清武英利のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2000年代に球団社長を務めた阪神タイガース野崎氏、広島カープ鈴木氏が、監督の交代や選手の移籍、球団再編の局面でいかに対応したのかを追うノンフィクション。
野崎氏と鈴木氏の夫々のエピソードを並行して取り上げていますが、私は圧倒的に野崎氏の部分が面白かったです。
野崎氏が阪神電鉄関係会社から阪神タイガースに出向となったのは藤田監督の退任の時期。その頃の阪神はまさに万年Bクラスの暗黒時代。それはスカウトや編成などが旧態依然としたやり方で全く機能していなかったからでした。
阪神タイガースのオーナー久万氏、在版スポーツ紙のマスコミ、そして発言力の大きな阪神タイガースOBなど、球団の運営方法をめぐる魑魅 -
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大泉洋さんと菅野美穂さん主演で映画化された『ディア・ファミリー』の原作となるノンフィクションです。
名古屋で町工場を営む筒井夫婦の次女・佳美さんは生まれた時から心臓に難病を抱え、9歳で余命10年と宣告される。娘のために多額の治療費を準備していた筒井夫婦は、その資金を使って娘を救うため「人工心臓」を作ることを決意する…。
心臓どころか医療のど素人だった筒井夫婦が、娘のためとはいえゼロから勉強し「人工心臓」を作るって、とてつもない挑戦ですよね。その情熱にはただただ頭が下がります。夫婦だけでなく佳美さんも、姉・奈美さんも妹・寿美さんも、とても明るく前向きで家族思いで、人として強いなぁと感じました -
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名古屋市東区にある「東海高分子化学株式会社」の二代目である筒井宣政の二女佳美は、生まれたときから心臓が悪く、長く持たないかもしれないと言われていました。
佳美の体が精密検査に耐えられるまで大きくなるのを待ち、筒井夫婦は九歳になった佳美を連れて色々な医療機関を回りますが、どこも手術はできないと言われてしまいます。海外の病院にもカルテを送ってもらいますが、やはり手術は不可能という答えでした。
そこで夫婦は、佳美のために貯めたお金を研究のため寄付しようと考えますが、東京女子医大の小柳助教授に提案され、人工心臓を作ることに決めます。
無謀な挑戦に思えますが、宣政は本気で人工心臓の勉強をし、研究のた -
Posted by ブクログ
映画「ディアファミリー」のテレビでの紹介を見て、本書を手に取りました。
ノンフィクション小説としての出来は期待した程ではありませんでしたが、我が子のために人工心臓までを作ろうとする両親の思いやその娘である佳美さんの健気な優しさ、佳美さんを守ろうとする姉妹の言動に心を動かされました。
人工心臓の開発はかなわずも、IABPというカテーテルの開発に取り組むことについて父親と佳美さとのやり取りやそれをやり遂げた後、佳美さんが売れる度に患者が助かったと喜ぶくだりは心が熱くなりました。
子供の病気に対する親の気持ち、その子供の心情、こんな劇的なことがなくても、同じようなドラマがあると思うと毎日元気に暮らす -
Posted by ブクログ
筒井宣政・陽子夫妻の次女・佳美(よしみ)さんは、先天性の心臓疾患だった。なんとしてでも助けたいと全国の有名病院をまわるも、9歳の時に「現代の医学では手術は不可能」との最終診断を宣告されてしまう。それでもあきらめきれず海外での治療に望みを託すが、結局はアメリカでの手術も無理だとわかる
娘の手術のために貯めていた費用、当初は心臓病を研究している機関に寄付を考えたが、主治医に相談したところ「人工心臓の研究をしてみたらいかがですか」と意外なアドバイスを受けることになる。
医療に対しては全くの素人ながら一から勉強を始め、医療用材料の研究会にも参加して人工心臓開発を開始します。当初は個人研究レベルだった