町山智浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
その本を知っている人にしか伝わらない、本の虫だけに向けられたウインクのようなものだと思います。
映画の本棚 まえがきにかえて より
「もっと黒く歌えないか?」
そう言われてもキョトンとするだけの四人に、デイヴは必死にソウルの魂を説明する。
「カントリーもソウルも喪失について歌っている。違うのは、カントリーはあきらめて、ただ嘆くだけだが、ソウルはなんとかして失ったものを取り返そうとする。決してあきらめないんだ」
第11章 そこに連れて行くよ
あとがきにも書かれていましたが、もともとは「映画の台詞」という連載をまとめたものらしいです。本が出てこない章もありますが、楽しく読めました。本と言ってもいろいろで、原作本、聖書の引用、詩の一節など様々。そもそも昨今の映画でオリジナル脚本はあまり見ない気もします。何かしらの文学作品の引用や神話や古典を下敷きにしたものが多く、切っても切り離せないものなのでしょう。
知れば知るほど映画の持つ奥深さや異なった色合いを見せるので、映画ならずともテレビシリーズのワンシーンに一瞬映っているような書籍に目を向けるのも一興。
まえがきで紹介されていた『インターステラー』ではボルヘスの『伝奇集』以外にもピンチョンの『重力の虹』やイアンバンクス『蜂工場』、アボットの『フラットランド』など監督のこだわりも垣間見えます。知っている人だけしか受信することのできないメッセージがそこには確かに散りばめられているのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
借りたもの。
映画の中に出てくる、あるいはインスパイアされた本――文学や過去の映画作品など――を紹介し、作中にどのような影響を与えたか、関係性をひも解く本。
以外でも無い気がするが、その本や文学、演劇、言語を知っていることで理解できること――映画監督によって隠された、あるいは仕組まれたユーモアが理解できる。
「本棚はその人を表す」というが、映画のシーンで映し出される本棚には、その作品の意図が暗示されている。
字幕で見ていると気付けないそれを丁寧?に指摘。
文学的な話だけでなく、『007』シリーズのボンド・ガールの名前が実は下ネタだったとか、最後は何となく「男女あるある」的な、価値観の違いなどを明るみにしつつ、映画を観る際にちょっと面白い視点が広がる本だった。
人間はやはり、本を読むべきだと思う。
ちょっとしたユーモアをりかいするためにも。