金井美恵子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
冒頭いきなり「日本の男の子達のグループの歌声はキャンキャン、ニャンニャン、ヒィヒィ、という甘ったれた鼻声」「子犬と子猫と子ども(それも全員が少し音痴)が一緒にはしゃいで大騒ぎしているように聞こえる」だって!最初から大笑い。
こんな風に悪口が言えるようになりたいが、金井さんのような見識も覚悟もない身には絶対に無理。本書でもまあ見事な悪口が出てくる出てくる。自分もフン!と思う人(中田英寿・村上龍)がバッサリやられてるのが小気味いいのはまあ当然として、結構好きな人(ジュリー・田村正和)への悪口を読んでも笑っちゃうのが不思議だなあ。
金井さんの「天敵」ヒデさんについては、ご自身もお書きになっている -
Posted by ブクログ
一読してよくわからなかったので、二度読んだ。
結局わからないままだった。
感想を書く。
主人公たちは、道徳、善悪、価値観みたいなことに関わらず、こだわりなく日々を裏返しながら進んでゆく。
どこにでもある出来事の裏に、実は!みたいなことはない。いつもの日常をひっくり返しても、おんなじようなだらだらした日常だった。
誰かが誰かを好きにならない。
誰かが誰かを貶めない。
誰かが誰かを信頼しない。
誰かと誰かが喜び合わない。
誰かが誰かを憎まない。
そういう日々はとてもイノセントで、かけがえのないものではないでしょうか。
との問いかけなのかもしれない。
たぶん、よめてないなぁ -
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Posted by ブクログ
最初の二編『愛の生活』と『夢の時間』は、正直少し読みづらかったです。時間と場面が急にとんで過去の話になるなど、話を掴みきれず、私にはまだ早いのかもしれないとも思いました。
しかし、三つ目の『森のメリュジーヌ』からは、おもしろいと思い始めました。10~20ページ程度の短編の方が、濃密で独特な世界観に浸ることができました。
『森のメリュジーヌ』は、常闇の森のなか彼女をさがし、指を燃やすという、幻想的な世界が好きでした。
他に好きだったのは、『空気男のはなし』です。サーカスに出演する空気男モモは、“あたりまえの常識的な種類の食物を、無邪気に、ただ、驚くべきほどの分量の食物を、食べ(p212)” -
Posted by ブクログ
金井美恵子さんの、長い長い文のリズムが好きで、それが気持ちよくて、読んでいる気がする。
特に小説は、中身より文体が好きで、それから内容という順序。そんな作家は私には他にいない。
毒舌ぶり、人間観察の鋭さも好き。
それらはエッセイの方がより直接的なのでエッセイも好き。
その2つが組み合わさったこの作品。
もっと楽しめれば良かったのだが、ちょっと私の集中力が弱まっているのか、あるいはちょっとよくわからないところもどんどん飛ばして読んで行くいつもの元気さがなかったのか、何度読んでもわからないところがあり、いつもの心地よさより、難儀さ、自分のバカさを感じた。