あらすじ
思いがけない養父の言葉。リーリンは複雑な思いにとらわれていた。本当は会いたい。心から。でも、それでレイフォンが喜ぶのだろうか……。一方、ツェルニではナルキが第十七小隊に残る意志を示す。対抗試合の最終戦、ツェルニ最強の第一小隊との決戦を前に、ニーナは全メンバーでの合宿を計画した。合宿最後の夜、レイフォンはナルキ、料理当番として参加したメイシェンに呼び出されるが、足場が突然崩れ落ち――。レイフォン、そして第十七小隊に最大のピンチが訪れる。それぞれの運命の歯車は音を立てて回り始め……。超快進撃シリーズの第五弾!
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汚染された物質に覆われた、荒廃した世界。
自律型移動都市(レギオス)に暮らす人々を描いたSF学園ファンタジー。
終末SFらしい、どこか乾いた雰囲気。
汚染された世界の謎に徐々に迫っていくストーリー。
「剄(けい)」や「錬金鋼(ダイト)」といったガジェットを用いた迫力の戦闘シーンなど、厨二心をくすぐられる要素が満載です。
また、登場キャラクターたちが大変に魅力的。
武芸者として秀でた力を持ちながら、過去にとらわれ葛藤する主人公。
彼を取り巻く「第十七小隊」のメンバーや「学園都市ツェルニ」の面々が織りなす人間模様は、時にイライラ、時にニヤニヤ。
学園モノ好きもきっと満足!の欲張りな作品。おすすめです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
大きさ・時間などに関係なく、罪は罪である。レイフォンがまだヴォルフシュテインと名乗っていた時代、つまり天剣授受者であった頃、レイフォンは槍殻都市グレンダンの武芸者たちの頂点12人の1人でありながら、闇試合に出場し、その名を汚した。現実に同じような事件があっても、例えば実力をたくさんの様々な人間に認められたある格闘家が、命と金を賭ける闇試合に出ていたとして、それが明るみに出れば同じように格闘技を汚したと評価されるだろう。そう考えてもやはり、レイフォンがしたことはまぎれもない罪だ。
しかし作中でナルキが言っていたように、レイフォンの罪はたしかに罪だが、すでに裁かれた罪だ。いつまでも自分で自分を戒めで縛るのは、一種の逃げになってしまうのではないかと感じた。
Posted by ブクログ
レイフォンが過去の事件に囚われ続ける中、級友や小隊の仲間に支えられながらも前を向き始める話。
次は駄目でもその次には一緒に戦って欲しいっていう言葉が印象的だった。
ただレイフォンの過去を知りたがろうとするミイ達には辟易した。あんまりああいうの好きくない。
ツェルニに異常が発生してニーナにも巻き起こる変化が起きる。
Posted by ブクログ
大筋は面白いと思う。
最強である主人公が、最強であることを一般人にばらしてはいけない
というのは中々興味深かった。
確かにそんな面はあるだろう。
人間は自分の目で見なければ信じない。
信じていると口では言っても、百聞は一見に如かず。
以降ネタバレ。
この刊では、ミィフィとメイシェンが個人的にはムカつきました。
確かに、恋だろうが愛だろうが好きな人が心配になるし
話して欲しいと思う女心はわかる。
が、付き合いが短いのだから過去によっては信用問題に関わる
というミィの言い草と、それに最終的に同意してしまうメイとナッキには
がっかりした。
私はそんなに世間で言うほどフェリが可愛いとも思えないし
男が描いた女、ということなのかもしれないが
このミィたちのうざさはあんまりだ。
今のレイフォン、あるがままのレイフォンを受け入れて
話してくれるのを待つという選択肢が何故取れないのだろう。
訊いてもいいだろうか、と尋ねる段階も全てすっ飛ばして、
天剣授受者ってなに、と逃げ場のないところから訊いてしまうあたり
えげつないなぁと思った。
自分がレイフォンだったら、手紙読まれるは根掘り葉掘りップライベートを
しかももう知ってるから答えろ って感じで訊かれたら
ぶちきれてしまうと思う。
ミィとメイはただの世間知らずの女でしかないんだな
という印象になってしまった。
自分が感情移入しやすいのがニーナとナッキなのは、
たとえ自分の方が弱くとも、たとえ足手纏いになろうとも、
何も知らずにいる側ではなくて、武器を握って同じ戦場に立ちたいと思うからだろうか。
リーリンやメイの立場にいるのは真平だ。
フェリの立場もイマイチ違う。
同じ場所に立って同じ痛みを感じていたいと思う。
レイフォンの感じるものとは違ったとしてもだ。
レイフォンがいつか共に戦って欲しいと言ったが
如何ともし難い力量差があっても、それでもそう言って貰える立ち位置に
いつかではあっても辿り着けるところにいたいと思う。
そういう考えが無いから、自分の気持ちだけを優先して
追い詰めて怪我をさせて、落ち込んで心配させるという
身勝手な行動を取ってしまうのではないだろうか。
自分は、そういう女ではいたくない。