清武英利のレビュー一覧

  • どんがら トヨタエンジニアの反骨
    トヨタ自動車の名誉会長である豊田章一郎氏が亡くなった。同社の社長交代人事も発表された。一つの時代が終わったのだと感じる。この先どうなっていくのかとても気になる。

    本書の著者は清武英利氏。読売巨人軍の元球団代表だ。自分は知らなかったが、現在ノンフィクション作家として活躍されている。

    本書は86(Z...続きを読む
  • どんがら トヨタエンジニアの反骨
    夢ややりがいが詰まった「どんがら」出世や名誉のためじゃなく、自ら目指すもののために。
    なにかを生み出そうとする熱い気持ちや真剣なぶつかり合い、どこか欠けてしまっているものなのかもしれないなーと。季節の変わり目の今、いい本でした。
  • サラリーマン球団社長
    球団の運営とはもっと華々しいだと言う印象を持っていたけれども、実際のところはプレイする選手が目立っているだけで、支えているのはちょっとした中小企業、と言っては失礼だけれども、そういった旧態然の組織がつい最近まで来てやってきてたのだろう。

    傍流から来たからこそ気づく、そこからあえて言おうと思える、そ...続きを読む
  • しんがり 山一證券最後の12人
    経済小説としても読みごたえがあった。その後、粉飾決算で世間を騒がせた多数の企業と同様で、組織がだめになる時って、ある意味共通点があると思う。
  • プライベートバンカー 完結版 節税攻防都市
    野村證券からSMBC、そしてシンガポールのプライベートバンクへと転職した主人公を追いながら、日本人富裕層の資産運用に関して実話も交えたストーリーが展開される。

    プライベートバンクは顧客の資産運用を行い、資産総額に対して一定の手数料を取るビジネスモデルのため、一般的な証券営業マンとはインセンティブが...続きを読む
  • 奪われざるもの SONY「リストラ部屋」で見た夢
    一時期Sonyが混迷していた理由がよく分かった。やはり他社と差別化するための人材、技術、そして組織風土を大切にしないといけないということか。
    組織に縛られず自力をつけていく必要性を強く感じさせられる一冊。
  • 石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの
    先にドラマ版の石つぶてを見てしまったせいか、読み進めるワクワク感が無かったが、これを見てドラマ版はよくできているなとおもったし、ノンフィクションの本書を下書きに、映像化する際に、人間関係や登場人物の性格、伏線の張り方を少し変えてドラマチックに演出していることが分かって面白かった。

    また、松尾氏の汚...続きを読む
  • サラリーマン球団社長
    てっきり著者の清武さんの自伝だと思ってましたが、阪神タイガースで球団改革に尽力された野崎勝義さんと、広島カープで尽力された鈴木清明さんの話でした。私はヤクルトファンなので野崎さんのことは名前と顔くらいしか知らず、鈴木さんのことは全く知りませんでした。

    野崎さんが国内他球団に先駆けてBOS(ベースボ...続きを読む
  • 石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの
    他の方の書評にもあったが、淡々と実名で語るノンフィクションは読み応えがあった。

    だけど、完全勝利は難しく役得で逃げ切った大物たちが多いことが読み取れる。そこに警察官達の忸怩たる思いややるせなさも正直に書かれていると思う。

    機密費という名のもとに、好き放題に使っている官僚や政治家に怒りを覚えるも、...続きを読む
  • 後列のひと 無名人の戦後史
    最前列ではない人々に焦点があてられているところが、好感を持てた。
    戦時下のパイロット、ベトナムでの戦争孤児の人物も懸命に生き、誰からも慕われていることがよく分かる。
    中でも、山一證券の面々は、損と分かっていても残り最期を見届けた人たちだ。自分がその立場だとしても、きっと同じことができない。本当に頭が...続きを読む
  • 石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの
    ドラマを配信で観てから読んだ。2課といえば振り込め詐欺を想起するけど、こう言う現場もあるんだな、と。公金の使い込みは腹立つけど、機密費の必要性は少しは認めるが、こんなことがあるとまだまだ闇は続いているんだろうと思うなぁ
  • しんがり 山一證券最後の12人
    20年以上前の山一証券自主廃業を締め括ったギョウカンを描いた渾身の作品。登場人物にも、描いた作者にも、心から敬意を評したい。まさに渾身という言葉がピッタリだと思った。本当に色んな意味で、この時代に読んでも変わらない何か突き動かすものを感じた。
  • 後列のひと 無名人の戦後史
    登場人物達の生きた時代、大変な時代だった。1938年生まれの小生は彼らと時間軸がやや重なるところがある。特に森下氏のけちの話もうひとつ別の本で二人でタクシーに乗った時目的地直前に用があると言って下車した後目的地に歩いて行った逸話を思い出した、タクシー代を相手払いにさせた話を思い出した。
  • 後列のひと 無名人の戦後史
     無名人の戦後史という副題が内容を表している。6章18話だが、各話がすべて独立というわけではなく、関連している話もある。また、後列はいえ、最前列ではないだけで前の方の列と言えるとい思う。
     それだけに各々に話になるだけの人生があって、物語になっているのだ。そして、いずれもが一生懸命に生きていることが...続きを読む
  • 石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの
    「しんがり」が良かったので、こちらも手に取る。

    期待に違わず面白く一気読みでした。事件そのものは、私の中では山一の方が衝撃的で、こちらも同じ外務省で、この後に世間を騒がした、佐藤優・鈴木宗男の一連の事件の方が印象に残っている。

    本書もノンフィクションではあるが、出来のいい映画を見ている様に一気に...続きを読む
  • サラリーマン球団社長
    ★一部門の悲哀★プロ野球球団は世間の注目が大きい割には、企業体としてはそこまででもない。親会社にとってみれば一部門でしかなく、さらに色の濃いオーナー経営者が別にいたりもするから、球団社長というのは期待の大きさと実権とが大きくずれた悩ましい存在だ。その齟齬を阪神の野崎氏、広島の鈴木氏の2人を取り上げて...続きを読む
  • サラリーマン球団社長
    観客側からだと勝ちと盛り上がりが大事だけど、球団経営としては利益が大事で、コスト削減は選手年俸抑えること、と言われると、とりあえずグッズもっと買おうと思った
  • トッカイ 不良債権特別回収部
    バブルの後始末に奔走する男たちを描いたノンフィクション。

    乱脈融資に走った住専会社。それを裏で後押しした銀行。莫大な不動産融資により膨れ上がった不動産業者。
    バブルの熱狂で異常な日本の後始末をするために作られた整理回収機構のおはなし。

    冒頭から悪徳債務者の実情、手口が描かれていて、トッカイ側の人...続きを読む
  • トッカイ 不良債権特別回収部
    バブル時代の象徴のような出来事でした。土地神話が生んだ事件というか欲望というか。
    今は株がバブル状態ですかね。いつまでたっても懲りない人が多いこと。
  • トッカイ 不良債権特別回収部
    戦後バブルの負の遺産(不良債権)を追い続けた追い続けた男たちと、追われ続けた怪商たちの闘い。中坊という強力な個性のトップに率いられた組織は徐々に回収に執念を燃やす集団に変化し、回収という狩りに魅せられたものはより、仕事に没入、回収の最大化に向け、手法も先鋭化させてゆく。一方で世間からは遠い記憶となり...続きを読む