朽木祥のレビュー一覧

  • パンに書かれた言葉

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    ネタバレ

    テーマも重たいから、少し悲しく怖いけど、感動します。
    大人も子供も読んだ方が良い物語りだと思いました。
    戦争では、家族や大事な人が亡くなってしまったり、辛い思いをしたり、悲しい事がいっぱいあるけれど、生きている人達がみんな仲良く力を合わせて(支え合って?)楽しく過ごしていたから、感動しました。

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    2024年06月25日
  • ねこもおでかけ

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    昭和では、飼い猫でも外を勝手にうろうろするのは当たり前だったけれど、最近は家の中で飼う方が、病気や事故のリスクがなくて良いという風潮になっている。本書はそれに真っ向勝負を挑んでいるようなお話(笑)
    朽木先生が昔を懐かしんで書かれたのだ。家にいるのが良いのか、自由に外へ出たいのか。猫に聞いてみたいものだ。

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    2024年05月30日
  • ぼくのネコにはウサギのしっぽ

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    どのお話もいい!
    子どもと動物という定番な組み合わせなんだけど、じーんとする。
    特に「おたすけ犬」がおすすめ。
    ペットを飼ってる人、飼ってた人、飼いたい人すべてに刺さると思う。

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    2024年02月23日
  • 八月の光・あとかた

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    繁内理恵さんの『戦争と児童文学』でくわしく紹介されていて、まだ読んだことがなかったので。
    さまざまなバージョンがあるようなのだけど、単行本に2編足したこちらの電子版を読みました。

    その日に起きることはだれもが知っているけれど、そこにはひとりひとりの事情があり、状況があり、けれどもそれがすべて「○十万人」という数字で述べられるだけの圧倒的な暴力の前になぎ倒されていく。すさまじいことだ。

    生きのこった者がまるで加害者のように自分を責め続ける「水の緘黙」がいちばん胸に迫ってきて何度も涙がこみあげた。

    「あなたでも私でもよかった。焼かれて死んだのも、鼻をもがれたのも、石に焼きつけられたのも。あな

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    2023年09月29日
  • パンに書かれた言葉

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    前半のイタリア編を読んでいたときは、まだ少しぼやーっとしていましたが、後半の広島編を読んでいるうちに、朽木さんがこの本に込めた思いがわかった気がしました。

    「伝えること」「声を上げること」

    の大切さ。

    あとがきにも、

    「戦争やヒロシマを描こうとするとき、心から去ら  
     ぬ問いがあります。
     物語ることが先か、伝えることが先か。
     伝えたい思いが募るあまり物語を損なうことがあ
     ってはなりませんが、しかし、どうしても伝えて
     いかねばならない〈記憶〉もあります。」

    とありました。

    将来を担う、一人でも多くの子どもたちに、この思いが伝わりますように。


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    2022年12月15日
  • 光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島

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    自分が被爆何世なのかは分からない。
    それほど時間が経ってしまっているということがわかる。
    そのような現代において、【被爆二世】の話を読むことは、意味のあることのように感じた。

    【被爆】と【被曝】

    【被爆二世】と【被曝者】

    文化祭というきっかけから、子供達が自分なりにまとめていこうとする姿は、心に響くものがある。
    作者もまた、被爆二世。
    そこが、またリアリティをかもしだしている。

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    2022年08月07日
  • かはたれ 散在ガ池の河童猫

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    以前からお友だちに勧められ、いつか読もうよもうと思いながら、ようやく読む機会が到来しました。
    こんな素敵な作品を、スルーしなくて良かった!!!!!

    ひとりぼっちの河童八寸と、お母さんをなくしたさみしさを、父の手前うまく表現できずにいる女の子麻。

    麻はお母さんからもらった愛でできている、とっても素敵な女の子。何が大切なのかたぶん誰よりも知っているけど、そのことを麻自身はまだきづいていないね。

    八寸は、家族がある日消えてしまい、その帰りを信じて待っている、たった8歳のこども河童。沼で生き残っていくために、猫の姿になって人間の世界に修行に出された。

    この2人の出会いの前に、情けない顔のラブラ

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    2021年11月28日
  • かはたれ 散在ガ池の河童猫

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    もう、もう、もう・・・
    涙、涙で読み終える。
    思い切り八寸を、麻を抱きしめたい。
    朽木さんらしい、鎌倉を舞台に、英国の香りがほのかに漂うような物語。
    美しい表現が盛りだくさん。

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    2021年10月19日
  • ぼくのネコにはウサギのしっぽ

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    「できのいいおねえちゃんと、ふつうのぼく」
    きょうだいで比べられることに嫌な気持ちを持っている子は少なくないと思うので、そういう子には特に共感してもらえるでしょう。そして、転じて人も動物も含め、全て見かけなどで判断してはいけないという気持ちも育つでしょう。

    なんて、教育的にとらえずとも、短めのお話3つとも、シンプルにおもしろく、またジーンとしました。

    読書の苦手な子にも勧めてみたい。

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    2021年06月06日
  • 光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島

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    5年教科書掲載本

    恥ずかしながら、「被爆」と「被曝」の違いを知りませんでした。

    ヒロシマ、そして原爆のことだけでなく、戦争そのものについても書かれていたので、一人でも多くの人に読んでほしい本。


    息子を特攻で失くした母親から、息子が好きだった女性の娘さんへの手紙ー

    「どうか、あなたたちの世代が生きる世界が平和でありますように。自由な心を縛る愚かな思想が、二度と再びこの世界に紛れこみませんように。健やかに成長され、生を全うされますように。」


    そして、ホロコーストの研究者たちが訴え続けているという言葉ー

    「加害者になるな。犠牲者になるな。そしてなによりも傍観者になるな」


    自分にも

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    2020年12月28日
  • 八月の光・あとかた

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    原爆に命を奪われたのは、ささやかな日常を生きているふつうの人たちでした。多くの命が一瞬で奪われることの恐怖、そしていつまでも消えない苦しみを静かに描いた連作短編です。10代に強くおすすめしたい、大人までみんなに読んで欲しい1冊。

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    2020年11月21日
  • たそかれ 不知の物語

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    「かはたれ」の続編。

    前作はとにかく八寸がかわいそうだったけど、この作品では失敗する様子もひたすら可愛かった。

    「こわくてあぶないのはむしろ、だれにでも見えるものしか見ようとしない人間たちや、目に見えるものしか信じない人間たちなんだ。」

    校長先生の話の部分、不知と司の別れの部分、そして最後もやはり涙が止まらなくなりました。

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    2020年09月20日
  • 月白青船山

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    ネタバレ

    鎌倉を舞台にした歴史がらみのファンタジー。
    鎌倉ならあり得るかもと思わせてくれる。

    代々伝わる古い屋敷での親元を離れた夏休み、と大枠は非常に古典的。というか、あちらの世界との行き来や導き手である謎の白猫も含めて、舞台設定は全体的に古典的かもしれない。でも、何か心をつかまれて、最後のほうは一気に読んだ。

    謎に迫っていく過程もかなりぐるぐるしていて、けっして鮮やかとはいえないし、大おじさんがいろいろ知ってそうなら、もっと早くきいてみればいいのに、なんて言いたくもなったけれど、夢か幻のようなことを正面切って訊くには、それなりの人間関係ができなくてはならない。バカにしないで話を聴いてくれる人だとい

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    2020年07月08日
  • 光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島

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    ネタバレ

    これは映画にしてほしいなぁ。ヒロシマの高校生が身近にいる大人の痛みにふれて成長していく物語。大人たちも高校生の表現に癒されて、新しい歩みを進めて行く様子が清々しい。読みながら、いろいろな情景が描けて、私の大切な一冊になりました。

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    2019年08月28日
  • 光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島

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    ネタバレ

    亡くなった方を「悼む」とはその人のことをいつまでも忘れずに、ずっと心に想い、伝えていくということ。
    この本は、中学生の主人公の希未(のぞみ)とともに、あの日ヒロシマで無残に命を奪われた無辜の民(天災を受けた罪のない人々)に想いを馳せる物語です。
    美術部員として、あの日の記憶を作品に込め語り継いでいこうとする希未は、あまりの悲惨さに口をつぐみ、心を閉ざした周囲の被爆者の声にふれることになります。

    献辞文の「世界中の小山ひとみさん」とは、ある日突然、大切な我が子を失くしてしまった世界中のお母さん達のこと。そのやり場のない悲しみと一生癒されることのない悲しみを想うと涙が止まらなくなります。

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    2019年07月16日
  • 八月の光・あとかた

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    五つ作品で、8月に読むべき。真摯、静謐というのがいつもこの著者の作品の読後感。まっすぐ深いところに届く物語。

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    2018年11月07日
  • 海に向かう足あと

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    ネタバレ

    公開されている粗筋と、途中途中で挟まれる不穏な世界情勢のニュースで、結末は予測できた。が、好きなことに打ち込む一人一人と彼らを取り巻く家族を知るにつけ、そんなはずはないと、そんな結末でいいはずがないと、ページをめくる手が鈍る。
    現実の世界と重なり、自分たちの未来を見る思い。どこでどうすれば避けられるのだろう。もうターニングポイントは過ぎてしまったのだろうか。

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    2017年03月04日
  • 海に向かう足あと

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    読まなきゃ良かった、と思うほど現実的な恐さのある話だった。
    もし同じような状況に陥ったとしたら、きっと首を振った老人のように家から動かずここで終わりたいと思うだろうな。

    それから人々がどうなったのか、わからないままページが終わるけど、少しも良い未来は想像できなかった。これから嫌でも関連のニュースや話題が目につくんだろうなぁ

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    2017年03月02日
  • 光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島

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    ネタバレ

    美術部に入っている希未は、お墓参りの帰りに、顧問の吉田先生の姿を見かけます。学校で見る先生とは違った後ろ姿だったのが気になりました。後日、先生の婚約者がピカに合い、遺骨は見つからず、櫛だけが残った話を聞きます。
    そして自分の周りには、知らない話がまだあることに気づきます。
    美術部で一緒の俊と、文化祭で「あのころの廣島とヒロシマ ~聞いてみよう、あなたの身近な人のあの日のことを~」のテーマで作品を作ることにします。

    希未は、吉岡先生の婚約者聡子の物語やお母さんの昔好きだった人との思い出。俊は原爆ドームをモチーフにした絵と、子どもが被爆して帰って来なかった須藤さんの物語の彫塑に。友人の耕造は、先

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    2014年09月09日
  • 光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島

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    鎮魂の書であり、戦争を知らない世代にも平和への思いを強くさせてくれる本。これは読み継がれなければいけない。

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    2014年01月24日