高遠琉加のレビュー一覧
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全てを読み終えて、切なさと哀しみで胸がいっぱいに。
これしかなかった。そう頷けるけど、佐季のこれまでの人生を考えると、空しくやりきれない気持ちにさせられます…
読み始めはこんなに作中の人物に魅入られて、ひどくもどかしい気持ちになってしまうほど物語に入れ込むとは思いも寄りませんでした。読み進むうちにその危うさにはらはらして、何とかしてあげたいと思ってしまって力が入りっぱなし。
だって佐季も司も出会った時はまだほんの子供で、ただ苦しみから抜け出したかっただけだったんですよね。
絵に描いたような幸せが欲しかっただけの子供と、やさしい愛が欲しかっただけの子供。それを手に入れようとして重ねてきた罪の代 -
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ネタバレ「神様も知らない」続編。胸にずっしりくる中身。話は13年前に遡り、まだ中学生だった佐季と司が登場します。微妙な年頃。子供特有の無垢で無知な残酷さに心が痛みます。子供に罪はないし、それは必ずその親と周囲の大人たちが起因していることなんだろうけど。
追い詰められてどうにかこの状況から抜け出そうともがいた佐季がつかんだもの、それが司だったんですね。佐季にとって、司は憧憬と嫉妬と、そして癒しそのものの存在。
一方の司も恵まれた立場にいるように見えて、次々に頼れる身内をなくして独りぼっちの状態。佐季だけが心の拠り所だと痛いほどわかります。
もう、こういった子供の不幸、絶望感は、BLだとわかっていても胸が -
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大好きです!!
雇われシェフ×支配人です。
俺様×薄幸美人?かも。
フレンチレストランが舞台のお仕事BLですが、設定もしっかりしていて大満足。フレンチに興味が出てきます。
レストランの支配人のくせに食に興味のない受にイライラする攻が、知れば知る程受をほおっておけなくなる王道パターンがまた・・・上手い。
またこの攻が甘くない。
いじめっこです。
人として強い攻に対等であれと追いつめられる受が不憫にも思えますが、決して間違ったこと言ってないしね。
1巻のこちらではまだお仕事メインですが、イッキに3巻までよんでほしいです。
全3巻で、ちょっと怖いがなぜか自他共に認めるモテる攻が、大嫌いだった受にだ -
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「神様も知らない」の続きですが、一巻はこの話の序章であり、全ては佐季という人物を巡る物語なのではないかと思うほど、彼の生い立ちから現在に至るまでその妖しい魅力に引き込まれる。「白夜行」を思わせるストーリー構成と、夜の太陽の下を終わりのない出口に向かって歩いているような絶望感。暗いけどBLというのを忘れてしまうくらいどっぷりハマれる世界観で私は好き。
愛情という名の依存に縛られている司と愛情をも利用しようとする佐季、太陽のような明るさで初めて司に感情を与える慧介と佐季に取り憑かれ追う刑事流。彼らの愛情のベクトルがどう向かうのか、事件の点と点がどう繋がるのか、その時に光はあるのか、気になる点がいっ -
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めっちゃキュンキュンしました〜!!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
この本、賛否両論ですが私は好きっっ!!!
溢れそうな水や亀、小鳥などに喩えた美しい文章が秀逸でした (*^ ^*)
☆ケガしたエロ作家・不破の代わりに口述筆記で執筆のお手伝いをする教師の鮎川。そこから二人の微妙な関係が変わっていくというお話し☆
にぶい上に亀のごとく遅い恋愛スピードの鮎川。
そこにイライラされる方もいるみたいですが、忍耐強く待ち続ける不破が私にはツボでした(笑)
不破のふところの大きさはハンパない。
不破の一途さもハンパない。
怖がりながら気持ちに寄り沿おうと頑張ってる鮎川のぐるぐる具合が -
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さすが、ストーリーテラーの作家さん。今回はとっても男くさいハードボイルドな話で、引き込まれました。
オヤジの街、新橋が舞台というのもロマンスからは程遠く尻込みしかけましたが、とある花婿のボディガードを恐そうな893から報酬500万で強要される…という展開に、先が気になってしまい思わずぶっ通しで読んじゃいました。
そんな依頼を受けたのは、新橋で小さな鉄板焼き屋を営む元プロボクサーの桐島。訳あって893の飴屋に多額の借金をしていて、そのために5日間の仕事を引き受けるのです。
その花婿の結婚式までの5日間が、濃密に描かれています。なぜ飴屋が花婿の警護を桐島に頼んできたのか、というところから次々と謎