出来事で、少し狂った人々が登場する。
登場人物は残忍で、粘膜シリーズ得意の拷問、残酷描写のオンパレードだ。
どの短編も、これまでの粘膜シリーズの時代背景や場所、人物を継承していて、「ああ、あの人物か」と笑ってしまう。
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本作は第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞している。
この著者の本は初めて読んだ。
本作では三人兄弟の末弟であり、小学生でありながら、巨大な体と力を持つ雷太が主人公である。
雷太は長兄、次男と父親に暴力を振るい、家族の誰もが、その暴力には抗えなかった。
上の兄二人は雷太を殺そうと思い、その殺人を河童三兄弟に頼んだ。
時代は戦前の日本で、憲兵隊が出て来る。
憲兵隊のリンチの加え方もエゲツ無い。
この物語には、なぜか、河童や妖怪が出てくる。
ここに出てくる河童は怪力の持ち主で、知能指数は低い。
河童と雷太との会話のやり取りには、笑ってしまった。
河童はどこか憎めない性格で面白かった。
スプラッ -
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高校時代に粘膜人間、蜥蜴人間、粘膜兄弟の3作を読んでいたので、新作が出ているのを見て嬉しくなり手に取った。このシリーズはエログロとギャグチックな作風がなぜか上手くマッチしていて大変面白いのだけど、今作はエログロ抑えめで謎解き要素強めな印象でこちらも読みやすく良かったと思う。私は基本的には綺麗なものやかわいいものが好きだけど、同時に昭和の匂いがするような泥臭いエログロも好き。後者はあまり人様にお見せできるような趣味ではないので、今後もひっそりと嗜んでいきたい所存。粘膜兄弟と粘膜探偵の間に短編集の粘膜戦士も出版されているので、そちらも読んでみよう。
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ネタバレエログロな世界観の話を読むことはあまり無いので、新鮮だった。
○良かったところ
・2章の虐殺幻視。清美のキャラが立っていてとても良い。「髑髏」を打たれた後の幻覚に深層意識が現れていたことが、終盤に判明してくるところは、読み応えがあった。幻覚の中でも、強い精神性や決意が垣間見られるので、どういう人間かがよく描写されていたと思う。清美という人間の解像度だけやけに高い。実兄との関係についての記憶が蘇るシーンも非常に良い。(中学生で豊満な肉体、拷問により廃人、そして近親相姦という設定で出版できる事に驚いた)
・溝口一家がちゃんと全員死んだところ。わりと淡白に死んだので、作者のお気に入り度の差かな?と感 -
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粘膜シリーズ第三弾。
戦時下を舞台に山奥でひっそり暮らす兄弟とカフェで女給として働く一人の美女。三角関係の恋路は戦争をきっかけに大きく動き出す。ナムールへの出向命令、現地で出会う爬虫人、そして時折現れる黒い影の正体は何なのか? ホラー、グロテスク、SFそしてラブロマンスを加えた物語はとんでもないラストへ。
まともな話だと思ったんですよね途中までは、そしたらいきなり異空間から黒い影があらわれるんだからびっくりしちゃう。河童と蜥蜴はまだ説明がつく存在だったんですけど今回はいよいよ分からない。そして舞台はまたもや戦時下最前線のナムールへ、話もぐちゃぐちゃだし体もぐちゃぐちゃになったところで盛大なネ