清武英利のレビュー一覧

  • 後列のひと 無名人の戦後史

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    いつもながら読みやすい。市井の人たちの人生に光をあてた本作は読みやすく、著者の温かい目線も感じる。著者の本はいつもながら読んでいて気持ちがよい。大いに楽しみながら読むことができた。

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    2024年07月07日
  • アトムの心臓 「ディア・ファミリー」23年間の記録

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    ノンフィクション実話である。
    もし自分の子供が大きな障害や病気を持って生まれたとき、家族や親たちはどんな反応をするんだろう。医療とは無縁の夫婦が子供のために、人工心臓を研究開発しようと考えるのである。
    事実は小説よりも奇なり。こんなドラマチックで、感動的な事は、小説では、決して描けない。
    大変感動しました。

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    2024年07月01日
  • アトムの心臓 「ディア・ファミリー」23年間の記録

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    子どもの命を救うために、親はここまで強くなれるのか。
    宣政さんの豪快さも凄いが、それを支えた家族の絆。
    きっと、凄まじい勉強をされたのだろう。
    亡くなった佳美さんの人柄もあってか、周りには沢山の良き理解者に囲まれていたのも良かった。
    しかし、時代もあるが佳美さんがいじめられていた小学校時代の話は非常に気分が悪い。きっと家族は悔しくてしょうがなかっただろう。

    感動的だというだけではなく、何かを理由にして立ち止まってしまっている全ての人の背中を押してくれる、そんな一冊でした。

    映画も見に行こうと思いました。

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    2024年06月27日
  • 奪われざるもの SONY「リストラ部屋」で見た夢

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    2006-2015年頃、ソニーのリストラ部屋に押し込められた人々のルポルタージュ。

    現場を知らないエリート達が小手先の数字作りに勤しむ姿と、それによって踏み躙られる尖ったエンジニア達のプライド。

    ソニーの株価を見る限り、このリストラ連発の頃が企業として最も苦しく、それが終わった2018年頃から復活したのだと言える。

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    2024年06月01日
  • しんがり 山一證券最後の12人

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    世間を揺るがせた事実が基になっているだけあり読みごたえがあった。粉飾の場合は殆どがなるべくしてなった事象であり当事者に同情の余地はないが、会社の最期を見届け締め括るしんがり達には男気のようなものを感じる。もし自分の会社がこのようになった時に、終身雇用のサラリーマンの運命と割り切るには自分の心が追いつかないと思う。

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    2023年12月10日
  • どんがら トヨタエンジニアの反骨

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    世の中には、暖かな日の当たる場所もある。
    どのように苦しい過程を経てであれ、最終的に、そう受け止められる職業生活を送ることができるというのは、素晴らしい星の下に生まれ、生きてこれた、ということだと思う。
    清武さんの筆力もあるのだろうが、羨ましい、というだけのこと。

    印象的なフレーズは以下。

    ー俺はこのドンガラを見るために頑張ってきた。
    多田は思った。
    それは出世するとか、表彰を受けるとか、会社の業績の一端を支えるとか、定年後には泡のように消えてしまうものではなく、数寄者の魂をがらんどうの車に吹き込む、夢の実現だった。
    (P222)

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    2023年10月10日
  • どんがら トヨタエンジニアの反骨

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    ネタバレ

    自動車業界で、販売台数世界No.1、つまり、大衆向けの車を作っているトヨタで、
    「売れない」「儲からない」と言われながらも、若者の車離れを食い止めるために、採算性を超えて再挑戦したプロジェクト=スポーツカー「86」やスープラの復活に賭けたトヨタチーフエンジニアとその部下たちの心震わす物語。

    技術者はときに、自己実現や「自分がこういう車を作りたい」という情熱を原動力にしているため、営業部門や役員から理解されないことも多くあっただろう。
    トヨタの核や強み、本分とは異なり、社内からの軋轢は多かったことだろう。
    ただし、そこには単なるスポーツカーの復活を遂げ、大きな壁を乗り越えた熱い物語というだけで

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    2023年08月13日
  • どんがら トヨタエンジニアの反骨

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    車に全く興味がなく、スポーツカー「86」「スープラ」も全く知らない私が読んでも胸が熱くなるノンフィクション仕立て小説(読後にネットで写真確認したが流石に「86」も「スープラ」もカッコイイ)。というのが半分で、意外に世界のトヨタも普通の大企業にありがちな官僚的会社であることがわかって少しホッとした。スケールが大きいだけあって、特異な人材も豊富で、異能を活かす素地があるところは流石ではある。週刊現代連載だそうだが、会社員であれば共感できるところ多数で、処世のヒントが色々見つかる。

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    2023年06月30日
  • どんがら トヨタエンジニアの反骨

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    多田哲哉
     三菱自動車でラリー部門に行けず退社、ベンチャー企業からトヨタへ。
     早く安く 二代目ラウム、パッソ、ラクティス、ウイッシュ担当
    2007年1月 スポーツカー担当へ
     チーフエンジニア=部長、主査=次長、主幹=課長、主任=係長
     チーフエンジニアの仕事の9割は辛抱すること 主査は製品の社長 2019年21人
     佐々木良典 父親が初代レクサス企画から副社長

    スバル=すたれた市役所 トヨタ=高度な町工場
     賚(たもう)主査 金沢市立工業高校から富士重工へ~群馬大学工業短大(夜間
     スポ―ツカ―は四駆に限る

    ナスカーでのヒアリング →手軽に買えるスポーツカー
     自分でカスタマイズ ライ

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    2023年06月12日
  • どんがら トヨタエンジニアの反骨

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    「下町ロケット」的テイストの話ではあるけど、ノンフィクションだし、何と言ってもスバルとの共同開発である86(ハチロク)という実車開発の裏話なので、とても楽しく読めました。。というか86が欲しくなります(^^)。BMWとの共同開発なスープラの逸話も語られ、こっちはもっと欲しいけど、価格的にちょっと手が届かない感。

    印象に残ったのは、センスを身に着けるには「家庭画報」を読め、というところと、あと、CV、1A、号口、といったトヨタ用語に関する説明は、以前、同社との仕事をしていた時にリアルで体験したので、そうだったなあ~と。

    どこの会社にも尖った人や情熱のある人はいて、そういう社員をどう活かすか、

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    2023年05月27日
  • どんがら トヨタエンジニアの反骨

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    たくさんのエンジニアが出てくる。そのトヨタの優秀な人材の勢いに後押しされる様に、グイグイ引き込まれてしまう。これからは、同様の働き方はできないが、違うタイプのエンジニアが突進することを期待して本を置いた。

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    2023年04月06日
  • どんがら トヨタエンジニアの反骨

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    トヨタ自動車の名誉会長である豊田章一郎氏が亡くなった。同社の社長交代人事も発表された。一つの時代が終わったのだと感じる。この先どうなっていくのかとても気になる。

    本書の著者は清武英利氏。読売巨人軍の元球団代表だ。自分は知らなかったが、現在ノンフィクション作家として活躍されている。

    本書は86(ZN6)とスープラ(A90)の開発秘話である。環境保護が叫ばれる現代において最後になるかもしれない純エンジン車のスポーツカーの開発を、あるチーフエンジニアを主人公にした物語風に書かれている。

    出てくる会社もトヨタだけでなく、スバル、マツダ、BMWと多く、それぞれの車づくりに対する思いを感じられた。

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    2023年02月27日
  • どんがら トヨタエンジニアの反骨

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    夢ややりがいが詰まった「どんがら」出世や名誉のためじゃなく、自ら目指すもののために。
    なにかを生み出そうとする熱い気持ちや真剣なぶつかり合い、どこか欠けてしまっているものなのかもしれないなーと。季節の変わり目の今、いい本でした。

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    2023年02月26日
  • しんがり 山一證券最後の12人

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    経済小説としても読みごたえがあった。その後、粉飾決算で世間を騒がせた多数の企業と同様で、組織がだめになる時って、ある意味共通点があると思う。

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    2023年01月26日
  • プライベートバンカー 完結版 節税攻防都市

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    野村證券からSMBC、そしてシンガポールのプライベートバンクへと転職した主人公を追いながら、日本人富裕層の資産運用に関して実話も交えたストーリーが展開される。

    プライベートバンクは顧客の資産運用を行い、資産総額に対して一定の手数料を取るビジネスモデルのため、一般的な証券営業マンとはインセンティブが異なる設計。

    また今ではかなりの規制が入ったと思われるが、シンガポールのタックスヘイブンとしての機能性は高く、キャピタルゲイン課税や相続税がないか極小であり、またケイマン諸島などを活用した法人税回避のスキームに関しても、エージェントが多数おり、まさに打ってつけの場所であった。

    一方で、そうした資

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    2022年10月12日
  • 奪われざるもの SONY「リストラ部屋」で見た夢

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    一時期Sonyが混迷していた理由がよく分かった。やはり他社と差別化するための人材、技術、そして組織風土を大切にしないといけないということか。
    組織に縛られず自力をつけていく必要性を強く感じさせられる一冊。

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    2022年06月04日
  • 石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの

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    先にドラマ版の石つぶてを見てしまったせいか、読み進めるワクワク感が無かったが、これを見てドラマ版はよくできているなとおもったし、ノンフィクションの本書を下書きに、映像化する際に、人間関係や登場人物の性格、伏線の張り方を少し変えてドラマチックに演出していることが分かって面白かった。

    また、松尾氏の汚職事件簿でもある一方で、刑事の戦いも物語であり、型破りな刑事が多く登場するが、今は管理社会でその存在は許されず、同時に検挙数も下がっているという。日本社会に様々な問題があるが、警察内部においてすら、ある種の息苦しさというのが存在するのだなと改めて思った。

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    2022年05月22日
  • 石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの

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    他の方の書評にもあったが、淡々と実名で語るノンフィクションは読み応えがあった。

    だけど、完全勝利は難しく役得で逃げ切った大物たちが多いことが読み取れる。そこに警察官達の忸怩たる思いややるせなさも正直に書かれていると思う。

    機密費という名のもとに、好き放題に使っている官僚や政治家に怒りを覚えるも、一般大衆にはどうすることもできない。その闇に挑んだ二課の刑事たちの物語。

    タイトルである石つぶてとは?・・・
    巻末での『廉吏』な警察官に対して敬意を払いたいと素直に思いました。

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    2022年02月15日
  • 後列のひと 無名人の戦後史

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    最前列ではない人々に焦点があてられているところが、好感を持てた。
    戦時下のパイロット、ベトナムでの戦争孤児の人物も懸命に生き、誰からも慕われていることがよく分かる。
    中でも、山一證券の面々は、損と分かっていても残り最期を見届けた人たちだ。自分がその立場だとしても、きっと同じことができない。本当に頭が下がる思いだ。

    他にも東電社員の話、巻末の土地鑑定士の話も丁寧に書いてあり、自分たちの置かれた状況で勤め上げる矜持を感じた。

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    2022年01月14日
  • 石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの

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    ドラマを配信で観てから読んだ。2課といえば振り込め詐欺を想起するけど、こう言う現場もあるんだな、と。公金の使い込みは腹立つけど、機密費の必要性は少しは認めるが、こんなことがあるとまだまだ闇は続いているんだろうと思うなぁ

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    2021年12月29日