朽木祥のレビュー一覧
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夏休み、病気の父の看護のため母がオーストラリアに向かうため、鎌倉の大叔父の家に預けられた小学5年の主税と4歳年上の兵吾は、近くの公園で知り合った少女静音とともに鎌倉時代に作られた道「切り通し」でダンボールそりで遊んでいたところ、突然、枝垂れ桜と茅葺屋根の家のある場所に出た。すぐに日常に戻った3人は白昼夢を疑うものの、もう一度切り通しで滑ってみると、同じ景色の場所に出、そこに出てきた老人から「瑠璃を見つけて」この谷を救ってほしいと頼まれる。猜疑心を持ちながらも3人は、この謎を解き瑠璃を探すことを試み始める。
夏休みに出会った3人の少年少女が、力を合わせて謎を解く様子を、見守る大人たちの姿ととも -
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ネタバレ船と海に魅了された男たちと、世界情勢。
ヨットレース出場に向けてそれぞれが日程を調整しながら、日々準備を進めていく6人。
自営業の村雲、最年長の相原、公務員の三好、研究者の諸橋、IT企業の研人、ヨットニートの洋平。
それぞれの家族と共に、思い出深いヨットレースになるはずだった離島で知ったのは、
突然おきた核兵器による攻撃で壊滅的被害を受けた日本、
混乱する世界と途切れる情報。
大好きな船と海と、希望を抱えて本土に向かう決意。
まさか核攻撃受けちゃうとは、平凡なヨットレースの話だと思ってたら、あらまあ。
危機感の薄い平和ボケしている身としては、
最後があまりにも唐突に感じたけど、未来は -
Posted by ブクログ
紹介で「デストピア小説」と聞いていたので、分かった上で読み進める。へー、こういうのをデストピア小説というのか。
風景描写が丁寧で、登場人物の海とヨットへの愛が良く分かる。一人ひとりは、感情移入するほど描かれているわけでもないが、魅力的に書かれており良いチームだな、と思わせる。村雲と女性(名前忘れた)については綺麗過ぎるというかできすぎてるというか、そんな二人なかなかいないでしょう、というかで、なんだか現実味もなく小説の中でのおさまりも悪いのでは?と思ったのは私が意地悪いのでしょうか笑。
最近書かれた小説だからか、今の日本の状況に合っていてあり得ない事ではない、という点でも興味持って読める。 -
Posted by ブクログ
朽木祥の作品は、原爆を描くものと、そうでないものにわかれるが、そうでない方ができが良いように感じる。
被爆二世として原爆のことを若い人に知ってほしいという気持ちは通じるし、その姿勢も立派だと思う。
でも、実際に被爆した原民喜や峠三吉ほどの胸を貫くような痛み、苦しみ、悲しみは感じない。
やはり「二世」だから、伝聞という感じ。主人公が原爆の犠牲になる『彼岸花はきつねのかんざし』ですら、どこかよそよそしい感じがした。
『八月の光』もこれも、読むに値する作品だとは思うけれど、これを読んだだけで、反戦の意思を強く持たせるほどのものでもないように思う。
反戦より、毎日を後悔しないように生きよう、というメッ