玉村豊男のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
キャベツ、ジャガイモ、トウガラシ、ナス、サトイモ、テンサイ(砂糖)など、普段身近な野菜が原産地から世界に伝播して行った歴史を、著者の実体験も交えて詳しく解説した博物誌的な本。
原種の野菜が、人間の欲望によって、どのように手が加えられて現代のような姿になり、その過程で人々や地域や国家にどんな影響を与えてきたのか。特に最後の章における、テンサイから作られる砂糖が西洋諸国家を見苦しく自分勝手な係争に巻き込んでいったくだりは、普段語られることの少ないレアな歴史観が分かって面白かった。
学術書のような堅苦しさがなく、軽いエッセイのような語り口が読みやすい一方で、それがゆえに、非常に意味の深い貴重な情 -
Posted by ブクログ
いや、面白い本でした。野菜…と言いながら魚やスパイスなど野菜以外の食材の話も結構出てくるのですが…についての蘊蓄に著者の旅の思い出としての随筆的が散りばめられているような内容。
1つ気になったのは、アメリカに関して「エダマメはなぜ普及していないのだろう」と書かれている点。2010年の発行の本なのだけれど、今ではEdamameは英語として通用するくらい普及していて、冷凍パックだけでなくサラダバーにもほぼ必ずあるし、ファミリーレストラン的なところでもさやに入ったままのまさに日本の居酒屋で食べるエダマメがメニューにあるところも少なくないので、アメリカで枝豆が普及したのはわずかここ数年のことなのだろ -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本を読んだ後、ビジネスってこういうことだよな、価値観にあった働き方をしたいな、ということを感じた。
特に、飽食の時代と言われる日本において、食べ物がどんどん捨てられるコンビニとかを見ていると、なんか価値観と合わないなって思うし、野菜の形で売る売らないを決めるスーパーも違うと感じる。
取れたての野菜をその場で調理し、提供する形を取れば、上記問題は起こらない。
余った野菜は、ソースなりジャムなりにして保存可能な状態にする。
そういった、たべものを大切にすることが価値観にあっていると感じる。
また、資本主義において、人を雇うにも人件費が発生する。しかも、時給という単位で発生する。
山奥のお店に -
Posted by ブクログ
ダイエットは女性の永遠のテーマらしいです。
ダイエットってようするにカロリーの入出力の関係を「入<出」にすればいいってだけ(想像)だから、実はそんなに面倒なことではない気がするけど違うんやろか。違うんやろね、
でもダイエットを気にしすぎるとごはんが憂鬱になっちゃう。それだけは避けたいもんだ。
僕たちは食べるために生きているわけではないけど、食べないと生きていけない。省略できないこの時間を豊かにすることは、人生を豊かにすることじゃなかろうか。
■「食卓は学校である」玉村豊男・著(集英社新書)
筆者は食に関する著作をたくさん著している方ですが、この本はわりと新しい、昨年の秋に出まし -
Posted by ブクログ
・パリジャンの日常食。ウフ・マヨネーズとステック・フリット
>スモーガスボード(バイキング料理)というのは、自分で料理の量と種類を自由に選ぶことができる、というだけで、実質的には、きわめて整然と時系列で進行する、西洋式のフルコースなのです。
>アナーキーな日本人の行動に対して、フランス人なんか悲しいほど律儀です。彼らは、すべての料理が最初から並んでいる弁当箱のようなトレイを与えられても、ひとつひとつの料理を時系列のポジションに置き換えて、順番どおりに時間差で食べるのです。
>十六世紀になるまでは、インドのカレーも朝鮮半島のキムチも、いまのように辛くはなかったのです。同じよう -
Posted by ブクログ
食についての本を数多く書かれている著者の新刊。様々な観点から講義を受けるように楽しく読んだ。各国の文化・歴史・宗教と結びついて語られる事柄は素直に納得する事ばかり。学校といっても先生に教わるというより、経験や造詣の深い知人の会話を無心に聞き取るような至福の読書だった。興味深かったポイントは多数あったが、まず「日本人のいっしょ食い」この作者ならではの鋭い観察力で面白い。「白柔温甘」飽食の時代が頂点に達して折り返すと、それまでは貧しさの象徴であったものが豊かさの象徴に変換され、豊かさの象徴であったものが時代遅れの烙印を押されるという記述が面白かった。「肉食と禁忌」についても宗教や風土などの絡みがわ
-
Posted by ブクログ
食に関する書籍は大好物!なので、書店で見かけて中を開き野菜の名前が目に入ったときには購入の決意をしていた。
人間が愛してやまない野菜の歴史が読みやすい文章で書かれている。どうも食材の起源となると堅苦しい場合があるのだが、この本は分かりやすい。日常お目にかかる料理や旅行エピソードがメインで、起源なんて頭の端にあればよい、みたいな。
どちらかというと旅行記に近いかもしれない。旅行記を読むときに料理の場面が出てくると、ぐっと身近に感じる。それを抽出したようなものなので、旅行記の飯の話が大好きな人にとっては楽しめる内容ではないのかな。
個人的には著者の旅行記を読みたい。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
世界中を席捲している未曾有の経済不安の中で、どうしたら地に足のついた生活を送ることができるのか。
「すでに成熟した社会」に生きる知恵と、人生八十年時代の処方箋について、田園生活を実践する著者が、健全なるライフスタイルを提唱する。
今日よりよい明日はない、と思い定めれば、毎日最高の今夜がやってくる。
なぜもっと今を楽しもうとしないのか。
今ここにないものを求めて、なぜ次の夢ばかり探そうとするのか。
本書は、現実を見据えた視点から、閉塞した状況を生きる世代に贈る熱いメッセージである。
[ 目次 ]
はじめに 人生八十年時代の戦略
第1章 なぜ夢を見なければいけないのか
第2章 今日