朽木祥のレビュー一覧

  • 光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島

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    朽木さん、またヒロシマの本を書かれたのだな、と思い手にとる。
    前読んだのはその当日のおはなしだったが、
    今回はあれから25年。
    被爆2世の時代のはなし。

    希未は毎年の行事である灯篭流しの夜、1人の老婦人に声をかけられる。
    あの日、多くの人が、一瞬で消えた。
    誰かを探している人が広島にはたくさんいるから、という言葉。
    お墓参りでみかけた美術の先生。
    いつものように起きて、ご飯を食べて、学校に行って、家族のいる家に帰る。そんなあたりまえの日常が、ある日突然途切れてしまった人たちが
    自分のすぐそばにいるのだと、気がついた希未たち。
    平和学習として、知識として知るんじゃなくて、実感としてあの出来事を

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    2013年12月19日
  • たそかれ 不知の物語

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    「かはたれ」の続きのお話。個人的には、「かはたれ」よりも好きかも知れない。だけどそれは「かはたれ」を読んでいればこそで、あぁあの時あの人はこんなことを思っていたんだとか、そんな風に時を過ごしていたんだとか、色々な人の視点で様々な出来事の背景を知ることができて面白かったです。そして不知と司の友情にウルっとし、校長先生のお話にも涙。戦争学習などの時などにも読んで欲しいお話だと思いました。

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    2013年04月03日
  • たそかれ 不知の物語

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    かわたれ は鎌倉郊外の散在ガ池に住む河童と人間の少女 麻 の物語でしたが、こちらは続編で、4年後の物語です。
    かわたれで知ることになったみんなに再会できて、その後を知ることが出来て幸せな気持ちになれるのは、やはり、よく出来た物語であることの証明です。
    前作で、河童の男の子に魅力にまいった人たちには、文句なしのお奨めです。といっても、これは蛇足で、そのような人たちはとっくに読まれていることでしょう。
    さらに、蛇足ながら、私たちが深い山の中に静かに佇む巨木を見上げて感じるあの独特の感覚、、「神秘的なもの、神々しいもの」を、存分に味わうことが出来ます。

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    2011年10月29日
  • たそかれ 不知の物語

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    前巻が「絵」なら今回は「音楽」がキーワード。八寸が家族と出会えて、ひとりぼっちの寂しさが埋められて、ほっとしながら読みはじめた。前巻よりも少し大きなテーマで対象年齢も少し上かもしれない。
    戦争の話が色濃くて、大空襲の話は胸が苦しくなる。作者が被爆2世だということを知ってしまっていたから、広島の原爆のことも重なって読めて、余計に苦しい気持ちになった。銀色の河童が本当に繊細で美しくて、帰ってこない人を待ち続けるのが切ない。
    音楽や絵や物語の持つ力の素晴らしさを謳いあげる本でもあった。本当に辛くて心に何も入りこむ隙間がなくても、いつかふとした時にすべりこむ。終章のその場面を泣きながら読んだ。
    私自身

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    2011年06月01日
  • ぼくのネコにはウサギのしっぽ

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    犬や猫という身近なペットと子供の無垢な関係が、生き生きと描かれている本。動物好きなら共感できるストーリーに涙なしでは読み終われない。それでもやはりペットっていいなと思える本。

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    2010年04月08日
  • たそかれ 不知の物語

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    「かはたれ」と「たそかれ」。

    似た言葉をタイトルに持つ『かはたれ』と『たそかれ』は、
    1冊1冊で完成しているが、
    『かはたれ』のストーリーを『たそかれ』が補完する形になっており、
    『たそかれ』まで続けて読むと、
    『かはたれ』で起こっていた出来事の意味がよりわかる、
    という構成になっている。

    著者が広島出身の被爆二世であることもあり、
    戦争について描いているところが『たそかれ』独自の特徴である。

    本書は、学校のプールで
    いつまでも誰かを待ち続けている様子の河童・不知の物語。

    『かはたれ』に続いて、八寸と麻も登場する。

    『かはたれ』から4年の月日が過ぎていた。

    八寸が今回与えられた使命

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    2010年01月02日
  • たそかれ 不知の物語

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    先行作品の「かはたれ」と違って、子どもが自分で読めるようになってから、本人に読んでもらいたい物語です。
    読み聞かせの場合、泣かずに読むのが難しいからです。

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    2009年10月04日
  • たそかれ 不知の物語

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    かはたれ、がよかったので続編も。
    かはたれよりもより広いはなしで、登場人物も多い。戦争の悲しいはなしもあるけど、河童と人間の交流が美しい。不知のかっこよさよ。

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    2024年09月20日
  • ねこもおでかけ

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    ねこが喋っていました。
    自分だったらねこの気持ちもわかるようになってねこと一緒にファッションショーしたいなと思いました。
    最後に犬も喋ってびっくりしました。

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    2024年07月04日
  • たそかれ 不知の物語

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    前編は「かわたれ」夜明け前の薄明かりに対して、この編は「たそかれ」夕暮れ時の黄昏。
    母を亡くした麻と河童の八寸の話に対して、20年前にやはり人間と親しくなった不知という河童が、長い歳月を得てもう会えないことを納得して、八寸と共に散在が池に帰っていく話である。
    会えない人間を待ち続ける不知の孤独を思って涙します。孤独の中でも暖かい思いやりをもらって少しずつ成長する麻。
    ほんわかいい話でした。

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    2024年03月16日
  • パンに書かれた言葉

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    ホロコーストと、広島の原爆と、福島の津波・原発事故とをリンクさせている物語。
    現代の子が、親族から聞く形で戦争、核、人権などを考えていき、違和感なく読むことができそうです。

    物語の設定がしっかりしていて、違和感なく、この3つの重大な災害を大雑把に捉えられるように思います。

    小学校高学年から読めると思いますが、内容が重いので、中学、高校、大人でも読むと気づく事が変わるかもしれません。
    厚みのある本で内容もあるので、これが読める児童には勧めていきたいと思いました。

    事実を物語に落とし込み執筆する中で、はまる沼が2つあると著者あとがきにあります。
    「文献沼」そして。「推敲沼」。
    ホロコーストや

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    2023年10月05日
  • パンに書かれた言葉

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    ヒロシマのこともよく知らないのに第二次世界大戦中のイタリアのことなんて知るよしもない。イタリアもなかなか酷い目に合っていたんだなあ…軍に抵抗する人たち、収容所に連れて行かれる人たち、処刑される前に血で書いたのは『希望』。戦争という災害がいかに愚かなのか、イタリアとヒロシマを通して考えさせられる。

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    2022年11月10日
  • パンに書かれた言葉

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    広島出身の父とイタリア人の母の間に生まれた“光”の名を持つ少女が主人公。イタリアと広島それぞれの戦争を書く。タイトルの意味は胸がしめつけられる。戦争を知らない世代に。

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    2022年10月14日
  • パンに書かれた言葉

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     主人公の光・S・エレオノーラ(エリー)は、広島出身の日本人の父とイタリア人の母を持つ。

     エリーは、母の実家である、エレナおばあちゃんがいるイタリアにしばらく滞在し、そこで、おばあちゃんの子供の頃あったこと、とりわけ、おばあちゃんのお兄さんであるパウロの話を聞く。

     エリーがそれまでほとんど何も知らなかった、イタリアでの、ナチスによるユダヤ人虐殺、イタリア人同士のファシスト政権と、それに抵抗する一般市民らパルチザンによる攻防戦の話だ。パウロはパルチザンの一員だった。パウロは捕まり、母が差し入れた1つのパンに、自身の血である文字を書いた後、処刑された。そのパンは、カチカチになって緑色のサテ

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    2022年09月03日
  • たそかれ 不知の物語

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     『かはたれ』の八寸にまた会えると思って、はやる気持ちを抑えながら読み始めました。八寸がまた麻やチェスタトンと再会出来ると思ってなかったので、それだけで心はハッピーに。

    『かはたれ』と比べて、挿絵のインパクトが少ないのが残念だったけれど、登場人物のその後がわかり、みんなが幸せになっていく様子がわかり大満足です。

    とても心に響いた河井くんの言葉…
    〈人の心が悲しみや苦しみでいっぱいになってしまうと、音楽や絵や物語の入り込む余地はなくなってしまう。だけど、心がそのまま凍ってしまうわけではない。人の心の深いところには、不思議な力があるからだ。何かの拍子に、悲しみや苦しみのひとつが席をはずすと、た

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    2022年08月20日
  • パンに書かれた言葉

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    待ちに待った朽木祥・新刊!
    予約をして、嬉々として読み始める。

    う~ん、正直、盛り込みすぎのような・・・

    北イタリアのパルチザンと広島、
    そして3.11までがつながるのだけれど・・・
    ちょっとムリがあるような・・・

    たぶん、ご本人が、よくおわかりのはず。
    それでも、これを書きたかったという、その思いに
    まずは、心からの拍手を。

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    2022年06月28日
  • 月白青船山

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    ネタバレ

    歴史とファンタジーと謎解きが楽しめる作品。源頼朝や娘の大姫、木曽義仲、義高など歴史上の人物の名前が出てくる。最初はまったく謎が解ける感じがしなかったけど少しずつ手がかりが見つかったり、大叔父さんや静音の母も加わり、謎が解けていく。3人が鎌倉の地を歩いて手がかりを集めようとするところはワクワクする。 
    鎌倉に行ってみたくなる。

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    2022年01月26日
  • 光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島

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    ヒロシマ、その後の物語。かの地に住む人たちの思い、感覚、垣間見られて良かった。中学生たちの素直な気づきと優しさにほっとする。

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    2021年04月29日
  • 光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島

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    図書室に新しく買い入れた一冊だったので、試し読みのつもりでページをめくったのに、途中で本を置けなくなり、最後まで読んでしまった。
    同じように原爆をテーマにした『八月の光』も読んだが、こちらもとても感動した。
    文章表現が豊かで、情景が本当に美しく思い描かれることのできる、稀有な作家さんだと思う。

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    2019年09月13日
  • 海に向かう足あと

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    タイトルに魅かれ手にし
    表紙で決めた
    ヨットオタクかと思っていたら
    まさかの・・・
    悪い人が一人もいない

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    2018年05月03日