あらすじ
17年間で都合6度、目標削減数8万人のリストラを進めたソニー。その時、無辜(むこ)の会社員はどう生きたか。元海外営業マンは「公園居酒屋」で団結し、エンジニアはリストラ部屋でもモノ作りを続け、現場の女性は徹底的に抗った。そして、多くがソニーDNAを新たな場所で芽吹かせようと散っていった。リストラ部屋の人々がすべて実名で語る。嘆くな、前を向け、と。『しんがり』で感動を呼んだ著者の最新作を早くも文庫化!
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Posted by ブクログ
ソニーの凋落を書き連ねた本。
ソニーといえば、年代的にCD、MD、プレステあたり。
大量に就職した世代を、大量にリストラする結構生々しい内容。
自分が無知なだけで、VAIO、テレビ事業なんかは結構ニュースにもなった記憶。
リストラとは、本来『再構築』という意味があり、ただ単に構造改革という一言では終わらず、その後どう活動するのか?が問われるポイント。
早期退職した人のほうが生き生きと生活している締め、それがソニーへの愛だったのは皮肉ですね。
Posted by ブクログ
2006-2015年頃、ソニーのリストラ部屋に押し込められた人々のルポルタージュ。
現場を知らないエリート達が小手先の数字作りに勤しむ姿と、それによって踏み躙られる尖ったエンジニア達のプライド。
ソニーの株価を見る限り、このリストラ連発の頃が企業として最も苦しく、それが終わった2018年頃から復活したのだと言える。
Posted by ブクログ
一時期Sonyが混迷していた理由がよく分かった。やはり他社と差別化するための人材、技術、そして組織風土を大切にしないといけないということか。
組織に縛られず自力をつけていく必要性を強く感じさせられる一冊。
Posted by ブクログ
人をコストとしか見ず、自社の本質を忘れた企業の末路が描かれている。初心を忘れたらどうなるのか、ビジョンを描けなければどうなるのかがよく分かり勉強になった。
目の前の利益に惑わされず、ビジョンを示せるリーダーの存在の重要性を痛感した。
#読書記録 #読書 #読書倶楽部
#奪われざるもの
#清武英利
#sony #ソニー
#2016年58冊目
Posted by ブクログ
ソニーにおけるリストラについて、個人にフォーカスして羅列している。ソニーにはリストラ部屋があり、そこでキャリアデザインの名の下、社員を辞めさせようとしていたとのこと。
昨今は大企業はどこも早期退職者を募っているものの、どこも似たような事が行われてるんだろうなと思う。
創業者の井深大や盛田昭夫が、社員は家族などと言っていたそうだが、そんなものは後の後継者になると形骸化し、実際は首切りに走る。
会社経営なんてそんなものといえばそれまでかもしれない。だから、いつ会社に首を切られてもいいように保険をかけておく必要があるなと思う。
Posted by ブクログ
2023.08.13
本書は2015年に刊行されている。
ソニーのリストラを手酷く批判している。
ちなみに、2015年8月1日と2023年8月1日の株価は次のとおり。
2015 3162円
2023 13480円
このように、世の中はリストラを「当たり前」のものとして受け入れて、ソニーの「世間」の「評判」は上々である。
こういった本は、風雪に耐えうるかどうか、そもそも耐える必要があるのか、ないのかを考えさせられる。
その時のムードを示すためにはそのときに出版できて売れれば良いのだろうか?
誰かに教えてほしいとつくづく思う。
Posted by ブクログ
ソニーのリストラ部屋を追ったノンフィクションです。読んでいて辛い話も多かったですが、大企業というのは、こういうものなのだと実態がよく理解できる話でした。
ソニーを辞めても他の会社で活躍する人も多く、やはり、企業にしがみつくようになってはダメなんだなぁと思いました。
Posted by ブクログ
ソニーのリストラを追ったドキュメント。徹底的に、リストラされる側に立った記述で、リストラ部屋での生活、辞職とその後の人生を追う。同時に、リストラを敢行した経営陣に対する厳しい批判が挟まれる。これだけ悪者にされると、歴代の経営者は辛いだろうけれど。