朽木祥のレビュー一覧
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ネタバレ活字オタクの主人公、侃があるきっかけで、高校のテニス部に入る。初心者のため、最初は思った通りに出来なかったが、練習に練習を重ねてどんどん上手になっていく。
憧れの女子、三角関係、ライバルとの競争、高校生の部活ならではの話題は、懐かしさ、胸キュン、いろんな思いが溢れてくる。
あるとき、自分の不注意で部活の大事な友達に怪我をさせてしまう。そこからテニスが続けられなくなり、侃は心を閉ざしてしまう。
そのとき、侃が辿り着いた場所は田舎に住む自分の祖父の家。認知症なのかどうなのか微妙な態度のお祖父ちゃんと暮らし、田舎の子供たちと接し、改めて、自分としっかり向き合うようになる。
美しい田舎の風景は、読んで -
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「かはたれ」の続編。
前作で親兄弟と再会した八寸が、長老に呼び出され、街の学校のプールに住み着いている「不知(ふち)」という河童の中でも尊い血族の最後の生き残りを、山の方に戻ってくるように説得してこいと命じられる。
八寸の可愛さは相変わらずで、好奇心もであるがゆえに、うっかり姿を晒し痕跡を残してしまったため、学校が河童騒動となるのが可笑しい。
そのおかげで、麻は八寸の存在に気づく。
プールで出逢った不知がそれはとてもとても美しい、銀色にきらめく肌を持つ河童というが、河童が故に「美しい」という想像ができなかったけどw
司をひたすら待ち続ける不知の心が切なかった。
最後は山に帰っていく河童たちだっ -
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山の沼や池で今もひっそりと暮らす河童たち
人間に姿を見られたことで起こった騒動の果てに、
小さな八寸は人間のもとへ修行に出される
しかしてこれもうまくは行かず、再び池へと戻った八寸に
長老は一つの役目を課した
「学校のプールに棲みついた、月読の一族の生き残りを連れ帰ってくるように」
木の皮で出来た地図と、お母さん河童が持たせてくれた沢山の木の実
そして姿を隠せる不思議な珠を携えて
八寸はペタペタと学校への道を歩むのだった。
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多くを語りすぎることもなく
何かが足りないこともなく
絶妙なバランスで書かれた文章だなぁ!と読んでて感心した
いざ迎えに行ったはいいものの、
月読の河童、不 -
Posted by ブクログ
ネタバレあれから4年、麻は中学生に。でも八寸はまだ、こども、かな。
でもその子供さ?が不知にとってはよかったのかも。
純粋に人と慕う気持ちが同じだったんじゃないかな。
前回は麻の気持ちの方にいろんな変化、とゆーか成長?がみられたが、
今回はそのへんをふまえて、不知の哀しみ、を
救う物語だったな。
自分が救えなかった人、じゃなくて、自分を救ってくれた人として
思い出すことができる。
思わぬところで再登場してきた河井くんでしたが、いーことゆーなーと。
また校長先生もいーこといったなー。
目に見えないもの、その向こう側にあるもの。それを想像できる人になりたいなあ。
お父さんは残念。大きな川が流れてる、に笑 -
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K913 読み物。
子どもは根っこのところで育って
いい人(お人よしじゃなく)になって
誰かとつながって役に立ちたいと願っている。
だから比べられたらつらいし、思いこめばすれちがう。
保護した猫と関わることで
「カケガエガナイ」のは猫だけでなく、自分もだということ。
いや、周りの誰もかけがえがなく。
びびりな猫が甘えてくるところにひっそりと幸せになった彼がもっと周りを愛せるようになって幸せになるんじゃないかと
幸せに予感をさせながら物語は閉められる。
他の物語も身近で、しかしありがちな私と動物にとどまらず、かかわりの広がりを見せて読ませる。 -
Posted by ブクログ
ミサイル攻撃がなくても、地震国に暮らしている以上、常に危機にはさらされているはずなのだけれど、どこか他人事のように感じている(そうでなければ生きていけないとも思うけれど)。
「我々がやってきたことの報いだな…歴史にも学ばず、警告にも耳を貸さず、現実に起きていることに目を閉ざしてきた、その結末ということか」
"この世にはまだ―よりよいことを選択しながら生きて行く可能性が残されている"
「―結局、我々は『よりよいこと』を選択せずに、ここまで来てしまったのだ。」
地震のような不可避のことはともかく、戦争のような人的なことで世界が滅ぶことのないように、と改めて思いました。