三木義一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ新聞のコラムとその解説を集めたもののようだが読みやすく、内容もすんなり入ってくる。
税金のもつ再分配の役割について多くが割かれており、特に軽減税率は意味がないということが繰り返し説かれる。最初の改正論議のときも軽減税率は意味がないことを主張したかったのだけど色々と圧力があり新聞各社は論評を控えた。そのおかげで新聞が軽減税率の対象となったが新聞史上に残る汚点だとバッサリ。
・逆進性の解消には給付付き税額控除が一番だし、資本課税も検討しなければならない。配当金なども富裕層は配当を控えるようにいうだけの権力を有しているので、配当を控えた会社の株価が上がることでますます資産価値が増える。 -
Posted by ブクログ
三木先生と言うと、この人は租税法学者でして、また青山学院大学の学長まで上り詰めた方ですから、私も下手なことを申し上げることは当然できかねますが、どうにもこの本には些か疑問が残る形となりました。
身も蓋もないことを言わせてもらえば、この人は結局、租税法の複雑難解さによって生計を立てていたわけでして、言うなれば「租税法利権」の受益者である、というのが私の認識です。
従いまして、私にとって三木先生は、同氏が糾弾する日本社会における租税を巡る「ものの見方」に関する共犯者だと思うわけです。
なるほど租税法の複雑難解さは目に余るというのはわかるわけですが、そしてその見直しの必要性についてというのも理解はできるのですが、ただ、三木先生は学者として、新たな租税法の規定の在り方を提言されたことがあったのでしょうか。
むろん、解釈法学者にそうした立法に踏み込んだ提言を要求するというのは、あるいは失当かもしれませんが、しかし、私は何も魚屋に明日から野菜を売りなさいというような無理な注文をしているわけではありません。
一例として、租税法の文言をより分かりやすいものにするために、ある法律のある条文の文言を変更いたしますと、その変更後の条文が従来のものと同一の内容なのか、又は以前から変更したものなのか、という疑義が当然生じます。
文理解釈が支配的な租税法の世界では、普通の場合後者となることが多いわけですが、いずれにせよ、ひとまず文言変更後の解釈がどうなるか、ということについて世間が全く無関心ということはありえません。
そうなりますと、この解釈はいったい誰が明らかにしてくれるのか、ということになるわけですね。課税庁が顔を出すことは容易に想像できるでしょう。
これに対する反論として、従来の条文は従来と同一の意味とする、という見解を採るとしても、改正や追加に当たっては、従来の条文の文言の法則が妥当しないこととなるわけですから、これについての疑問は残ってしまう。
従って、難解ながらもひとまず解釈手法の確立した法律について表現の平易化という外科的手術を施すに当たっては、租税法において重視されるべき予測可能性を損なわないように努める、ということに留意する必要があるわけですが、その技術的に微妙な調整こそ三木先生初め学者先生のお仕事ではないかと感じるわけです。
問題提起は大事なことですが、その問題の解決に当たって遭遇する困難に言及してほしかったな、あるいは何らかのご提言があるのであれば、民主党との合作のみにとらわれずご披露する、それが租税法の職業専門家が発揮すべき良心だったのではないか、と考えるのです。 -
Posted by ブクログ
冒頭に出てくる安倍内閣の消費税値上げ先送りを総選挙で問うという欺瞞性の指摘からこの本は始まる。税に関する実務知識ではなく、税金制度そのものの問題点を考えさせてくれる「政治的」な本と言えるかも知れない。直間比率のこと、所得控除と税額控除の格差社会解消という観点からの比較、法人税という制度の持つ意味合い、消費税制度の逆進性を生む問題点、相続税の問題点…。日本の法人税の税率が高いように指摘されるが、実は非課税部分が多いゆえに実施的な負担はかなり低い!とは衝撃的な話。ピケティなどの指摘とある意味中で共通するこの書の問題意識は鋭く、快感さえ覚えた。なお、「夫婦財産契約」という概念は初めて知った!
-
Posted by ブクログ
具体的な数値を用いているので、『羊』の方々(本書ではサラリーマンをこのように表現している)は片手にしながら読み進めると自分の立ち位置を
すぐさま把握できるので、そういう意味では良著かも。
ただ、「サラリーマンのための所得税」をイントロする本著の性質上、
学問的な話は薄く、実務的な数値が多く盛り込まれているので、数字の
嫌いな(税法・会社法などのビジネスローにおいては致命的だが私はそうだ)学生・羊さんには、ナイトキャップとしての意味でも良著である。
ターゲットがそもそも違うのでこれ以上を求めても仕方がないかもしれないが、何れにせよ「とっかかり」としてはいいのかもしれない。
この本だけで大学の税法の単位がとれるわけではないだろうけど。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
給料日。
現在、ほとんどの会社で給与は銀行振込になっている。
あなたがサラリーマンなら、手元に給与明細が配られるだけである。
あなたは自分の給与明細をじっくりと見たことがあるだろうか?
そこに記載されている数字が正しいかどうかチェックしたことがあるだろうか?
日本のサラリーマンの税金のむしられ方は、羊たちの毛刈りを連想させる。
日本の羊たちは、知らないうちに毛をむしられ(源泉徴収)、その程度やむしられ方についてもわからないまま、不満や不安はあるが、でも大騒ぎするほどの負担感を抱かないですむようにされている。
この本は、そんなサラリーマンの税制の現状をわかりやすく説明したものである。
[ 目次 ]
プロローグ
第1章 給与明細の謎
第2章 必要経費の謎
第3章 控除の謎
第4章 年末調整の謎
第5章 出向・解雇・倒産と税金の謎
第6章 退職金・年金と税金の謎
エピローグ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]