タイトルの意味を表す、「人間の心の奥底にはね、必ず爛れた闇が潜んでいるんだよ」というのは、登場人物の一人、慧爾先生の台詞。
河童も爬虫人も出て来ないけれど、粘膜シリーズと同じく、人間の中のどろどろとしたものを描いた小説です。
粘膜シリーズの醍醐味は、有り得ない設定を当たり前の事のようにさらりと書い
...続きを読むてしまっている所や、人間のどろっどろした内面、派手に飛び散る血飛沫等が描かれ、更に壮絶な拷問が続く・・・と見せかけて、絶妙のタイミングで挿入される笑い、と、思っているのですが、それらが、この作品ではかなりソフトになっている印象なので、粘膜シリーズのファンには少し物足りないかもしれません。
しかし、伏線はきちんと回収されて、うまくオチがついているし、面白いです。
それにしても、『粘膜兄弟』に続き、壮絶な兄弟喧嘩です。
後、水原さんが色々と報われなくてかわいそう・・・と思いましたが、飴村作品の中で報われる人がいる訳ありませんでしたね。