大地が汚染され、生身で生活することが不可能になった時代。人々は自律移動する巨大な都市(レギオス)の上で生活していた。
レギオスには様々なタイプが存在する。物語の舞台となるのは、学生のみで構成された学園都市、ツェルニ。
わけあり主人公のレイフォンがそこへ新入生として入学するところから、物語は始まる。とそんなお話。
以前から気になっていたライトノベルの金字塔のひとつ?
アニメ化もされた人気タイトルだが、読むのは今回が初めてとなる。
さすがに、人気のある長編ライトノベルらしく、地の文が骨太でしっかりしていて安定感がある。
そこらの木っ端ライトノベルが根の細い草だとするなら、こちらはどっしりと太い根を下ろす大木をイメージさせる。そんな安定感。
(必ずしも草が木に劣るとは思わないが、木には草にない魅力がある)
内容的には、実力を隠しているが本当は強い主人公が、周りに流されながら悩んだりバトルしたりしながら♀キャラとイベントを積み重ねるという、まあよくあるタイプ。
主人公が実力を隠す理由がしょっぱかったり、似たような境遇のサブヒロインの心理描写が曖昧だったりと気になるところはあったが、おおむね、穴の少ない良質なライトノベルだと感じた。
「実力を隠すと決めたんなら中途半端に力を見せたりすんなよ」とイラッとする場面もあったが、そんな読者の不満を作中のキャラクターが言葉にして主人公に突きつけるシーンが印象的だった。
読者の感じる不満を、作中で形にする。大事なことだが、それができない作品の方が多い。そこが好印象。
ただ、主人公の真の実力があまりにも桁違いすぎて、最後は正直どっちらけ。
まだ第一巻なのでなんとも言えないし、安定感以上のプラスアルファ、想像を上回る意外性などは感じなかったので過度の期待はできないかもしれないが、続巻にも期待したい。
なんといっても、かなりの長編だから、好みにさえ合えば幸せな時間を提供してくれる、かも知れない。
期待感込みで★4(本編の内容のみなら3かな)