小林雅一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
題名に「サム・アルトマン」を謳っているが、内容はAIの歴史そのものの話となっており面白い。
2024年ノーベル物理学賞を受賞した「AIのゴッドファーザー」と言われるジェフリー・ヒントン博士のディープラーニングから始まり、同年ノーベル化学賞受賞のデミス・ハサビス博士率いるDeepmind、そこからヤコブ・パチョッキ氏のベクトル「トランスフォーマー」のブレークスルー、天才技術者であるイリヤ・スツケヴァー氏と取締役会らによる解任劇、そしてAGIに求められる権利と倫理観。
一見気弱なエンジニアのような風貌をしたサム・アルトマン氏の自己顕示欲と狡猾さが興味深い。彼の野心的な性格はある意味スター性とカリスマ性を生み出し、AGIを実現し、普及させるという点においては天職といえよう。
昨今の各国首脳陣まで巻き込んだAIの加速度的浸透は、本書で取り上げられるような懸念はあるだろうが、シンギュラリティ後の世界がどのような未来であるのかワクワクする。 -
Posted by ブクログ
AIに関係する研究を行ってきた自分からしても知らない裏話がたくさんありとてもおもしろかった.
経営判断はとても難しく,どんなに優秀でも寝首をかかれたり,居場所を失ってしまったりする.
OpenAIのすごいところは,サムがアジャイルになんでも試す姿勢でいるところだと感じた.スカーレット・ヨハンソンの件もそうだが,慎重に石橋を叩いて進めていくスピード感だと世界を席巻することはできない.
・OpenAIは創業時にはなにをやればいいか途方にくれていた
・AGIへの道筋は全く見えていなかったが,トロント大ヒントン研究室にもともと所属していたスツケヴァーは「Don't bet against Deep Learning」とDeep Learningの可能性に全てを賭けており,その点をチームが合意していたことが大きかった.
・生成AIが出力する結果を学習に使うようになることを「生成AIの近親交配(inbreeding)」と呼び,警戒が必要.アルファ碁はAIによる自己対戦で賢くなったがそれは囲碁という閉じた世界のゲームの話であり,現実世界の人間の活動を同じ方法で生成AIが学習できるとは限らない. -
Posted by ブクログ
SiriでもAlexaでも、音声認識してテキスト化するところまではディープラーニングが使われているが、その先の処理では、あらかじめ人間が想定して用意した複数の質問やリクエストに対応して各種の回答やアクションを返す仕様になっている。
OpenAIは、2020年にGPT-3を公開した後、GPT-4の開発に取り掛かっていたが、2022年11月にGPT-3.5をベースにチャットボットを開発して公開することにより、GPT-4が世間から受け入れられるための地ならしをして、新規投資を呼び込もうとした。その結果、マイクロソフトから推定100億ドルの新規投資を呼び込むことに成功した。
Googleは、2023年5月にLaMDAやPalM2をベースにした対話型AIであるBardを公開した。
Wolfram Alfaは、論理的推論を行う専用のモジュールのひとつで、数学や物理などに重点を置いた対話型AIシステム。
ジャンル、テンポ、長さ、曲調、使う楽器を指定することによって楽曲を自動生成するAI
Amper Music
AIVA
Jukebox
Amadeus Code
GoogleのMusicLMは、言葉によるリクエストで音楽を生成する。
言葉によるリクエストで動画を生成するAI
Make-A-Video
Imagen Video -
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ネタバレこの手の本で日本人の書いたものって、どうしても伝聞が中心になるせいか、読後感がスッキリしないものが多い印象だったのだけど、本書はテンポも歯切れも良かった。
よくあるAI脅威論について、ラリー・ペイジはAIが人類に取って代わるとしても、それは生物から人工物へと進化が次の段階に移行するに過ぎないと捉えているんだとか。なるほど。
また、今後世界中のテキストを読んでしまえばもう、学習することがなくなるのでは、という指摘に対して。AI同士でテキストを作り合い、それを学習材料にすることで発展を続けていく、とアルトマンらは考えているらしい。AI同士で競い合って学習を深めていくという手法は囲碁の学習などでは用いられた手法だが、言語にも使用できるのだろうか。人間の存在無しで発展できるとしたら、知性って何なんだろうとも思ってしまう。
関係者の間ではp(doom)として、人類滅亡の確率も語られている
・「これこそ、我々の待ち望んでいたものだ。これこそ、最後のピースだ」(トランスフォーマーの論文"Attention is all you need" を読んだスツケヴァー -
Posted by ブクログ
300ページ以上あり、見た目は分厚そうだが意外とサクサク読める。
テクニカルなものというより本質論の本。
ちきりんさんがVoicyで推薦し、対談した著者。
・これからは、ユーザインターフェース、つまり、コンピューターの使い勝手が重要
・GoogleもChatGPTも多くの人が使い、
多少の間違いを含んでいるが、
両者の違いは、ChatGPTの場合、一般利用者がメインで多少の間違いは気にならない。
しかし、Googleの場合は、科学者や専門家などが使い、間違いがあると非難されるという違いが面白かった。
・生成AI以前は2度の冬の時代があった。
特に苦労したのは言語モデル。
多様な言葉の使い方による複雑な文脈の変化を十分にとらえることが難しかった。
・ChatGPTは数学も苦手
これは実際にChatGPTが計算しているのではなく、
3 +5=のあとには、8が続く確率が高いと言う経験的類推で答えを出しているから。
・欧州も日本も中国も遅れている。米国が突出している。
・Googleが出遅れたのは、イノベーターのジレンマに陥ったから
(OpenAIに遅れをとった、酷評のBardとなった、社内でもめたなど)
・生成AIの問題点はデマが流れてしまうこと
・AIがつくった小説は不自然さがある
音楽はかなり精度が高い
・AIが台頭しても人間は人間がやることに惹かれるのではないか?(囲碁将棋などで機械が買っても、人が応援するのは機械ではなく、人)
・これからはどうなるかわからない
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Posted by ブクログ
2021年の自民党の政策パンフレットに「国産量子コンピュータの開発に取り組む」と書いてあったが、現在はどうなっているのだろう。2023年のパンフレットには「最先端技術への投資を拡大する」とある。是非とも技術をものにしてほしい。
本書は、量子コンピュータとは何か、量子コンピュータの仕組み、量子コンピュータで何ができるのかをテーマに、できるだけ数式を使わず、わかりやすく説明されている。とはいうものの、量子力学は難しい。
勘違いしていたのだが、量子コンピュータはなんでもできるわけではなく、計算のためのアルゴリズムがあるものにだけ使用できるそうだ。量子コンピュータを使うことで、身近なところでは、新薬の開発や渋滞の緩和等が期待されている。
今はまだライト兄弟が作った飛行機と同じ段階だという量子コンピュータ。実用化できるかはまだわからないが、夢のある話だった。