小林雅一のレビュー一覧
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【メタバースがかわいく思える】
遺伝子組換えとゲノム編集は異なるもので、リスクも異なること、自然・天然は危険が少なく、人工物は危険であるという盲目的な理解を打ち破ってくれました。
マイナスリスクの限りなく少ない植物工場で、色・形・品質のそろったさまざまな野菜がつくられることもまじかに迫っていると感じます。
クリスパーというはさみを使用することにより、狙った箇所を切断できるようになったとはいえまだまだ確率が低い状態です。しかし、今後はどんどんよくなることは明白です。
受精卵で単細胞の状況でゲノム編集を実施することは容易と言いますが、遺伝要因の疾患があり、人として成長する前にその疾患を取り除くことに異論はないです。
しかし、太らない遺伝子、頭のいい遺伝子、運動能力の高い遺伝子などを操作しはじめると、とてつもない人間を創り出してしまう可能性があります。すでに技術的にできるところまでは来ています。
すでに創られている可能性もあります。 -
Posted by ブクログ
小林雅一(1963年~)氏は、東大理学部物理学科卒、同大学院理学研究科修士課程修了、東芝、日経BP勤務、ボストン大学留学、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所勤務等を経て、KDDI総合研究所リサーチフェロー、情報セキュリティ大学院大学・客員准教授。ITやライフサイエンス等に関する一般向け著書多数。
本書は、近年急速に注目度が高まっている「量子コンピュータ」について、一般向けにわかりやすく解説したものである。
私は文系出身の会社員だが、量子コンピュータについては、これまで新聞等で目にしたレベルで、「シュレディンガーの猫」の呼ばれるパラドックスが象徴する量子力学をベースにしていること、現在のスーパーコンピュータ(スパコン)の数億倍(超)の計算速度があること、近年は米国のIT大手(IBM、マイクロソフト、グーグル等)が巨額の開発資金を投入していること、軍事技術としても用途が幅広いが、開発は米国よりも中国が先んじていること、等の断片的な知識しかなく、一度包括的な知識を得たいと思っていたところ、書店で本書を目にして購入した。
目次は以下である。
第1章 巨額の投資対象に変貌した「科学の楽園」~量子コンピュータとは何か
第2章 現実離れした「量子コンピュータ」のしくみ~謎の超高速計算機はどう動いているのか
第3章 量子コンピュータは世界をどう変えるのか~自動車・金融からメタバース・AIまで
一通り頁をめくってみて、第2章の量子コンピュータの仕組みは、正直なところ消化不良であったが(著者も随所で「おおよそのイメージを掴んで」と書いているので、仕方ないところか)、以下のような知識・情報が得られたり、再確認できた。
◆研究開発に注目が集まる一方で、現実世界で通用する本格的な量子コンピュータには「誤り訂正(誤り耐性)」と呼ばれる技術が必須だが、その理論は存在するものの、技術的には未確立。これは、量子力学の本質的な特性に関わる、重要かつ困難な課題である。
◆量子コンピュータがスパコン等の古典コンピュータの性能を圧倒的に凌駕するためには、最低でも数百万個の「量子ビット」が必要とされているが、現在最先端を行くIBMでさえ、2023年にリリース予定のものの量子ビットは1,000を少々上回る程度。それでも、試験機レベルのものを導入する企業・団体は多数あるが、それは今後実用化されたときに備えての人材育成や情報交換が目的である。
◆量子コンピュータが力を発揮するのは、膨大な計算量を要する「組み合わせ最適化」に関連する分野。例えば、渋滞を解消しサプライチェーンの最適化を図りたい自動車関連、投資ビジネスの競争優位性を高めたい金融関連、創薬にかかる膨大な時間とコストを圧縮したい製薬関連、配達ルートや輸送手段の効率化を図りたい物流関連、また、AI関連、メタバース関連等。
◆量子コンピュータが実用化されたとしても、その後は、古典コンピュータと、使われる仕事について棲み分けが生じると考えられる。
◆軍事分野で最も懸念されているのは暗号技術への影響。量子コンピュータにより既存の暗号(公開鍵暗号)が破られる恐れがあり、米国等は、量子コンピュータに破られない「耐量子暗号」の開発を急いでいる。また、中国は2017年に量子技術を使った「量子暗号」の実験に成功したと言われている。
量子コンピュータについて、研究開発の歴史と現状、課題、仕組み、実用化された場合に期待されること等、一通りのことがコンパクトにまとめられた一冊である。
(尚、著者は、技術の実現を急ぐよりも、平和利用のための制度的な枠組みの構築が先決であると結んでおり、主旨はもちろん理解するものの、倫理の観点からは、合成生物学やAI開発、環境・気候問題等、遥かに問題が大きい分野があり、量子コンピュータについてそれを強調するのは少々違和感を覚えた。)
(2022年6月了) -
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人類は“神の領域”に足を踏み入れつつある?人間や動植物のDNAを思うままに操作できる「ゲノム編集」。その技術の実態を、最新鋭の「クリスパー」に焦点を当て、解説する書籍。
ゲノム編集とは、ワープロで文章を編集するように、DNAを自由自在に書き換える技術のこと。中でも、クリスパーと呼ばれる最新鋭のゲノム編集技術は、汎用性に富んでいる。
・漁業、農業:クリスパーを使い、肉量が従来の1.5倍の真鯛が作られた。収穫量の多い小麦などの開発も進んでいる。
・医療:従来の医療は対症療法だが、クリスパーには根本的な原因、「遺伝子の変異」を直接治療できる可能性がある。
現在、科学者らは、皮膚や臓器などの「体細胞」をクリスパーで治療することは問題ないとしているが、「生殖細胞」のゲノム編集については抵抗感を示す。生殖細胞の遺伝的変化は子孫へ受け継がれるからだ。さらに、親が子供の容姿や知能を出生前に決める「デザイナー・ベビー」に使われる懸念もある。
人類にとって都合の悪い遺伝子を人為的に駆逐し、都合のいい遺伝子を繁殖させる技術を「遺伝子ドライブ」という。
近年、この技術がクリスパーの力で実現したが、実際に生物を改造すれば、生態系や環境に予想外のダメージを与えかねない。
ゲノム編集の先を見越した研究も進んでいる。
例えば、ヒトのDNAを完全に化学合成するプロジェクトがある。原理的には、人工的に作ったDNAで人造人間を誕生させることは可能だ。
ゲノム編集の「医療目的」と「それ以外の目的」の境界線は曖昧だ。最初は、重度の知的障害の治療が目的でも、徐々に条件が緩和され、赤ちゃんの知的能力に関する遺伝子を改良することは親の義務である、という時代になるかもしれない。 -
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よく耳にはする「AI」。
歴史的に、単なる数字システムだったのが、脳科学の知見の導入(パターン認識能力)という動きが、長い時間かかって進んでいると理解。
つまり初めは、線形回帰や重回帰程度の統計技術だったところ、次第に写真認識ぐらいまでできるようになってきただけでなく、「フィードバックすることで学ばせる」ことで「人間の操作なしで判断できる」状態に導くという、いわば子を育てるような感覚に近づいてきたということ。
従って将来的には一定の仕事(非創造的or定型的なもの)は人から奪うだろうし、倫理観の導入も必要となる。なんなら自律的な兵器だってできてしまうだろうから。
兵器に限らず、たとえば自動運転をさせるならサンデルの哲学教室のような問い(こういうケースでバスはどっちに曲がるべきか、みたいな)への答えさえも用意する必要がでてくる。勤務管理みたいなことをAIにさせるなら、そこにいかに心理的安全性を保つかみたいな話もでてくるかもしれないな。
ディープラーニングとその多層化がAIを次のステージに持って行ったのは事実。そしてそこにGoogleやFBも集中投資している。すごい翻訳サイトもでてきた。さて、日本は、そしてインフラ分野はどうだろう。
さらにいえば、ロボットとの組み合わせで、例えば災害対応用ロボットが自律性をもつ(自ら判断する)とか、あるいは産業や家庭の様子の情報が入手できる(トロイの木馬っぽく…)とか、そういう情報端末としてGoogle等が注力しているとか・・・とにかくなるほどなと思った。
日本は建設ロボットとか確かに少し前に流行ったし、i-Conとかも言っているけど、そこにAIを取り入れていく発想がないと、確かに欧米に負けそうだよな。。
将棋のAIは、「ゲーム木」の探索と「評価関数」という点。少し前は評価関数を独自の感性で手作りしていたが、学習を棋譜事例をもとにすることで飛躍した、、、更に人間(の棋譜)から学ぶことから卒業した――ソフトの自己対戦から学ぶという不法に移行している――といったあたりも面白かった。
(少し古い本であるとはいえ)AIのことが大体概観できて、良書だった! -
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ネタバレ理研と富士通が開発したスパコン富岳が世界一位の性能を叩き出した。数年ぶりの快挙だ。理由は独自プロセッサの開発。これまでインテル等の汎用プロセッサを数多く組み合わせて性能をあげることが主流であったが、汎用である故に性能が出しづらいという問題点があった。これをスパコンにアジャストしたプロセッサを作ることで性能改善を可能にした。また、計算性能が高い、だけでなく、産業用として利用しやすい、という目的のもと作成されている点も評価されている。インテルが使っているx86でなく、ARMと呼ばれる規格を使っている。実際にコロナウィルスのシミュレーションで活躍している。今後はゲノム解析や天文学等で活躍することが見込まれる。
※TSMCと呼ばれる台湾の企業が、プロセッサの工場(ファウンドリ)として世界最有力らしい。 -
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・ジョブオートメーションやギグワークに関してやや否定的な論調であるだけに、入念なファクトに基づいている内容である
・自動運転、ワトソンのヘルスケア診断、従業員のリスキル等々、根拠なく期待を煽るのではなく、現実的にできること、できないことを解説している
Author little negatively says about job-automation, gig-work, but its content based on a lot of facts.
Self-driving, AI diagnosis by Watson, Reskilling employee etc... are explained about what they can do and what they can not do based on the facts.