菊澤研宗のレビュー一覧
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[ 内容 ]
経験がものをいうのか、邪魔をするのか、成功体験にこだわるダメ上司。
部下たちの沈黙とモラルハザード、ダメ上司の下で働く部下たちのネガティブ反応。
思わずうなずく積極的ダメ上司、消極的ダメ上司。
ダメな上司の理不尽な行動を、理論と事例でわかりやすく紹介。
[ 目次 ]
第1部 ダメな組織にも合理性がある(ダメな組織をエージェンシー理論に当てはめると ダメな組織を取引コスト理論に当てはめると ダメな組織を所有権理論に当てはめると)
第2部 ダメな組織のダメな上司にも合理性がある(ポジティブにダメな上司の合理性 ネガティブにダメな上司の合理性 ダメな上司集団の合理性)
第3部 ダメな組織のダメな上司に仕える部下たちへ(ダメな上司と運命をともにする道 あえて、命令違反をおこなう道 ダメな組織のダメな上司を見捨てて、会社を去る道)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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軍事戦略論と経営戦略論との橋渡しをしつつ、次の次元の戦略論を展開しようとする意欲作。昨年出版の『戦略学』の姉妹本。
『戦略学』よりさらに分かりやすく、じっくりと理論を展開し、軍事の実例をひもときながら進んでいく。理論的には見事に構築されていると思う。
多分、多くの人が気になるであろうことは以下の2点。
・「限定合理性」の立場に立つ以上、「戦略の不条理」を完全に回避することは理論上不可能であること。
・実際のビジネスシーンを想定したうえでの理論展開なのか、純粋に理論を追い求めているのか。
経営学の究極の目的を何に置くか、結局はそこの問題な気がしてきた。 -
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完全合理的な経済人を仮定すると経済効率性と倫理的正当性が一致する。しかし、社会は限定合理性にあるため、一致しない。
そんな社会において、経営者が人間関係コストや取引コストを節約するという損得勘定によって意思決定を行うと、個別には合理的だが全体には非合理な選択をすることになります。
この経営者の判断は、カントのいう理論理性に基づく意思決定なので、正しさに基づく内発的な選択ではありません。なので、理性による義務である実践理論による意思決定をするべきというべき論になります
ここで、カントが出てきてげんなりした。そしてリベラルは要求水準が高いなと思った。経営者に倫理的正しさまでも要請する。
カントの厳しさは昨今は否定されている。カントは実践理性を尊んだが、人間がそれを有しているとかいっていない。後天的な理性によって有するようになるとのこと、なのでどこまでいっても義務論であり、事業をおこすためには必ずしも必要なものではない。なので外部からの制約であり、経営者自身が自覚するようなものではないのではないか?
他律的にユダヤ人を殺したアイヒマンも、自分の意思で殺したならば、潔く罰を受け入れ、みじめに命乞いなどしなかっただろう。と書いていたけど、たとえ自分の意思で遂行したとしても、死刑ならば醜く足掻くだろう、死ぬんだから足掻いても仕方ない。他人への要請があまりにも厳しすぎる
黒い空気の分析までは面白かったけど、理論理性ではなく実践理性にしろというべき論のところから急に他人への要求だけは高いリベラル臭がしてきた。 -
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戦略を「生物学や進化論に通じる「生き残るための積極的あるいは消極的方法」であり、「生き残るための知恵、生存するためのアート(技法)」であると定義したうえで、科学哲学者カール・ポパー等の考えを援用して、独自のキュービック・グランド・ストラテジーについて説明した本。
物理・心理・知性という3つの世界観、枠組みで事例を紹介するものの、現代においては、やや当たり前にも聞こえ、昔の戦争の勝敗分析を語るには役立つかもしれないかなという印象。
本の説明として、物理→心理→知性という順番で説明されているが、現実的な利用方法としては、知性で世の中を現状認識したうえで、物理と心理をどう組み合わせていく感じがスムーズと思う。
戦略論というよりも、組織論的に、一元的な見方だけで物事を考えるのではなく、また、世の中のフェーズの移り変わりを捉え続けることの重要性を理解する本として読めば良い。 -
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ネタバレ本書は多くのビジネスパーソンに愛されている野中郁次郎の代表作「失敗の本質」の続編にあたる。前作がいわば状況の
分析を通じて、日本軍という組織の特徴を洗い出し、その延長線上として日本式の組織と米系組織の退避を行うといった構造だったのに対し、本作はより直接的に、その組織でリーダーシップを振るっていた人間の分析を行おうとしている。これは野中の興味関心が組織そのものから、後年になるにつれてよりリーダーシップに移っていたことを反映しているだろう。
ただし本書の場合、野中一人で書いているのではなく実質者が複数にいるということで、ややテーマがぼんやりしてしまっているところがあるのは否めない。また、前作はかなりの時間をかけられて執筆されたことが伝わってきていたが、今作については出版社の企画ありきだったと思えるようなところもあり、完成度としては世の中の本の中では低い方に入るだろう。
特に第三章「リーダー像の研究」は、著者の思い入れがある人物を対象としたのか、取り上げられている石原莞爾も山口多聞も、神聖化されすぎている嫌いがある。
これでは研究というよりもむしろファンブックという感じで、かなり強引だったというのが本音だ。
もし、野中の後期の他の本を手にしていないのであれば、本作も読む価値はあると思うが、この代表作を既に手に取っているのであれば、無理して読む必要はないと感じてしまった。 -
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「企業戦略」本書は戦争からの学びを多く取り上げ企業戦略としている。それは3つの世界、物理的、心理的、それと知的側面から組み立てるというものだ。基本は「孫子」の5事7計:道・天・地・将・法/有道・有能・天地・法令・兵衆・士卒・賞罰であり、それと現代における知的(知識、理論、知恵)を噛み合わせる事だということだ。端的にいうと「自分を知り、相手を知り、迷いがない事」下記の事例の言葉がその内容だ。
・思慮が足りなく決死の勇気だけで戦うようなリーダーは殺される
・勇気がなく生き延びようとするリーダーは捕虜にされる
・短気なリーダーは侮られて計略に引っかかる
・清廉潔白なリーダーは罠に陥る
・兵士を厚く労わるリーダーは兵士の世話で苦労する -
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名著として名高い『失敗の本質』に衝撃を受け、こんな本を書きたい、という動機で執筆されたものだとあとがきに書いてある通り、結構似た印象だが、(執筆の2000年当時の)経営学、組織論の成果を太平洋戦争に当て嵌めたもので、まずまず面白かった。
加藤陽子さんの著作以来、「何故太平洋戦争を回避出来なかったのか?」というテーマの本はそれなりに読んでいるが、行き着くところは、このままジリ貧になるより、一か八かに掛けてみたい、という権力者側の発想と、コテンパンにやられるまで事実に気付けない一般人と、景気のいい戦争記事を書いていると新聞が売れることに胡座を書いて、事実を提供しなかったマスコミの、協働の結果なのだろう。
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ネタバレフランスが犯した失敗の本質を的確にした指摘した上で、物は、祖国フランスの救済策を次のように書いている
強くなること
敏捷に行動すること
世論を指導すること
国の統一を保つこと
外国の政治から世論を守ること
祖国の統一を撹乱しようとする思想から青年を守ること
治めるものは高潔のある生活をすること
汝の本来の思想と生活方法を情熱的に信じること
戦時体制のアメリカ政府は、統合参謀本部を始め、軍のポストに多くの民間人を起用した。それが知のバラエティーを豊かにし、組織にバランス感覚を植え付けたのだ
学校での成績が重視される10日システムに象徴されるように、日本軍の組織人事は極めて硬直的なものであった
羽を和ませ、気分を一新させる場合、ジョークやユーモアも必要だ。いざと言う時、こうした知の潤滑油を使うことができるかどうか。
失敗からいかに学ぶかこれは軍隊に限った課題ではない。贈収賄や談合、粉飾決算、個人情報流出問題等と、今なお企業不祥事が後を絶たないのは、組織の失敗の拡大再生産と言う負の連鎖に陥っているからだ -
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企業にはオーディナリーケイパビリティとダイナミックケイパビリティの二つがあると、言葉が難解。
よーするにルーティンの効率化、省力化や横展開による利益の最大化などの通常能力がオーディナリーケイパビリティ。
しかしながら、オーディナリーケイパビリティだけだと現実との乖離が発生してきて、イノベーションが必要となるし、それができない企業は市場から淘汰される、あるいは縮小する市場から次の市場へ移り(あるいは作り出し)生き残ることができなくなる。
なのになぜ企業はイノベーションできないで衰退するか?イノベーションのジレンマや取引きコストの高さなどをもとに説明がある。結局変化を嫌う組織の中で変えることのコミュニケーション含む取引きコストが高くなり合理的に企業は変化しなくなり衰退への道を辿る。
さらに規模の経済、範囲の経済だけでなく、共徳化の経済が重要になる。自社内にない資源との組み合わせ、また自社内にあるがそのままではこれ以上活用できない資源と他社資源の組みあわせによる価値創出である。
なので、正しさにかけるかもしれないけど、
1 変化しないことの方が異常だという組織文化を作る
2 外部からの建設的批判を活用して、常に問題解決を続けていく
3 上位下達の中央集権的組織でなく、自立的に判断し責任を取れる組織を作る
その上で、社外との積極的な連携をもとに共得化する経済を目指す。それらができる組織力をダイナミックケイパビリティと呼んでいる。
というような理解をした一冊。 -
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太平洋戦争の日本軍の失敗に学ぶ本
組織論などで現代にもじゅうぶん通じる、ということは普遍的、本質的な話なんだろう
日本企業の組織あるあるではあった
作戦が失敗した
アメリカ→原因を分析、次の作戦に反映
日本→「気合が足りない」「次は勝てる」
無謀な意見が出た
アメリカ→ロジカルに考えて判断
日本→「あいつは本気だ、やらせてやろう」
第一陣が敗退したら、、、
アメリカ→コンティンジェンシープランを持っている
日本→「失敗するわけない」「失敗を考えるのは異端だ」
今時こんな古い考えの組織もなかなかないとは思うが、
ゼロではないだろうと思う。
少なくともうちの会社も忖度とかあるし、「あいつがあそこまで本気なんだから、一度やらせてみよう」みたいなのはあると思う。
ただ企業であれば、最悪倒産で済むけど、
こと戦争では、そのしょうもない判断で、何千男万の人間を殺すことになる点は忘れてはいけないと思った。
戦史の勉強にもなってとても良い本だと思います。
ただ、かなり難解な文章も含むので眠くはなる。