最初は武田鉄矢のような外見でどう考えてもサブキャラ(寒キャラ)で、悪役としてすら雑魚なんだと思っていたのに。
お母さんの手術のくだりから涙涙で、教授選が始まってからはもはや一番愛おしい存在に。
最後の手紙でも泣かせてくれました。
お医者さまになったのだから、本当の意味では決して凡人
...続きを読むなんかではないのだし(しかも大学病院の医局でそれなりに存在していられるのだから間違いなく医大の中でも良い大学を出てるわけで)、離婚してなお息子さんを医大に入れたお母さんを本当に尊敬する。こんな偉大なお母さんでは多少のマザコンは仕方ない。
マザコン駄目という風潮だけど、私はお母さんを大事にする人は昔から素敵だと思う。身近な人を愛せない人は離れた人だって愛せないんじゃないかと。お母さんは誰にとっても最初の一番身近な存在なんだし。まぁ私自身は母親とは微妙だけど。そして父親とも微妙だけど。だからこそ、芯から母親を愛せる人を素敵だと思う。
朝田の家族関係についてはあんまり語られなかったけれど、両親とは縁が薄かったような描かれ方だから、だからこそあれほど自由を愛するというか、束縛や執着や愛着を恐れるというか、そういう所があるのかもね。
いや〜タラブチ、凡人にすらなれない嫌な役を最後まで貫いてくれて。でもまた彼の成長を信じたいような、そんな素敵な終わり方でした。
漫画という才能の世界で生きるのはきっと大変な事なんだろう。医者という世界もきっと大変なんだろう。才能という非情なモノの切り取り方がリアル。作画の人は漫画以外もある程度器用にこなせる人なのかも。弱者へのエールはありつつも、妙なコンプレックスとか、苦しさは感じなかった。前向きでサラッとしてる。原案の人は色々あった筈。
途中の巻で伊集院くんが言っていた、普通が一番難しいのかもしれない。最後にスタンドプレーをして清々しく辞めていく人間よりも後に残る人間の方が大変だ、という言葉がグサリと来た。特別な才能がなくても、誰にも褒められなくても、倦まず飽かず普通を貫ける人間こそが実はスーパースターで、社会に必要な人間なんだろう。
凡人や凡人未満(ここ重要)を全力で応援する終わり方は、かつて天才を夢見てなれなかった私に優しく響いた。私も天才の仕事は天才に任せて、自分のできる事を見つけて、普通に頑張りたい。