佐藤さとるのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
コロボックル物語の本編最終巻。
前巻、不思議な目をした男の子を読んだのははるか昔なのだけど、そこではセイタカさん一家は遠景になり、これからはもうそんなに登場しないのかなと思っていたので、本巻でその後のセイタカさん一家や、昔の登場人物たちの成長した姿が語られていて、なんとも嬉しい。
本編の主人公は正子さんとツクシンボ。
二人の出会いの様子は(小さな人との出会いは)やっぱりワクワクする。
物語的に驚いたのは、本編中にコロボックル物語自体が登場すること。
これはいわばメタ構造なのだけど、この設定を書いたことはその後に影響したんだろうなと思う。
これは現実との折り合いという難しい問題を抱えること -
Posted by ブクログ
いやあ、懐かしいなあ。
久しぶりに読むコロボックル達のお話は、なんだか懐かしすぎて涙が出そうだよ。
つい先日、作者の佐藤さとるさんの訃報が届いたけど、それで買ったわけではなく、実はずっと積読本になっていた一冊。
読むきっかけはやっぱりその知らせだけど。
遥か昔、若かりし頃に読んだ第一巻『だれも知らない小さな国』は、まさに日本のファンタジーの始まりのような物語。
今でもコロボックル達が背高さんに初めて姿を見せる場面はソラで話せる。
そんな思い入れのある物語の本巻は、いわば番外編。
コロボックルたちの神話や昔話集だ。
人の世界で語り継がれているお話が、彼らの側から描かれるのが新鮮。
いろんな -
Posted by ブクログ
子どもの日に読むのに最適な一冊。
人に驚いてもらえないとしぼんで縮こまってごみになってしまうというお化けの話。
お話を作るのが大好きなのに、作文がちっとも書けないヒロシの話。
猫の道、屋上につながってしまう不思議な山の道の話。
子どもの世界に戻ったような気がした。
しかし、不思議なことに、私自身は子ども時代に佐藤さとるをほとんど読んでこなかった。
コロボックルのシリーズなどは家にもあったはずなのに。
なぜ食わず嫌いしていたんだろう。
村上勉の挿絵が苦手だった…(笑)?
いやいや、そういうわけではないけれど。
実はいくつか、そういうのってある。
なんの加減なんだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『だれも知らない小さな国』シリーズで知られた、佐藤さとるさんの日本の戦国時代を舞台にしたファンタジー。
与平じいさまのところに、大天狗がよこした子どもの天狗・九郎丸が住みつき、笛を教えることに。天狗の蓑がなければ、人間にもどれる九郎丸。与平は蓑を焼こうとして、失敗。大天狗に直訴して、自分の命と引き換えても、九郎丸を人間にして欲しいと言うが…。
わくわくする面白さでした。
のちに、九郎丸の生い立ちがわかり、武将の落としだねと知るが、第十一章から終章が駆け足に感じて、そこまでの、ワクワク感がスパッと切られて余韻に浸れなかったので、個人的に寂しい思いがしました。
しかし、物語は面白いです。