朽木祥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
朽木祥の作品は、原爆を描くものと、そうでないものにわかれるが、そうでない方ができが良いように感じる。
被爆二世として原爆のことを若い人に知ってほしいという気持ちは通じるし、その姿勢も立派だと思う。
でも、実際に被爆した原民喜や峠三吉ほどの胸を貫くような痛み、苦しみ、悲しみは感じない。
やはり「二世」だから、伝聞という感じ。主人公が原爆の犠牲になる『彼岸花はきつねのかんざし』ですら、どこかよそよそしい感じがした。
『八月の光』もこれも、読むに値する作品だとは思うけれど、これを読んだだけで、反戦の意思を強く持たせるほどのものでもないように思う。
反戦より、毎日を後悔しないように生きよう、というメッ -
Posted by ブクログ
広島の中学に通う美術部の生徒たちが、文化祭に出展する作品にまつわる物語。
生徒たちは、戦争、原子爆弾を経験した身近な人々に刻まれた物語を知ることになる。今日、その人と別れるときに「今日も明日も元気で帰ってくると信じとるけえ、きついこともいえる訳じゃ」 そして、そのまま別れてしまったひとたちは、「今でも待ってとる、いうことじゃ」
原爆のみ反対という物語では無い、戦争反対と声高に言う物語でもない。そういうことは、人々に永く続く悲しみを残すだけと静かに語りかけられているような気がする。中学生の頃、同じ目線のころ本書を読んだら、あの頃どう思っただろうかな?と思った。
「今日も明日も元気で帰ってくると. -
Posted by ブクログ
不知が身の上を語るあたりまでは非常に良かった。
これから不知が「死」をどう受容していくのかがカギだな、と思いつつ読んだら、ある意味ちょっと卑怯な展開。
孤独な不知と音楽を愛する少年司との友情は美しいが・・・。
突然河井君という少年が加わるのも、なんだかな、という感じ。
著者の心に響く音楽を表現したかったのだろうけど。
しかし、これ、ジブリが映画化するといいと思うな。
幻想的な美しさ、河童と人間の友情、音楽、戦争、古いプール、過去へのタイムスリップ、どれも映像向き。映像にすれば、著者が聞かせたかった音楽も無理なく聴かせられる。
クラシック通なら、この本に出てくる音楽はどれもおなじみだけど、メイン