玉村豊男のレビュー一覧
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試し読み
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Posted by ブクログ
紙面の大部分を世界各地の料理の分析、共通点の探索に割いている。
そう聞くと、淡々とした文章で読み進めるのが苦のように思えるが、そこを筆者の軽い文体とジョークを交えることで気づいたら最終章に辿り着いていたという経験をさせてもらった。
最終章では、それまで紹介された内容が水、油、空気そして火という4要素に還元され、それらの関係性をひとつの図形で視覚的にわかりやすく説明される。
この図形のどこかに点を置くことで新しい料理ができると同時に、すべての料理が(底面変換を繰り返すことで)この図形に詰まっていると考えると、これから料理を食べるのが楽しみになって仕方がない。 -
Posted by ブクログ
世界中のありとあらゆる料理は基本的に原理は同じであり、(1)火という中心要素の営みを受けてそれに対応する(2)空気(3)水(4)油という三要素を合わせた四要素から、食材や調理器具などの差異こそあれども、成り立つ調理法の組み合わせだと論じている本書。この抽象的で聞いただけでは理解しがたい概念を、著者が出会ってきた様々な料理の丁寧な説明と共に読み進めていくうち、結論ではっきりとその教えの理解に驚きと共に至ることとなる。料理に於ける哲学書のような一冊。しかもこの原理は過去に存在したであろう料理やこれから未だかつて誕生したことのない料理にも通用するから、魅力的である。必携の名著。
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Posted by ブクログ
某Podcastの堀元さんがたびたび本質本として紹介していたので、料理には疎い私ですが興味を引き読んでみた。
肩肘張らないエッセイ本ということで、すらすらっと読み進めることができたし、異国の料理と身近な日本の家庭料理との共通点を、少し無理やり感はありますがユーモラスに論じていき、結局納得されられている私がいます。料理に対するメタ認知の極致であるように思うし、そこまで俯瞰して料理を捉えることができたら、確かに刺身も結局はドレッシングをかけたサラダなのだなーと共感。
火を頂点として、空気、水、油の三点を底辺と置いた四面体が料理の根本原理。ここまで達観した主張を出らための思い付きで述べてるのでな