あらすじ
占領下の東南アジアの小国ナムールで、大佐から究極の命令を下された軍曹。抗日ゲリラ、ルミン・シルタと交戦中、重傷を負い人体改造された帰還兵。複雑な家庭事情を抱え想像を絶する悲劇に見舞われる爬虫人好きの無垢な少年。陸軍省の機密書類を盗み出そうとして捕らわれた2人の抗日分子。そして安住の地を求めて山奥に辿り着いた脱走兵……。戦時下で起こる不可思議な事件。目眩く謎と恐怖が迫る、奇跡のミステリ・ホラー!
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「変態!」を褒め言葉と受け止める人種のための短編集と言えましょうか。こういう作家がいてくれるだけでホラーファンとしてはありがたい、、、へもやん大好き!
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変態的気持ち悪さはそのまま。
相当の資料を読んで書いたテーマである。
本筋とは関係無いが「兄」に早く死んでくれと願う心理、これは戦時中にあった独特の空気を理解出来る人には、極上のホラーである。
小松左京「召集令状」の雰囲気が持つ不気味さがあった。
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オールスター大集合の「粘膜」シリーズ第4弾。作品としてはスピンオフに近い、各々が緩くつながる5つの短編集。良い意味で悪趣味の内容と江戸川乱歩に通じるような不穏な世界観、そこに高度な文章力が重なって非常に纏まりある作品となっている。「鉄血」「肉弾」はぶっ飛んだ展開と残虐さが度を越してエログロナンセンスのギャグ漫画のよう。打って変わって「極光」「凱旋」はサスペンス色を強めて以降に繋がる展開を予感させる。個人的好みは「石榴」。終始うすら寒さと言い知れぬ嫌悪感を感じる展開は一級ミステリー。本書から得られる示唆は「あだ名に『やん』がつく奴には注意しろ」だ。
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「粘膜」シリーズ第4弾。
求めるエログロの基本は変わらず期待通りでした。
今回は短編集なのですが、シリーズに出てくる登場人物の前日譚のような話や、戦地ナムールやゲリラのルミン・シルタ、爬虫人など、ファンなら心地よい飴村行ワールドが繰り広げられています。
危機迫る場面も、拷問シーンも、想像しやすい表現力で、とても読みやすく自然に世界観に入り込めます。
続編は「粘膜探偵」
脳味噌が休息を欲した時に読みたいです。
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ファン待望の新しい粘膜本。
見つけた時は狂喜しました。
中でも『肉弾』。
俊夫少年の言う「兄様、頼むから早く爆発してくれ・・・・・・」という願望が、
他のどんなグロテスクな描写よりこの人の狂喜めいた世界観を物語っていると思います。
この「早く爆発してれ」は「リア充爆発しろ」的な意味じゃなくて本当の物理的な爆発の意味。
ゆえに狂気!
この話の後日談が読みたいな。
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前3作ですっかり粘膜の虜になっていたので期待ワクワクの新刊!この表紙のロボットもどきはお兄ちゃんだったのね~。ベカやんヘモやんも驚きの登場で粘膜ファンなら拍手喝采でしょう。あとは懐かしい面々の名前も出てきて嬉しい限り。粘膜では初めての短編。でもリンクしてるところもあり、さすが飴村行!次回作も超期待です。
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占領下の東南アジアの小国で、大佐から究極の命令を下された軍曹。抗日ゲリラと交戦中、重傷を負い人体改造された帰還兵…。戦時下で起こる不可思議な事件を描くミステリー・ホラー。
短編5篇から成る。ナムール国、ベカやん、ヘモやん、爬虫人…と、飴村作品でおなじみのキャラクターがところどころに登場する。個々の作品の完成度はこれまでの長編に比べると物足りないが、「飴村色」の濃さはかなりなもの。巻末の解説に、作者に取材したこれまでの作品の創作経緯が書かれていて、それも興味深かった。
(B)
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帯に「猛毒ミステリ・ホラー」と書かれているが、猛毒さを描くためにミステリやホラーの手法を使用しているような印象であります。
過去の粘膜シリーズと同じ世界観ですが、しかし全く飽きない圧倒的な気持ち悪さ。人体破壊なグロい描写も然ることながら、肉食のムカデを鼻に入れる拷問とか、もうたまらない気持ち悪さにゾクゾクきます。
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「粘膜シリーズ」の4作目で、5つの短編が収められています。
1話目の『鉄血』から、「あ!」と驚かされます。
この人は…あの人ですよね?
他にも、いかにも粘膜!な話が続き、4話目の『極光』では、『粘膜人間』のアノ二人が登場します。
そして更に、アノ老人までもが現れ、不思議な対決?が。
やはりこの人、最強ですね。
5話目の『凱旋』は、1話目の後日譚で、『粘膜人間』の少し前、の設定のようです。
どの話も、凄く面白くて、一気に読み終えてしまいました。
でも、一番好きなのは、『石榴』かな…。
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短編集で、鉄血、肉弾、柘榴、極光、凱旋を収録。
時代は太平洋戦争の初期の頃のお話。
「鉄血」では、ナムールでの狂った大佐が登場し、軍曹の丸森清は大佐を殺害し、脱走する。
ここでも南方のナムール国が出てくる。
「凱旋」は、丸森清が日本に戻って来るが、脱走兵としての負い目が在る為、身を隠しての帰還である。そこへ、ある男に依り、捕らわれの身となる。
どの短編も戦時中の出来事で、少し狂った人々が登場する。
登場人物は残忍で、粘膜シリーズ得意の拷問、残酷描写のオンパレードだ。
どの短編も、これまでの粘膜シリーズの時代背景や場所、人物を継承していて、「ああ、あの人物か」と笑ってしまう。
短編ゆえか、無理にお話を終わらせている感が有り、ちょっと物足りない。
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2話目の『肉弾』は長編で読みたい作品だった。
命令を下した後、想像以上の力を持つ機斥兵に翻弄される主人公を見てみたかった。
「頼むから早く爆発してくれ......」で終わるラストが素晴らしかった。
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いやはや相変わらずのグロでエロの粘膜シリーズ。
短編集だから読みやすかった。
この人の本って全体を通して何とも言えない世界観が統一されているなあ。
「石榴」が面白かった。
あとタイトルのも。
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相変わらずとっかかりがドイヒーだな。それをさらに泥沼化させて、最後はなぜかきちんと着地してみせる。短編だから暴走が足りない気もするが、これまでの記憶と結びついてビビっとくる。
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粘膜シリーズ肆作目。初の短編集。全伍編。
前参作の前日譚「鉄血」「凱旋」。
『粘膜兄弟』と並行する『極光』。
新キャラ(?)機動斥候兵が登場する(初の?)絶望系「肉弾」。
時系列的に「肉弾」に続き、『粘膜蜥蜴』~『粘膜兄弟』の爬虫人活躍の「石榴」。
粘膜シリーズ参作を読んだ方々には違和感なく受け入れられるだろう世界観の中で描かれてます。
個人的には、ミステリー的テイストもある「石榴」が一番好きかな。
この流れで、銀座のカフェーで実はゆず子と蘭子が…。とか、死体置場の徳一とヘモやんの倒錯者二人の間柄は…。みたいなの期待しちゃうのは自分だけ?
短編集だけに、ちょっと性急なものや、もっと膨らませて欲しかったものもあるのが★に影響。しかし、テンポも良く、充分コレもあり。
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粘膜シリーズ?の短編集。実は…的な話が面白い。ん?と思う部分もあるが、細かいとこは気にさせない勢いが凄い。なんとなくだけど、飴村さんと言う作者が本当に楽しんで書いてるのかな…なんて思ってしまう。なんだかよくわからないうちに引き込まれるのは、そこんとこか。
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粘膜シリーズ初の短編集。
相変わらずグロい描写が凄まじいが、これまでの長編よりも物語性に富み、ストーリー自体はどこか物悲しさを感じさせてよかったと思う。
でもやっぱりスプラッタな拷問は苦手。
Posted by ブクログ
相変わらずの飴村節全開でぶっ飛んでるけど巧くまとめる。
粘膜シリーズ共通の世界観と他作品のキャラ登場はいい。
初短編集でどれもよかったが、長編に比べるとパンチに欠ける。