三木義一のレビュー一覧
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ネタバレ世の中のことにとても疎いので読んでよかった。
印象に残ったワード「全体主義」「差別」「ファシズム」「水道法改正」「種苗法改定」「カジノ」「歴史修正主義」
コロナ禍だからこそ伝えたい「自由」と「権利」と「多様性」
p19「自由や多様性を守る」ということは、(コロナ禍で)マスクをしない人も、バーベキューをする人も、同じ社会で暮らす仲間として尊重するということ…せめて糾弾したり排除したりしないということ…自分たちの安全のためにどうしても行動を変えてもらう必要があるならば、その人の人権や生活が損なわれないよう、民主的な手続きを守りながら、理性的にお願いするということ
p17〜18 社会を民主的 -
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確定申告をするようになって税金もっと理解しなきゃと思い手に取った一冊。
消費者が支払った消費税だが、売上1,000万以下の事業者は国への消費税を免除されているのは驚いた。自分たちは誰に払っているのかと。
税金の種類は多種多様でそれぞれに歴史がある。自動車税は道路を作るために税率が定められたが、かなり道路が整備された今本当に同じ税率が必要なのだろうかとか。
最後の章では国際的な税制について書かれており、金融業界に携わる者としてはかなり興味深かった。グローバル化により、もはや国ごとの税制維持は破綻しつつあり、今後税制もグローバル化していく必要があると言う内容であった。
税金と聞くともう決まり切った -
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税のタブー
著:三木 義一
税金の制度は人間が自分たちの社会の都合に合わせてつくりだしたものであり、宇宙を支配している原理や法則とは全く異なる。きわめて公正で合理的な税制も、まったく逆に、きわめて不公正で恣意的な税制も、制定することは可能である。ただ、その社会の人々がそれを政治的に受け入れるかどうかの問題である。
税は、主権者になった私たちにとっては、時の統治者や権力者から一方的に収奪される年貢のようなものではなく、自分たちで決めるべきものであり、実際に決められるのである。本書ではそれを一緒に考えるきっかけを与えてくれている。
以下の11章から成っている。
①宗教法人
②政治団体と税
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お金の絡む本はほとんど避けてきたのですが、多様な意見を聞くことなく突き進む現政権を目の前にして、帯に書かれているメッセージが目にとまり読んでみようと思いました。
「減税は正義か?」との刺激的な呼びかけに始まり、歴史的な背景も振り返りながら、今の税制に関する問題点を納税者の立場から解き明かした展開に引き込まれていきました。「年末調整」や「源泉徴収」制度は、自分の税金に関心を持てなくされている仕組みに一役買っていることなど全く知りませんでした。
「そろそろ、義務としての納税から自分たちの意思としての「払税」に変え、社会の責任ある主権者として政治に、税制に、予算支出に関わっていこう」(おわり -
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ネタバレ新聞のコラムとその解説を集めたもののようだが読みやすく、内容もすんなり入ってくる。
税金のもつ再分配の役割について多くが割かれており、特に軽減税率は意味がないということが繰り返し説かれる。最初の改正論議のときも軽減税率は意味がないことを主張したかったのだけど色々と圧力があり新聞各社は論評を控えた。そのおかげで新聞が軽減税率の対象となったが新聞史上に残る汚点だとバッサリ。
・逆進性の解消には給付付き税額控除が一番だし、資本課税も検討しなければならない。配当金なども富裕層は配当を控えるようにいうだけの権力を有しているので、配当を控えた会社の株価が上がることでますます資産価値が増える。 -
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三木先生と言うと、この人は租税法学者でして、また青山学院大学の学長まで上り詰めた方ですから、私も下手なことを申し上げることは当然できかねますが、どうにもこの本には些か疑問が残る形となりました。
身も蓋もないことを言わせてもらえば、この人は結局、租税法の複雑難解さによって生計を立てていたわけでして、言うなれば「租税法利権」の受益者である、というのが私の認識です。
従いまして、私にとって三木先生は、同氏が糾弾する日本社会における租税を巡る「ものの見方」に関する共犯者だと思うわけです。
なるほど租税法の複雑難解さは目に余るというのはわかるわけですが、そしてその見直しの必要性についてというのも -
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冒頭に出てくる安倍内閣の消費税値上げ先送りを総選挙で問うという欺瞞性の指摘からこの本は始まる。税に関する実務知識ではなく、税金制度そのものの問題点を考えさせてくれる「政治的」な本と言えるかも知れない。直間比率のこと、所得控除と税額控除の格差社会解消という観点からの比較、法人税という制度の持つ意味合い、消費税制度の逆進性を生む問題点、相続税の問題点…。日本の法人税の税率が高いように指摘されるが、実は非課税部分が多いゆえに実施的な負担はかなり低い!とは衝撃的な話。ピケティなどの指摘とある意味中で共通するこの書の問題意識は鋭く、快感さえ覚えた。なお、「夫婦財産契約」という概念は初めて知った!