あらすじ
脳科学とコンピュータの融合が私たちの常識を覆す! 自動運転車、ドローン、ロボット兵器、雇用・産業構造、医療・介護、芸術……。「自ら学んで成長する能力」を身につけた次世代ロボットは、人間社会をどのように変えるのか。はたして、AIに脅かされる職種とは? AIが「人類を滅亡させる」のは本当か? いまそこにある「日本衰退」の危機とは? 人間の存在価値が問われる時代の必読書! (講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
今、話題の機会学習とは何なのかをディープラーニングを含めて比較的わかりやすく解説してくれる。ディープラーニングって何?と思っている人の良いとっかかりとなると思う。
本書はそれだけにとどまらず、最新(2015/3現在)の機会学習を応用したAIの状況について知ることができ、その進歩の度合いに度肝を抜かれる。
今度こそ、AIは人を越えるかもと思わせる状況であり、それはアシモフの描く、ロボットもの世界が現実になることを予想させるものである。
AIは自ら進んで進化する段階に来ており、将棋のトッププロと対戦する電王戦でもAIが圧勝しており、将棋界はタイトルホルダーの登場を回避している状態とのこと。AIの学習も、過去の人間の棋譜での学習には限界になり、すでにAI同士の自己対戦結果からしか学習できないようなレベルとのことで、間接的ながら、オセロ、絵チェスに続いて、将棋でも人間を越えた模様。人間の想像を越える、悪手でない新手もだせるようになっていることからも、人間を越えたというのは本当のようだ。
また、コンピュータが作曲した楽曲を新聞が絶賛したというアメリカでのエピソードを読むと、人間の創造性そのものについても考えを馳せさせられた。
Posted by ブクログ
Deep learningなどの新しい理論でAIは再度持てはやされつつある。米国のIT企業がAIを搭載したロボットの開発に力を注いでいる。一時期日本こそロボット技術の先端と言われていたが、AI搭載ロボットでは米国に遅れを取っている。脳科学の最新知見を組み込んだニューラル・ネットワーク。神経細胞の動きを理論的に取り込んでいる。爆発的に発展する可能性を持ったAI。それは人類と共生できるのだろうか?
Posted by ブクログ
AIが人間の仕事にどのように影響を与えるか不安及び興味を持ち購読。
確かにAIに取って代わる職業があるのは現実的に不可避であるが、各IT企業が考えるようにAIにより、本来の人間がすべき仕事を把握するには良いチャンスであることも納得できる。また、単にAIの到来に不安を感じていたが、産業革命にあったように、当時も機械によって仕事を奪われたものが数多くいたことを考えると、AIの到来の歴史の中では当然起こりうる現象なのだと考えるようになった。
また、スティーブジョブスの言うように、創造は、自らの過去の経験をつなぎ合わせることであることに、自分もcreativeになる可能性を持っていることに考えさせられた。
Posted by ブクログ
文系人間にはまさにタイトル通りの衝撃。今取り巻くあらゆる産業の構造を塗り替えると実感。ネーションではなく企業に支配される時代か。しかも人間ならではの創造性すらもAIコンピュータが凌駕する未来。人間とは何かが問われる世紀になる。
Posted by ブクログ
実は間違えて買った本でしたが、AIを理解するうえで、とても参考になる本でした。
AIにおいて「言語生成」が確立される前の本であり、もともとはAIとはなんだったかについて書かれています。
歴史の話もおもしろかったですし、最後の方に書かれていた人間の本質に迫る部分も興味深かったです。
Posted by ブクログ
よく耳にはする「AI」。
歴史的に、単なる数字システムだったのが、脳科学の知見の導入(パターン認識能力)という動きが、長い時間かかって進んでいると理解。
つまり初めは、線形回帰や重回帰程度の統計技術だったところ、次第に写真認識ぐらいまでできるようになってきただけでなく、「フィードバックすることで学ばせる」ことで「人間の操作なしで判断できる」状態に導くという、いわば子を育てるような感覚に近づいてきたということ。
従って将来的には一定の仕事(非創造的or定型的なもの)は人から奪うだろうし、倫理観の導入も必要となる。なんなら自律的な兵器だってできてしまうだろうから。
兵器に限らず、たとえば自動運転をさせるならサンデルの哲学教室のような問い(こういうケースでバスはどっちに曲がるべきか、みたいな)への答えさえも用意する必要がでてくる。勤務管理みたいなことをAIにさせるなら、そこにいかに心理的安全性を保つかみたいな話もでてくるかもしれないな。
ディープラーニングとその多層化がAIを次のステージに持って行ったのは事実。そしてそこにGoogleやFBも集中投資している。すごい翻訳サイトもでてきた。さて、日本は、そしてインフラ分野はどうだろう。
さらにいえば、ロボットとの組み合わせで、例えば災害対応用ロボットが自律性をもつ(自ら判断する)とか、あるいは産業や家庭の様子の情報が入手できる(トロイの木馬っぽく…)とか、そういう情報端末としてGoogle等が注力しているとか・・・とにかくなるほどなと思った。
日本は建設ロボットとか確かに少し前に流行ったし、i-Conとかも言っているけど、そこにAIを取り入れていく発想がないと、確かに欧米に負けそうだよな。。
将棋のAIは、「ゲーム木」の探索と「評価関数」という点。少し前は評価関数を独自の感性で手作りしていたが、学習を棋譜事例をもとにすることで飛躍した、、、更に人間(の棋譜)から学ぶことから卒業した――ソフトの自己対戦から学ぶという不法に移行している――といったあたりも面白かった。
(少し古い本であるとはいえ)AIのことが大体概観できて、良書だった!
Posted by ブクログ
異なる要素同士を繋げて新たな知見を生み出す。人口論とガラパゴス諸島の動植物からダーウィンが提唱した種の起源など。人工知能に取って代わられない人間のアイデンティティとは。
Posted by ブクログ
AIの基本的理論、AI開発の歴史や現状などをわかりやすく紹介した本。
脳科学の研究成果がAI開発に応用されたことで、AIの能力は飛躍的に高まりました。テクノロジーが進化する中で、AIはどのようなものになるのか。そして、人間はAIとどう向き合うべきか。そのことを本書を通して考えることができます。
Posted by ブクログ
現在、AIと言われているものの本質?が朧げと理解した気になれる。
とりあえず、日本がいかに出遅れているかを再認識。
あと、偉人たちの言葉は端的かつ本質を捉えていて、刺さりました。
Posted by ブクログ
AI、聞いたことはあるしニュースでもたまに記事を読むが、よくわからないもの。
とある役員に薦めてもらって読んだ一冊。
これからのAIと日本が遅れていることなど知れたと同時に、
人間の存在価値を考えさせられるきっかけになった。
創造性について触れている箇所は納得感ありだった。
Posted by ブクログ
●ロボットが雇用を奪うといっても、それなら人間は独自の創造性を活かす分野にシフトすればよいのでは? と思ったら、AIは創造性をも発揮していくことになるらしい。AI開発の歴史やAIの現状など、ポイントをおさえた解説でわかりやすい。
Posted by ブクログ
非常に面白い本であった。特に最後の場面で人間が既に攻略された将棋を指しており、それをAIに不思議がられるというシーンが印象的だった。AIからすれば馬鹿にされてしまう将棋や囲碁を指し楽しんでいる人間が自分たちより頭の良い存在を生み出しという強烈なメッセージは未来の人間の姿を現しているのではないかと思った。そして人類が今抱えている問題を解決するためにはAIとロボティックスの流れは止められないとやはり感じた
Posted by ブクログ
将棋やチェスでAIが人間に勝つというトピックスから始まり、AIの現状、取り組みの歴史を解説する。新書らしくポイントを押さえた解説でわかりやすい。
AIは人間に敵対するものではなく、人間とAIが協力して、人類が直面する難問を解決していくのだという未来図は、そうあってほしいという願いとともに、共感できる。
Posted by ブクログ
機械の部下を持つ日は近い。
94p
ベイズ確率がAIに使われているのは知らなかった。
それとベイズ確率の説明が良い。
「最初からそんなに理想的な確率を得ようとしたら一歩も進めないよ。それより最初は最初は不正確でもいいから、
自分で適当に確率を決めておいて、そこに実験や測定の結果を反映させて、徐々に確率を修正していこう。そうすれば、今すぐにでも仕事を始められるから、こっちの方が便利だよ」
Posted by ブクログ
AIの仕組みが分かりやすく書かれている。
2015年の出版なので当時の将棋電脳線までのことが書いてあるのだが、その後気になって調べたところ、
2016年:PONANZAが2勝0敗
2017年:PONANZAが2勝0敗
と、AIが続けて勝利しているようだ。
Posted by ブクログ
創造性すらAIの範疇という考えが印象的だった。最後には役に立たない、非効率なことが残るのだろうか…。
また、脳の働きを分子レベルで解明する、や、猿の脳の動きの調査方法など、瀬名秀明著のbrain valleyの世界へと現実がシフトしつつあることも印象的だった。
"つまり、創造性とは全くのゼロから何かを生み出すことではありません。むしろ、幅広い経験を通じて目撃したり学んだりした様々な事柄
つまり一見すると無関係な事柄の間に他者が気づかない関連性を見出し、これに基づいて別々の事柄を一つにつなぎ合わせる能力です。"
Posted by ブクログ
先日(2015年9月5日)トヨタが自動運転技術開発のため米マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学とAI(人工知能)の研究で協力するとのニュースがあった。今後5年間で60億円を投資するという。
ハンドルを握らないで自動的に運転される車というのは夢のような話だが、おそらく10年もしないうちに高速道路を走る車の何%かは自動走行しているかもしれない。
「人工知能は人類の敵か」と書かれると、まるでブレードランナーのレプリカントやターミネーターのスカイネットを思い出してしまうが、この本で紹介されるAI(人工知能)はもっと現実的なものだ。これからは、現在「道具」として使われているもの(工業製品)に、どんどんAIが実装されていく事になるのだろう。
2025年4月26日 追記
これを書いてから10年たった。現在私はスバルのレヴォーグに乗っている。高速道路は全自動とはいかないけれど半自動状態で走る事が出来る。
スマホやPCにはChatGPTが実装されAIを日常的に使用している。
Posted by ブクログ
目的 AIの基礎知識とトレンドを学ぶ
・AIは機械学習で進化していく、統計学と確率論
・人間は自分を超えるものを受け入れる包容力がある →自分達を超えるAIを生み出す
Posted by ブクログ
AIと人間の関係について公正な視点で見たい人におすすめ。
【概要】
●AIにできることをすべてAIにさせるとしたら、どのような課題が浮き彫りになるか
●AIの技術と歴史。新しいものの情報では、スパイキング・ニューラルネット
●日本の企業が持つべき危機感
●人間は、どこに存在価値を持つべきか。
【感想】
●AIが発展するに伴う危機感、所謂「シンギュラリティ」到来のような内容もあれば、冷静に捉えた内容もある。
●人間を超越し人間に危機を及ぼすAIの存在が技術的に可能になったとしても、あえてそのようなAIを開発しないという選択肢もある。
すなわち、最終的には危機が起きるか否かは人間が判断できるということであり、人間に勝るAIの開発の要否を見極めることが重要であると思った。
Posted by ブクログ
audiobook.jpにて聴いた。
AIの過去、現在、未来について書いている本。新書なので、コンパクトにまとまっていると思う。タイトルへの答えはnoというのが筆者の考え方らしい。
ターミネーターの設定とか想像しちゃうとアレですが。
Posted by ブクログ
人工知能というものの歴史そしてこれからが書かれてある。タイトル通り、AIがもたらす世界への影響を理論立てて書いてありそれは今までの科学の歴史も踏まえて書かれているので説得力があった。
AIブームは今までに3回あり、今回がその第三次ブームである。第一次では簡単なアルゴリズムのみ解析、第二次では統計、確率を用いて機械学習により株の予想などをしたが、データサイエンティストという人間の存在が必要であった。第三次ではそれすらもいらずコンピューターが自ら学び答えを出すことができるようになってきている。
Posted by ブクログ
脳科学とコンピュータの融合が私たちの常識を覆す!自動運転車、ドローン、ロボット兵器、雇用・産業構造、医療・介護、芸術…「自ら学んで成長する能力」を身につけた次世代ロボットは、人間社会をどのように変えるのか。
ちょっと前のAI関連書。コンピューターが作曲したクラシック音楽のくだりは、実に興味深い。
Posted by ブクログ
AIの入門として、とても分かりやすかったです。将棋であれ囲碁であれ、AIの実力にひれ伏す昨今です。ディープ・ランニングの技術が、身近に感じられます。2014年頃の話題までの内容ですが、私たちがどうそれらと付き合うのか、考えさせられる内容です。私は、優秀なロボットとして倫理的にも優れたものが現れるのではと楽観的に想像していましたが、戦争用のもののほうがより現実的に活躍しそうです。全体としての人間は、核の場合がそうであるように、愚かな存在としてAIに対応するような気がします。